週刊ヤングマガジン連載しげの秀一「MFゴースト」

MFゴースト、今は4戦目か?トヨタ86は奥山のチューニングにより、ターボ化で300馬力35キロのトルクになったと思われる。前戦では、表彰台まであと一歩のトコを赤羽のフェラーリ488に抜かれ、4位に終わっている。今回は、ファイナルラップの半島に差し掛かっていて、赤羽の488とベッケンのケイマンと沢渡のA110に続く4位にいる。半島セクションは夏向がセクションレコードを記録している、得意なセクションだ。

今の状況では、仮に夏向がゴボウ抜きで優勝しようが、ベッケンや沢渡が2位~4位にある限り、大して差は詰まらないし、あと数戦でベッケンを逆転してシーズンチャンピオンを獲るコトなどできない。残りレースを鑑みて、夏向の逆転をドラマティックに演出する上では、今の内に夏向にフルマーク、ベッケンや沢渡辺りはノーポイントに近い結果にならないと白々しくなる。

しげの作品、バリバリ伝説の全日本でも世界GPでも、割と早いラウンドでの優勝と、上位者の停滞を演出していた。今回のMFゴーストでは、シリーズ戦は少ないのに、主人公夏向はあまりポイントを稼げていない。前戦はせっかく雨を演出したのに、ライバル上位者達との差を詰められなかった。

この2戦の内に、上位者達とドラスティックに差を詰める事象を起こす必要がある。まして諸星瀬名を、バリバリ伝説の星野アキラやラルフ・アンダーソンみたいに、ライバルにする気なのか?

バリバリ伝説では、全日本では島崎スペシャル、世界GPではガンボーイスペシャルとしてシーズン終盤をスーパーチューニングされたマシンで戦った。しかし、今のトコ、トヨタ86がソコまでポテンシャルアップする見込はない。最終戦までに、逆転可能なポイント差にしないといけない。なかなか、ストーリー組み立てるのが苦しい。