自動車マスコミ、バカなのか?馬力とトルク、どちらが重要かわかってないのか?

自動車マスコミはバカなのか?未だに、自動車にとって、論じるべきは馬力なのかトルクなのか、判断できないのか?

自動車、というかオートバイでもそうだが、直接馬力を計っているワケではない。トルクを計って、換算する係数を掛け合わせた数値が馬力なのだ。都度、エンジンが作用しているのはトルクだ。

フツ~に考えてみたらいい。クルマの馬力もトルクも最大値を出すのは、レブリミット手前だし、回転数は回転数/分、その時に発生するトルクで1分間回すと数千回転回り、発揮されるのが馬力なのだ。1分間アクセルを開けっ放しでエンジン回すシチュエーションがあるのか?ル・マンのウノディエールやポールリカールのミストラルですらないのでは?アウトバーンニュルブルクリンクでもムリだ。トルクは、その回転数回していればほぼその値を発揮しているが、馬力は、1分間回せれば車両が発揮できると目される期待値に近い。

きっと、飛行機の滑走路や高速道路ですら、試すコトも味わうコトもない。あるとすれば、谷田部テストコースのような高速周回路だろうか。実際、走らせたら、ちゃんと1分アクセル全開で走り続けるかは疑問だが・・・死人とスクラップがいっぱい発生するかも。

ましてや、カタログ表示数値の意味合いは、国に依って品質管理の制度的に異なる。日本はドイツに習って、カタログ値以上の性能を保証する。しかし、イタリアやアメリカやイギリスやフランスなどは、それらのカタログ値は計算値や期待値的だ。

そうした馬力のカタログ値の大小を比べて騒ぐのは、ただのバカにさせて置けば良い。加速の強さのバロメーターはトルク、その際の速度は軽さとギヤ比やタイヤグリップに依るし、空気抵抗で変動する。空力はCD値が低くても、実際に投影面積が大きいとよりマイナスが強くなるし、リフトが発生すると安定も失われる。

実際のクルマのレスポンス度合を考えるなら、トルクウエイトレシオ:車重/トルクを見る方が良い。

このフェラーリならば1,600/74で22、マクラーレン720Sならば1,300/79で17、マクラーレンGTならば1,470/64で22となり、マクラーレン720Sには劣るしGTと類した加速をするコトになると思われる。

パワーウエイトレシオではフェラーリは2.0、720Sは1.8、GTは2.4。直線を踏み切ったら、720Sに負け、GTに勝つ程度。それも最高速度付近での話でしかなく、キロ単位の最高速度差の1/60という微々たる差でしかない。

冷静に比較して記述できない自動車マスコミに、一体何の存在価値があるのか?

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4500万円超の新型フェラーリは、なにが凄いのか? 800psの必要性を考える
12/18(金) 20:47 Yahoo!ニュース
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フロントに搭載するエンジンは6496ccV型12気筒DOHCガソリン(800ps/8500rpm、718Nm/8000rpm)。
フェラーリのV12エンジン搭載モデル「812シリーズ」の、オープンモデル「GTS」に大谷達也が試乗した。クーペとの違いはいかに?

【写真を見る】新型フェラーリ812GTSの詳細(24枚)

800psの必要性
812GTSはフェラーリの数あるモデルのなかでもトップクラスの性能を持つスーパースポーツカーだ。いまでこそ最高出力1000psのハイブリッドV8エンジンをミドシップした「SF90ストラダーレ」が“跳ね馬軍団”のトップに君臨しているけれど、それまでは812GTSのベースとなった812スーパーファストが名実ともにもっとも高性能なフェラーリのカタログモデルだった。そしてその812スーパーファストのコンバーティブル版が812GTSなのである。

というわけで、812GTSのスペックはすさまじく強烈だ。フロントに搭載したエンジンは排気量6.5リッターの自然吸気式V12で、最高出力は実に800ps! 最大トルクは718Nmに達する。しかし、アルミを主体とした軽量ボディのおかげで乾燥重量は1600kgに抑えられており、0-100km/h加速は3.0秒以下、0-200km/h加速は8.3秒以下、最高速度は340km/h以上に達する。

こんな話を書くと「800psなんて、要るの?」というツッコミが必ず入るけれど、もちろん800psなんて最高出力は全然必要じゃないし、そんなパワーを路上で発揮できる機会は滅多にないだろう。でも、ラグジュアリー製品を愛用する人たちは、その性能が必要だから買っているわけじゃない。そこまでの性能を備えた製品がもたらすぜいたくさ、もしくは余裕に惹かれてラグジュアリー製品を求めているのだ。

その意味でいえば、他人に迷惑をかけない限り、800psのクルマを買うか買わないかは個人の自由だし、私自身はさまざまなクルマを買える自由が残された社会であるほうが嬉しい。残念ながら、私には4000万円を軽く越す(正確には税込み4523万4000円より)クルマは間違っても買えないけれど……。

800psのパワーとか4000万円以上の値段とかを聞いて眉をひそめる人たちだって、きっと812GTSに乗ったらその刺激の強さに感動するんじゃないかと思う。

“天使のソプラノ”
なにしろエンジンが素晴らしい。いや、そのパフォーマンスだけでなく、エンジン音がすさまじく素晴らしい。よくフェラーリのエグゾーストサウンドを指して“フェラーリ・ミュージック”という言葉を使うけれど、その表現はまさに812GTSと812スーパーファストのためにあるようなもの。

少なくとも、現行ラインナップのなかでいえばこの2台が断然トップだ。本当はSF90にまだ乗ったことがないから断言はできないのだけれど、V8エンジンをミドシップするレイアウトから考えるに、エグゾーストサウンドで812を上回るとは考えにくい。

