高性能、と言っても、当時はターボ他のチューニングでもリッター100馬力くらいだった。対側面衝突やエアバッグなどもなかった時代、車両重量も1トンギリギリだった。
パワーは、今と比べるべくもない。しかし、今はアレコレ付けて車両重量1.5トンを超すクルマだらけになった。
今のクルマ、パワーは向上しているが、トルクレベルはあまり変わらない。つまり、クルマのレスポンスを量る、パワーウエイトレシオやトルクウエイトレシオで考えると、前者は向上してても後者はあまり変わってなかったりする。
あの当時のクルマ、頭文字Dのマンガほどでなくても、80年代のクルマが90年代や2000年以降のクルマと張れるのは、重力の働く下りだからというワケでもない。
今のクルマ、パワーばかりを高らかに謳い、車両重量の増大は伏せられている。パワーはトルクほど走りにダイレクトに効かないから、大きな増大あっても車両重量の増大と併せてマイルドにしか効かない。
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高性能車が手頃な価格だった? 若者を夢中にさせたスポーツ車3選
5/18(火) 16:10 Yahoo!ニュース
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後世に語り継ぎたい高性能モデルを振り返る
近年、ミニバンやSUVの台頭によって、ラインナップが減少してしまったのが手頃な価格の高性能車です。高性能車自体は今も存在していますが価格が高額なモデルが主流となってしまい、手軽に買えるモデルはわずかです。
【画像】こんなモデルはもう出ない! 昭和から平成の若者を虜にした高性能車を見る(16枚)
昭和から平成にかけて若者たちが夢中になった高性能車たち
一方、昭和の終わりから平成にかけての時代には比較的安価で高性能なモデルが数多く存在し、走り好きの若者たちから人気を博していました。
そこで、若者たちを夢中にさせた高性能モデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ「ファミリア GT-X」
国産車初のフルタイム4WDで走りもワンクラス上だった「ファミリア GT-X」
1980年代の終わり頃から国産メーカー各社はラリーへの参戦を積極的に進めていました。そして誕生したのが高性能なターボエンジン+フルタイム4WDのハイスペックモデルたちです。
この高性能4WD車を語るうえで忘れてはいけないのがマツダ「ファミリア GT-X」で、日本初となるフルタイム4WD車という歴史的なモデルとして語り継がれる存在といえます。
マツダの大衆車として誕生したファミリアは同社の主力車種として代を重ね、1985年に発売された6代目に、最高出力140馬力(ネット)を誇る1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載したファミリア GT-Xを追加ラインナップ。
ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせによって、動力性能は2WDの2リッターターボ車を凌駕するほどで、まさにセンセーショナルなモデルとしてたちまち人気となります。
4WDシステムはプラネタリーギア方式のセンターデフを用いており、雪道などとくに滑りやすい路面では室内にあるデフロックスイッチで前後輪の駆動力配分を固定し、高いトラクションが得られるというものでした。
また、圧搾エアによって2段階の車高調整が可能で、舗装路、悪路ともに優れた走行性能を実現。
ファミリア GT-Xはラリーでの活躍もありブランドイメージの向上にも貢献し、後に各メーカーが同様なモデルを発売するきっかけにもなりました。
●ホンダ「シビック Si/SiR」
最強の自然吸気エンジンを搭載し、FF高性能車の頂点に君臨した「シビック SiR」
1972年に新世代のFF大衆車として誕生したホンダ初代「シビック」は、1983年に登場した3代目以降は高性能なモデルをラインナップして若者から絶大な支持を得るようになりました。
そして、1987年には4代目が登場。よりロー&ワイドになったボディは見るからにスポーティで、高性能グレードの「Si」には3代目から引き継いだ1.6リッター直列4気筒DOHCで、130馬力(ネット)を発揮する「ZC型」エンジンを搭載しました。
しかし、これだけにとどまらず、1989年には可変バルブタイミングリフトシステム「VTEC」を搭載した「B16A型」エンジンを「インテグラ」から用いた「SiR」を発売。
自然吸気ながら1.6リッターで160馬力(ネット)を誇るエンジンによって、シビックはFFスポーツモデルという地位を盤石にしました。
B16A型エンジンはレッドゾーンが8000rpmからという、当時の1.6リッターエンジンとしては驚異的な高回転型でライバルを圧倒。
それでいて、VTECならでは効果によって低回転域のトルクも犠牲になっておらず、峠から普段使いまでオールマイティな高性能エンジンとなっていました。
その後、5代目では「タイプR」が登場して現在に至りますが、シビックは高性能FF車というDNAを今も受け継いでいます。
国産小型乗用車初のミッドシップエンジン車はピュアスポーツカーじゃなかった?
●トヨタ「MR2」
ピュアスポーツカーを標榜しなかったもののちゃんと高性能車だった初代「MR2」
1984年に国産小型乗用車初のミッドシップ車としてトヨタ初代「MR2」が誕生。
当時は運輸省(現在の国土交通省)の認可のため、あまりスポーツ色を強めず、「ミッドシップランナバウト」のキャッチコピーが使われました。さらに、乗降性やシート高さ、ラゲッジスペースなど使い勝手の良さに配慮。
しかし、上位グレードには「カローラFX」にも搭載された高回転型の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-GELU型」を搭載。最高出力は130馬力(グロス)を発揮し、わずか950kgの軽量な車体と相まって立派なスポーツカーでした。
一方で、当時はトヨタの技術力でもミッドシップカーのノウハウは十分とはいえず、なるべくリアタイヤの滑り出しが急激にならないように、比較的マイルドなサスペンションセッティングを採用したといいます。
そのため、1986年のマイナーチェンジでは、4A-GELU型エンジンにルーツ式スーパーチャージャーを装着し、最高出力145馬力(ネット)を誇る「4A-GZE型」エンジンを搭載した高性能グレードを追加。
同時にサスペンションセッティングが最適化されたことにより、よりミッドシップ車らしいシャープなハンドリングを手に入れました。
当時のトヨタはFRの「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」、FFのカローラFX、そしてミッドシップのMR2という、まさに盤石のスポーツモデルラインナップを展開していたといえます。
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今回、紹介した3車種はどれも1.6リッターエンジンを搭載し、駆動方式が異なりますが、それほど高性能車が豊富にラインナップされていたということでしょう。
また、装備が簡素だったこともあって価格の例を挙げると、シビック SiRが145万9000円(東京価格、消費税含まず)、MR2 Gグレードで164万2000円(東京価格)と、当時としても安価でした。
こうしたクルマに若者たちが夢中になったのはある意味自然の流れで一大ムーブメントにもなりましたが、今やそうしたニーズはありません。
くるまのニュース編集部
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