ニッサンZ&GT-Rをどう思う?

ニッサン、Z&GT-Rをどう思う?

コレを問うと、その答えでどういうヒトかわかる。

ニッサンについて、ゴーン以前、ゴーン在任中、ゴーン以後とに分けられる。

ゴーン以前、ニッサンは嘗てトヨタより良かった時代もあった。ただ、トヨタが基本愛知県メインにしてたところ、ニッサンは日本各地に工場を配しコスト的に嵩む構造になった。その分、ニッサンの日本各地にもたらす経済効果は大きく、損得あろうと貢献度の高い企業だった。その上、商売縛りが緩く、ニッサンと取引あるのに他社購入しても何のペナルティーもない、営業的な力の弱い企業だった。組合活動も強く、販売の弱味と相俟ってトヨタに逆転された。ただ、堅い商売をして儲けるトヨタに対して、トントンに近くとも日本各地に経済効果をもたらすニッサンは、全く異なる評価を得ていた。それが、アメリカの影響を受けたバカ経営とバブルやヒットで度を超えた設備投資で、新入社員にすら危険を悟られる放漫経営になった。90年中盤、それが露見した。

90年序盤の経理新入社員研修では、既に予期される状況だった。当時、考えられた対策は、工場閉鎖や役員2/3減だった。社員や部門費を減らすと後の企業活動が縮小し、収入を落とす。大きな固定費や企業活動に影響少ない費用縮小、経営失敗した経営者退陣が答えだった。経営学の「リストラは経営者の恥」そのものだった。ただ、みんな「ヒトの道として、できないよネ!」と言ってた。

しかし、当時経営者の選択は逆だった。アメリカのイカサマ経営に学び、BIG3を破滅に追いやったアメリカ式経営を導入した。日本経済をバブルまで支えた、終身雇用&年功序列をツブした。工場閉鎖と社員と下請け斬りを抜け抜けとやろうとした。日本人経営者がやると、日本で生きていけなくなるため、外国人経営者を連れて来た。それが、カルロス・ゴーンだ。

カルロス・ゴーンのやったリバイバルプラン、単なる財務数値改善だけを考えれば、学生にも思い付く稚拙なリストラだった。外国人経営者が強行、日本人経営者はやむなく従った図式で逃れた。この時点で、日本のニッサンの、ガンのステージが上がった。80年終盤のヒット以降、増長したニッサンはゴーン前まで、新車出してはスベる連続、ジャストインタイムも生産・販売両面で原価管理的に大失敗だった。各地にあったサービスセンター廃止は地域貢献にもマイナスだった。クルマ自体、日本市場を無視した見掛けインターナショナル指向の規格スペックで、ますます売れなくなった。開発や実験を縮小、営業活動を縮小、稼働工場を縮小、設備処分すれば財務数値は見掛け改善するのは、学生にもわかる理屈だった。それをバカなマスコミも"奇跡"と囃し立てた。自動車メーカーとしては"死"や"去勢"に等しいのに。

そんな中、カルロス・ゴーンが商品的批判を間逃れるスケープゴートとして打ち上げたアドバルーンがZ&GT-Rだ。性能的に優れていれば、後は売れなくてもどうでも良いスタンスで出したクルマだ。単に、中村サンや水野サンの踏み台にしかならなかった。Z&GT-Rは後に述べる。

財務数値だけソコソコに見えるのを成果として、ゴーンはニッサンからカネを搾り取った。本来は無能の烙印押されて真っ先に斬られるべき日本人経営者達は、多額の報酬で口を封じられた。今のクーデターは、単なる経営搾取の仲間割れ、部下の謀反でしかない。ゴーンが部下にも分け前を渡していたら、コレすら起きなかった。

Z&GT-R、着手する時点ではR32やZ32に携わったメンツも死滅、ゴーンの「それらしいクルマであればいい。」という考えを形にしただけのモノだ。

先に出たZはZ33として、Z32の3リッターV6を拡大してエンジン性能アップ、ホイールベース寸法増やして車体容量アップさせ、手軽に改善した新車を作った。Z34はそれだけではアピール不足になり、MT用オートマチックレブコントロールを着けた。

嘗てのZは、スカイラインGT-Rと双璧の位置付、インターナショナルスポーツカーとしてのZと国内サーキットユースのGT-Rというセグメントだった。しかし、Z33Z34は明らかにR35GT-Rより下、V35やV36スカイラインクーペと同格である。

R35GT-Rは見掛けはR34までのスカイラインの記号を継承したが、単なる高性能数値だけを狙ったクルマ、数値だけの稚拙なクルマである。三菱で言うGTOの焼き直しである。

自動車メーカー、直列4気筒ターボですら70年代中盤には500馬力に達し、以後50年近く経ち、量産車として馬力を更に上げる研究もドライバビリティー向上する研究もされている。R34までのGT-Rの直列6気筒は1,000馬力にも耐え得るエンジンだったし、6気筒にすれば、排気量を増やせば、別にスーパーな技術も工場も必要なく、既存工場で作れる。実際、今のBMW M3&M4、ポルシェ911ターボやマセラティーギブリはそういう同種のクルマである。

どんなヒトにも運転させる上で、4WDにした。軽いクルマだと操作に敏感になるため、コスト使わず軽量化せず確信犯の重さで、穏やか目なクルマにした。

高性能数値のクルマだが、特別な技術レベルのクルマではないし、ハイスペックなモノではない。