名は実を表すと言う。しかし、実が名の通りかと言うと、そうでもなかったりする。コレは、ヒトのネーミングにも通じる。
クルマは工業製品であり、届出もある。だから、型式記号は引き継がれ継続番号になり、名前も引き継がれる。
由緒ある経緯や系譜のある名前もあれば、付けられた名前が疑問なクルマもある。
グレードに関しては、クルージング性の高さをアピールする上で、GTと名付けているように思う。
Rはレーシング、Sはスポーツ、Tはターボの意味で使われているコトが多い。
ユニークなネーミングとしては
J's、Q's、K's
コンフォート、クルージング、ツーリング
レクサスの車種記号は、元々、トヨタ車種のグレード記号だった。
LS、GS、IS、SC、ES、LX、RXなどは、同級トヨタ車種のグレードに使われていた。
トヨタセリカでは、フツ~のFFにGTRがネーミングされ、トップグレードはGT-FOURだった。
外車では、Sはスペシャル、Vはスピードや速さ、Jを競技レギュレーション該当項などだったりする。
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クルマ好き憧れの「GT」や「R」! 「走り系の証」じゃないクルマにも結構あった
6/22(火) 11:41 Yahoo!ニュース
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「GT」や「R」は憧れの象徴だった
「名ばかりのGT達は、道を開ける」という挑発的なキャッチコピーで登場したトヨタ・セリカ。
「名ばかりのGT達は、道を開ける」。こんな刺激的で、挑発的なキャッチコピーが日本車で使われた時代があった。そのキャッチコピーを掲げたのはトヨタ・セリカで、“名ばかりのGT“と揶揄されたのは当時の日産スカイラインだった。
【写真】GT-Rだけじゃない!「R」が付くクルマ10台
GT-Rを失った当時のスカイラインにおけるGTというのはL20というSOHCの直列6気筒エンジンを積んでいるグレードという意味であって、けっしてグランツーリスモという言葉からイメージさせるようなハイパフォーマンスは有していなかった。そこを、DOHCエンジンを与えられたトヨタ・セリカが挑発したのだ。
時を経て「なんちゃってGTR」と呼ばれるようになってしまった4代目トヨタ・セリカ。
しかし、そんなセリカも時を経て、クルマ好きから「なんちゃってGTR」と呼ばれることになる。それが1985年にFFへと大フルモデルチェンジを果たしたセリカだ。このモデルには2リッターDOHCエンジンを積んだ「GT-R」というグレードが存在していたが、その最高出力は160馬力でしかなかった。
1980年代のNAエンジンとしては優秀なスペックではあるが、ライバルであるスカイラインは2リッターDOHCターボで200馬力を超えることになるし、セリカでもWRCに参戦することになるトップグレードのGT-FOURは2リッターターボエンジンを積んでいた。そんなことからセリカGT-Rは、勇ましいグレード名ほどのパフォーマンスではないという印象が強くなっていった。
セリカのライバルであるスカイラインも1980年代の「GT」グレードは平凡な最高出力であった。
では、ライバル・スカイラインにスキはなかったのかといえば、そうでもない。1980年代にフルモデルチェンジしたR31型、R32型とも6気筒エンジンのベーシックグレードには相変わらず「GT」というグレード名が与えられていた。そのエンジンは相変わらず直列6気筒であるが、SOHCの実用ユニット。最高出力はR32スカイラインで125馬力と平凡なものであった。
ちなみに、R32スカイラインでいえば同じ直列6気筒でもDOHCになるとGTSというグレード名になり、DOHCターボになるとGTS-tというグレード名になった。そして、最強グレードが2.6リッターツインターボエンジンを積む「GT-R」であったのはご存じのとおり。
探すと意外にも多い身近な「R」や「GT」たち
スズキ・ワゴンRの「R」は「セダンもあるけど、ワゴンもあーる」というダジャレに由来する。
さて「R」というアルファベットからは「レーシング」という単語を連想するが、まったく違う意味で使ったのが、スズキが大ヒットさせた元祖ハイトワゴンの「ワゴンR」。車名の由来は「セダンもあるけど、ワゴンもあーる」というダジャレに由来するというのは有名な話だ。ワンメイクレース用のベース車両として発売されたスズキ KeiスポーツR。
そんなスズキの軽自動車として2000年代にサーキットでよく見かけたのがKeiスポーツだ。もともとはクロスオーバーSUV的キャラクターだったが、スポーツハッチとしてのキャラクターが評価され、ワンメイクレースも開催された。そのために生まれたのが「KeiスポーツR」というグレードだった。(右:KeiスポーツR/左:Keiスポーツ)
こちらは由緒正しいレーシングの意味でのRというアルファベットがついていたモデルだが、軽自動車には最高出力の自主規制があるためエンジン自体が変わるわけではなく、レースカーとして仕上げやすいベース車として生まれている。そのため、防振・防音用メルシート/ステレオ/スピーカー/パワーウインドウなど競技上不要な装備が取り除かれている。車体軽量化という点では評価すべきだが、街乗り用として買ってしまうと後悔しかない仕様だったのだ。
現行モデルではスバル・レヴォーグに「GT」というベーシックグレードがある。
最後に現行モデルで「名ばかりのGT」にあたりそうなモデルを探してみよう。
かつてのスカイラインと同様にベースグレードにGTと名付けているといって思いつくのがスバル・レヴォーグだ。同モデルにおいてGTはベーシックグレードであって、装備が充実したのがGT-H、スポーティな仕上げとなっているグレードの名前はSTI Sportであるのはご存じのとおり。
とはいえ、現行レヴォーグについていえばエンジンは全車1.8リッターターボで共通で、サスペンションや内装の仕上がりでグレード間の違いはあれど、加速性能などのパフォーマンスについて差はないわけだからGTとつけていても違和感はない。
さらに言えば、スバルにおけるGTというのは、瞬発力ではなく長い時間乗っていられる、まさにグランドツーリング性能を示すアルファベットでもある。GTグレードであっても先進運転支援システム「アイサイト」が標準装備になっているのだから、じつは名ばかりのGTではなく、全グレードが高いGT性能を持っていることの証でもあるのだ。
山本晋也
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