ホンダNSX30周年?

このクルマが世に出始めた時、もっとマトモなエンジンが載ると、ワタシも世間も期待していた。ホンダはオートバイでもレーサーレプリカをやっていた時期だ。87年までホンダF1総監督やっていた桜井サンが市販車開発担当になり、「ホンダがやる以上、フェラーリやポルシェをブッちぎる!」と言って、F3用の直4、F3000用のV8、F1のV6ツインターボやV10やV12などが期待された。
アルミシャシーなんて、誰も期待してなかったのだ。強いて挙げればアルミモノコックなど何の期待もしていない。鉄かアルミフレームにFRPカウルというオートバイ的な造りをすれば良かった。上手くやれば、オートバイ工場で生産できたかも知れなかった。こういうクルマを作ってレースに使わないハズはなく、アルミでは鉄のロールケージは溶接できない。ホンダすらアルミ車両工場を新設し、財務状況を圧迫した。また、ディーラーやモーターショップでもサービスできない事態も引き起こした。

インボードのダブルウィッシュボーンサスペンションとフロントを小径にしたせいで、ブレーキ4ピストン化も遅れた。
桜井サンも、ホンダを辞めてしまっていた。

このクルマに何の期待もできないコトは、その時に悟った。

それを初期の想定にないレース使用をして、童夢に任せてリベット接合などを駆使して、何とか仕上げたが、市販ベース改造では根本的剛性不足は明らかだった。マイナーチェンジでも大したパワーアップもできなかった。

レース車両はサブフレームを繋ぐ構造になったから、構造的な改善もされなかった。

今は、名前は同じNSXでも、全く別のクルマが出てしまっている。レース車両は、もはやミドシップですらない。直4ターボを積んだ、ただのFRだ。

もはや、30周年と言って良いモノか、疑問に思う。