ドイツ御三家、特殊部隊?

ベンツAMG、BMW M、アウディーRSはメーカー配下のレース開発部門、それぞれに市販車エボリューションモデルを出している。シャシー主導のAMG、エンジンのM、4WDのRSという色彩になっている。ドイツには、他にも、メーカーとしてポルシェがあるし、BMW系チューナーのアルピナやACシュニッツァーとポルシェ系チューナーのRUFがある。

ドイツは日本が工業の手本としたように、品質管理のベースが高い。横道に逸れ勝ちなイギリスやアメリカやフランスやイタリアらと違って、目標に向かってキチンとしたルーティングができる。

だから、ベースポテンシャルは保証されているし、チューニングした際の品質も高く保証されている。

 

 

 

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超絶パフォーマンスの市販車を続々リリース! ドイツ御三家の「特殊部隊」が強烈だった
2021/07/23 14:02 WEB CARTOP

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 AMGとMは世界的に有名な2大巨頭!

 自動車メーカーのいわゆる特殊部隊は日本のみならず世界各国に存在しているわけだが、むしろ存在感がよりクッキリしてるのはヨーロッパの方かも知れない。たとえばドイツ。メルセデス・ベンツの“メルセデスAMG”とBMWの“BMW M”は、その2大巨頭といえる。

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 AMGは、元は1967年に創業したレース用エンジンの設計会社であり、独立したチューナーだった。ダイムラー・ベンツ社のプライベーター向けレース用エンジン開発部門にいたふたりのエンジニアが、いくら成果をあげても1955年以来ワークス活動を休止したままで、本気でレースに復帰しようとしない会社に見切りをつけて起こしたものだ。

 その名が一気に高まったのは1971年のスパ・フランコルシャン24時間レース。AMGが持ち込んだメルセデス・ベンツ300SEL6.3は排気量を6.8リッターに上げるとともにヘッドにも手を加え、ノーマルの倍近い428馬力をまで引き上げていて、大柄な車体ながら総合2位、クラス優勝を果たしたのだ。

 当然ながらユーザー達はAMGの門を叩き、AMGは総合的なチューナー兼レースファクトリーとして発展。ダイムラー・ベンツとの関係も次第に密接になり、1980年代中頃には公式的にAMG製のパーツが採用されることになり、レースのワークスチームとしての活動も担うようになっていく。

 1987年からの190E、1993年からの初代CクラスでのDTMでの大活躍はあまりにも有名だ。また同じ頃に初の共同開発車であるCクラスベースのC36が誕生し、世界的にも高い評価を得ることになった。

 そして1999年にAMGメルセデス・ベンツの一部門となり、2014年からはメルセデスAMGというスポーツブランドとしてプロダクションモデルそれぞれのトップエンドといえるハイパフォーマンスグレードや、SLS AMGAMG GTといったスーパースポーツカーの開発を担っている。また同じ名前でF1を含めたメルセデスモータースポーツ部門として活動していることは多くの人が御存知のとおりだ。

 一方、BMW Mもモータースポーツのフィールドから生まれているが、異なっているのは1972年にBMWの子会社として誕生し、今も社内の一部門ではなく一企業として存在していること。1993年にBMW Mと名称は変わっているが、当初の車名がBMWモータースポーツだったことからも判るとおり、BMWモータースポーツに参戦するためのマシン開発と製造、モータースポーツ関連の研究開発などを行う目的で設立され、翌年にはヨーロッパF2選手権やヨーロッパ・ツーリングカー選手権でタイトルを獲得している。

 BMWファンの中では伝説的存在といえる3.0CSLや3.5CSLも、BMWモータースポーツの研究開発から生まれたマシンだ。

 またBMWモータースポーツ活動を支える存在であり続けるのと並行して、次第に市販モデルの開発にも関わるようにもなり、1978年に正式デビューとなったBMW初のスーパーカーといわれるM1も、BMWモータースポーツの企画開発によって誕生したモデル。

 そしていうまでもなく1985年に発表されたE30型M3こと初代M3のようなレースのためのホモロゲーションモデル、BMW各シリーズのハイパフォーマンス版である“M”モデル、もう少しライトなスポーツグレードである“Mパフォーマンス”モデル、“Mスポーツ”と名づけられたスポーツパーツが組み込まれたモデルやパーツそのものも、代々一貫してBMW Mが開発に大きく関与している。

 もちろんメーカーと一枚岩になって市販車の開発を進めているわけだが、Mモデルの開発プロセスにおけるタイヤをはじめとするパーツサプライヤーへの性能的な要求は、BMWの通常のモデルとは比較にならないくらい高く厳しいものだという。

 アウディの特殊部隊は主張が控えめだが実力は十分!

 BMWモータースポーツを戦ったところから歴史がはじまったブランドとしてはアルピナが存在するが、そちらはBMWから正式にホワイトボディをはじめとするコンポーネンツの供給を受けて独自にクルマの開発や製造を行う自動車メーカーであるため、今回は割愛する。ただしアルピナが作るモデル達が、少量生産の強みを活かした隙のないハイパフォーマンス&コンフォートのいわば“スーパーBMW”であることは、比較すると驚くほど異なる価格の違いとともに、世界的にも知られている。

 アウディにも1983年にクワトロ社としてスタートし、2016年にアウディ・スポーツ社へと名前を変えたスポーツカーブランドが存在する。

 いうまでもなくアウディのラインナップのハイパフォーマンスモデルを専門的に設計開発している子会社で、各シリーズのRSが冠されるモデルやスーパーカーのR8などはアウディ・スポーツの作といっていい。

 またスポーツパーツも手掛けていて、各シリーズに設定されている“Sライン”に使われるボディパーツ、サスペンション、ホイールなどの開発や製造なども担っている。アウディモータースポーツ活動を支えるのも、もちろん業務の一環。現在ではフォーミュラEへのワークス参戦やGTレース用のR8 LMSやTCRレース用のRS3 LSMのマシン開発やカスタマーサポートなどを行っている。

 AMGやMなどと較べると対外的な主張をあまりやらないブランドだが、その実力はまったく劣っていないのだ。

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