ホンダNSX30周年

ホンダNSX30周年、フェラーリを焦らせたと言うが、それ程のモノか?

フェラーリは、ディノ246GT以降V6エンジンの車両もない。基本、V8かV12、ターボが付くか付かないかだ。

元々、自動車メーカーの格とでも言うべき差がある。軽自動車レベル、4~6気筒の小型自動車レベル、6~8気筒の中型自動車レベル、8気筒以上の中型以上自動車レベルという感じになるだろうか。ドコまでの商品を揃えられるかが、その自動車メーカーの格というコトになる。

自動車の評価は、詰まるところ、走る止まる曲がる。それぞれのレスポンスと伸びと安定感になる。そして、市販車である以上、使い勝手や維持しやすさや改造などの発展性。

NSXはフェラーリと比べて、車体はやや小さく、エンジンもV6、ハンドリングレベルはさほど変わりないにしても小さいエンジンの方が楽なのだ。フロント足回りはインボードのダブルウィッシュボーン、お陰で4ピストンブレーキが使えず2ピストン、オールアルミは斬新だったが治具供給が追い付かずサービス体制的にマイナス、鉄のロールバーやスポット溶接的補強や元の強度剛性レベルも高くない。だから、エンジンもV6がいいトコだった。ウワサというか期待は、F1イメージでV6ツインターボやV10やV12、F3000の無限V8もあった。87年終わりにホンダF1桜井総監督が後藤サンに交代し、市販車開発に異動した。当時、桜井サンは「ホンダがやる以上は、フェラーリランボルギーニやポルシェをブッちぎる!」と意気込んでいた。しかし、数ヶ月後に桜井サンは辞めていた。

いっそ、エンジンはホンダ2輪の発展で作るV8でも載せたら、ホントにフェラーリが慌てたかも知れない。鉄でもアルミでも、モノコックではなくフレーム&FRPカウル構造にして2輪の工場で生産していたら、バカなアルミ専用工場も必要なく、ホンダの収支悪化も少なかったかも知れない。まして、サービスをホンダのバイク屋で受けられたかも知れない。そしたら、ホンダ2輪4輪の販売店に有形無形の好影響を与えたろうに。

出す出す詐欺、スゴいスゴい詐欺で期待を膨らませた末に、出たモノはNAのV6でプシューッと萎んだ。A・セナが鈴鹿で試乗したり、マンガ「サーキットの狼」主人公・風吹裕矢が開発に関わり、愛車にした設定くらいしか救いはなかった。

慌てる焦る要素はなかった。