そう、V12エンジンをフロントに搭載しているからこそ、この“天使のソプラノ”を奏でることができるのだ。というのも、同じ回転数であればシリンダー数が多いほうがより高音の強いエンジン音を生み出しやすくなるほか、ミドシップよりフロントエンジンのほうが排気系の取り回しが容易でサウンドのチューニングに利用できる余地が増えるからだ。

そこで、ワインディングロードで812GTSを存分に“歌わせて”みることにした。

よく、エンジン音は高回転で美しいといわれるけれど、812は3000rpm程度の低中回転域でも十分に人を魅了する音色を響かせる。それでいえばアイドリング時というか、エンジン始動時でさえ、812は隙のない美しいサウンドで私たちの耳を楽しませてくれる。

そもそも、おなじ回転数だったら812は確実により高い音程のエンジン音を聞かせてくれるし、そのエンジン音にしても雑味がなくて、すっきりと澄んでいる。

もう少し詳しく説明すると、エンジン音は本来、エンジン回転数に比例した基本周波数の音と、その倍音成分で構成されているものだけれど、実際には、それ以外にもいろいろな部品が共振するなどして、基本周波数とは関係ない音がさまざまに混じっている。これらが雑味成分となってエンジン音を濁らせてしまうのだけれど、フェラーリは、というか812は、この雑味成分が極端に少ない澄み切った音色を奏でてくれるのである。

だから、「フワーン」というサウンドの音程もエンジン回転数にあわせてピタリと上下する。しかも、この音色が驚くほど軽く、そして乾いているので、なんともいえず耳に心地いいし、まったくうるさいとも感じない。まさに“天使のソプラノ”だ。

V12らしかぬレスポンス
そしてもちろん、このV12エンジンは音がいいだけではない。自然吸気らしい自然なレスポンスとトルク特性を備えていて、中低速では実に扱いやすく、高回転域では総毛立つような快感とパワーをもたらしてくれる。

それとともに力説しておきたいのが、巨大なV12エンジンが驚くような速さで回転数を上げたり下げたりできることだ。「そんなの、当たり前でしょう」とアナタはいうかもしれないが、実はV12はエンジンが長く、パーツが多いので、自然と慣性力が大きくなり、とりわけ812のように排気量が6.5リッターもある場合には、回転の上がり下がりにも余計に時間がかかるのが常識。個人的には小排気量の4気筒エンジンのほうが、よりレスポンスがいいことが多いと思っているくらいだ。

ところがフェラーリのV12エンジンは、私が知るどんなによくできた4気筒エンジンよりもシャープに反応してくれるので、ワインディングロードを走るのがこのうえなく楽しい。

800psのパワーは、正直にいえば公道では使い切れないけれど、たとえそのうちのかなりの部分を引き出したとしても、2本の巨大なミシュランパイロットスポーツ4S(サイズは315/35ZR20)が確実に路面へと伝えてくれて不安定な挙動を示さない。

万一リアタイヤが受け止められないほどのパワーが発揮されそうになっても、各種の電子デバイスが的確に介入してクルマが不安定な状態に陥るのを防いでくれるから安心だ。

オープンでも快適
ハンドリングも素晴らしい。そもそも、こんな重いエンジンをフロントに積んでいたら、シャープなステアリング・レスポンスなど望むべくもないところだが、フェラーリには物理の法則を乗り越える力でも備わっているのか、ステアリングを切れば驚くほど軽々と、そして素早くノーズの向きを変える。

ここで正直に申し上げると、数年前までのフロントエンジン・フェラーリはステアリング・レスポンスが過度に鋭敏なうえ、ステアリングフィールが乏しく、そのコーナリング性能をフルに引き出す気にはなかなかなれなかった。フロントがあまりロールしないコーナリング姿勢も、私が苦手な理由なひとつだった。

でも、812はまったく違う。私はフィオラノ・サーキットで行なわれた国際試乗会で、812スーパーファストをハーフスピンに追い込んだ(追い込まれた?)ことがあるけれど、そんな領域まで試したくなるほど812のハンドリングは安心感に溢れたものなのだ。

でも、本当に驚かされるのは、これほどハイパフォーマンスなスーパースポーツカーが、誰にでも簡単に運転できて、しかも乗り心地が快適なことだ。だから、もしもこのクルマを普段遣いにする勇気をお持ちならば、たとえ近所のスーパーマーケットへの買い物でも、812とともに快適なドライブが楽しめるだろう。

そしてキャビンはゴージャスにして快適。車内は意外なほど広々としているが、この余裕ある居住スペースを生み出すために、フェラーリは敢えてフロントエンジン・レイアウトを採用しているようだ。また、インテリアのクオリティは、10年ほど前と比べても格段と進化しており、日ごろラグジュアリーな暮らしをされている方々にも十分、ご満足いただけるはずだ。

そして812GTSの最大の特徴でもあるリトラクタブルトップだが、たとえルーフを開いても車内に巻き込んでくる風の量はごくわずかなので、ロングヘアーが風で暴れるようなことはおそらくない(ショートヘアの私には想像するしかない)。

今回は真冬の箱根での試乗だったので、私は覚悟して厚着をしていったのだが、シートヒーターをオンにして適度にヒーターを利かせるだけで十分に温かく、しまいには厚着したことを後悔したくらいだった。

スポーティにもラグジュアリーにも使えるスーパースポーツカー、812GTS。フェラーリは、すべての限界を乗り越える魔法の力を手にしているのかもしれない。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)

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