頭文字(イニシャル)DからMFG(ゴースト)

ワタシは、しげの秀一バリバリ伝説」以降、カレのマンガを読んでいた。当時は楠みちはる「あいつとララバイ」と並び少年マガジン連載、主人公巨摩郡の峠から鈴鹿4耐、ライバル聖秀吉の死、B級特別昇格で混走全日本GP250エントリー初年度制覇、世界GP500エントリー初年度制覇でストーリーを終えた。主人公は武蔵工業大学1年で全日本GP250制覇、休学の2年で世界GP500制覇、つまり20歳でのエンド、確か、何の続編もなかったハズ。まだ婚約状態、87年チャンピオン後の世界GPは?鈴鹿8耐は?引退への流れは?読者に様々な妄想をさせる、飢餓感が残った。

頭文字D」はヤングマガジン連載、旧車AE86トレノ3ドアHBで秋名山の峠へのチャレンジャーとのバトル対応、高橋涼介・啓介や須藤京一との出会、トレノのエンジンブローと再生、関東各県での峠バトル、箱根最終ステージでトレノ再度のエンジンブロー。日本最速を目指したハズが、関東最速でのエンドだった。

そのストーリー自体、完結と言うにはあまりに、何もかも消化不良だった。主人公は、まだ19歳でのストーリーエンド、女子高生ゴルファー美佳、その後の高橋涼介・啓介他プロジェクトDやライバルチームのその後、「バリバリ伝説」の時同様、若過ぎる主人公のエンドは、読者に様々な飢餓感を残した。

今回のMFGはハッキリと続編。ステージは同じ峠ながら、峠の公道レース。まるで、池沢さとしサーキットの狼」の日光街道レースをシリーズ戦にした発想。クルマは、アップデート&アップグレード。高橋涼介は群馬大学医学部以降を経て、高橋啓介はモータースポーツ活動をして、どうやって数年後にMFGを立ち上げる資金を手にしたのか?チューニングはあまり意味をなさないレギュレーションの元は、高橋涼介のPCに入力していた公道最速理論だったろうが、あのドローンやメディア露出運営指示を医者の片手間でやるのは、どういう流れなのか?

藤原拓海については、サイドワインダーとの箱根バトル後、プロジェクトD解散してイギリスに渡り、イギリス国内とヨーロッパのラリーを制した後にWRCの切符を手にした。そのシーズン目前のテスト中にメカニカルトラブル(ドライブシャフト破損)で谷底に転落、プロドライバーとしてのキャリアは、20代後半で終わっているようだ。そして、リハビリを終え、ロイヤル・ドニントンパーク・レーシング・スクールの講師になり、片桐レヴェントン夏向と知り合い、個人指導をするようになる。いろは坂と箱根、MR2とMR-Sで2度拓海と戦った小柏カイと話したトコでは、夏向の1年後1年限定でのMFG参戦を決意したコトになっている。拓海は美佳と結婚したらしいし。

しげの作品の傾向から、このシーズンだけをストーリーにする?夏向をシリーズチャンピオンにするなら、シリーズ戦少ない中で少し展開が遅い気がする。巨摩郡は全日本では3戦目、世界GPでも3戦目で優勝している。手堅くポイントを稼がせた。拓海は最初から奇跡の下りで連戦連勝だった。シリーズ戦の数が少ないMFGでは雨と霧の前戦に優勝してないと、ポイント的に厳しいハズ。でなければ、シーズン中盤にベッケンらを停滞させ夏向を連勝させないといけなくなる。トヨタハチロクスープラに替える想定もあったが、諸星瀬名に乗せてしまった。チューン後300馬力程度のハチロクで、ボクスターやA110や488やウラカンに勝ち続けるストーリーでは、いくら峠舞台でもウソ臭い。ポールtoウィンできるハズもなく、ブッちぎりもあり得ない。毎度、雨と霧のレースにもできない。まさか、夜間レースやるのか?

恐らくは、夏向に逆転チャンピオン獲らせて終わるストーリーなのだろうから、その流れをどう作るのか、現実F1のような作為丸出しの流れにならないコトを望みたい。