ニッサンの新しいZ、記事にチラホラ取り上げられ、誉めちぎられている。
ホントにそれでいいのか?
元々、ニッサンの中の位置付は、世界に通用するスポーツカーではなかったか?世界の自動車として見て、安い値段で高機能なスポーツカー、プアマンズ・ポルシェとは当に言い得た言葉だった。
クルマは、エンジンに適度なパワーとトルクがあり、トレッド&ホイールベースが適切ならキレと安定を両立する。
Z32以降、パワー&トルクで高いレベルになり、サイズも拡大し、よりインターナショナルな方向になった。ソレをより低く、より軽くする方向に進化させるべきだった。
ところが、カルロス・ゴーンになって以降、更なる拡張、重いクルマに変わり、GT-Rより格下の位置付を受けてしまった。いや、搭載されるエンジンがGT-Rより格下であっても、遥かにコンパクトで軽いクルマを作れば、実はポルシェに近付けたかも知れない。
2リッターターボであっても400馬力以上出す技術は、どの自動車メーカーでも持っている。完全に5ナンバーに収め、5ナンバー最強のスポーツカーを作れば、GT-Rとは明確な区分ができたハズ。シルビア・180SX亡きニッサンなら、ソレがあるべき道だった。
実際は、Z33・Z34とも、明確にGT-Rより格下、エンジンパワーはあるがトルクはNAとして並、FRだが、重いクルマを太いタイヤで動かすだけのクルマだ。Z34ではMT初のオートマチック・レブ・コントロールが着いたが、MTが死滅しつつある中では焼け石に水だった。スタイリングも、今のデザイン並、平面に貼り絵をしたような、デザイナーの自己満足でしかなかった。
今、出回っている新しいZ、所詮ココ2代の流れでしかない。あまりに芸のない長方形インテーク、紙で貼り付けたようなヘッドライト、寸法・エンジンも、何ら代わり映えない。
単に、出しただけのクルマだ。
FRで5ナンバーサイズの2リッターターボ、400馬力、トルク40キロ、車重1,000キロの2+2を作れば、Z自体がGT-Rとは全く違うベクトルで復活できるハズだし、共用してシルビアを作れば、初代SR/SPの再来になり得るのだ。
今のクルマが売れないのは、買う側の問題ばかりではない。生活者として、車庫に入る使い勝手良いサイズ、動力性能、値段、納期はマスト、デザインはアバンギャルドである必要はない。自動車メーカーが応じたクルマを出してないだけだ。