三味線?試金石?日本-アメリカ

この試合、いろんな意味があった。メジャーから楽天に戻った田中将大、故障や打線との兼ね合いでシーズンあまり勝てていないが、防御率は優れている。メジャーでのトレーニング不足が、日本のトレーニングで肉離れも起こした。粗悪ボール対応でフォークを減らし、ツーシームカットボールのメジャースタイルから、今回はSSKのボールが良いコトからストレート&スライダー&フォークの日本スタイルで組み立てていた。フォーシームはストライクゾーン四隅に正確にコントロールされた。スライダーもバッチリだった。ただ、フォークは変化したが高く、打たれていた。一応、5・6回を3点なら、仕方ないのだ。

稲葉は、青柳をこんな起用しか考えられないのか?モーションも大きく、中継ぎでは活かし切れない。どう見ても先発で使うべき投手だ。また、田中将大が高めを打たれた後だったからか、低めツーシームに偏ったリードを待って打たれた。高低内外緩急を使えないリードをする梅野にも、キチンと首を振れない青柳にもガッカリだ。

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劇的勝利も侍Jに残った課題 元代表スコアラーが語る田中と青柳が打たれた原因
8/3(火) 11:57 Yahoo!ニュース
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田中将大は「配球が変化球に偏ったこと、その変化球自体にキレがなかった」
 
米国戦に先発した侍ジャパン田中将大【写真:AP】
■日本 7ー6 米国(2日・ノックアウトステージ・横浜)

 東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」は2日の準々決勝・米国戦(横浜スタジアム)で、延長10回に甲斐拓也捕手(ソフトバンク)がサヨナラ打を放ち、7-6で勝利を収めた。4日の準決勝では宿敵・韓国と対戦し、これに勝てば銀メダル以上が確定する。劇的な勝利を飾った侍ジャパンだが、苦戦を強いられたことも事実。2009年WBCで日本代表チーフスコアラーを務め世界一に貢献した野球評論家・三井康浩氏は浮き彫りとなった課題を指摘した。

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 先発の田中将大投手(楽天)は4回途中まで、6三振を奪ったものの6安打を浴びて3失点。メジャー7年間で通算78勝を誇った田中は、米国戦の先発にはうってつけだったが、2点リードで迎えた4回に集中打を浴びた。2死一、二塁から9番アレンに高めに浮いたスプリットを勝ち越し適時二塁打されると、交代を命じられた。

「梅野隆太郎捕手(阪神)のリードもあったのでしょうが、配球が変化球に偏ったこと、その変化球自体にキレがなかったことが打たれた要因ではないかと思います」と三井氏は言う。69球を投じたうち、25球(36%)を投じたスライダーをはじめ、変化球が大半を占め、ストレートはわずか18球(26%)にとどまった。

 今大会の使用球(SSK製)は、MLB使用球よりNPB統一球(ミズノ製)に近い形状といわれる。三井氏は「縫い目が高く変化球の曲がりが大きいMLB球に慣れている米国の打者から見ると、この日の田中の変化球はとらえやすかったのではないでしょうか」と、変化球を捉えられた要因を読み解いた。

 また、3-3の同点で迎えた5回に3番手として登板した青柳晃洋投手(阪神)も、左の大砲カサスに3ランを浴びるなど1イニングを投げて5安打3失点。7月28日のグループリーグ・ドミニカ共和国戦(2/3回3安打2失点)に続いて失点を重ねた。

国際大会で有効とされていたサイドスローだが、三井氏は「アドバンテージを期待できない」
 青柳の投球に対して、三井氏は「これまでの国際大会では、サイドスローアンダースローの投手が有効で重宝されてきましたが、最近は米国にも変則的な投法の投手が増え、それほどのアドバンテージを期待できなくなりました。もともと青柳は力投型の投手で、どの球種を投げてもそれほど大きな球速差はない。かつて国際大会で活躍した潮崎哲也氏(元西武)、渡辺俊介氏(元ロッテ)のような外国の打者が嫌がる緩い変化球はありません」と分析する。

 特に左打者にとっては、右サイドスローの青柳はボールの出どころが見やすい。カサスは7月31日の韓国戦でも、右サイドスローのコ・ヨンピョから右翼スタンドへの2ランを放っていた。準決勝以降、青柳の使いどころとすれば、右打者が並ぶところが主になるかもしれない。

 また、この日は今大会3試合目にして、梅野が初めて先発マスクをかぶり、サヨナラ打を放った甲斐は9回からの途中出場だった。三井氏は「主戦捕手はあくまで甲斐だと思います。米国ともう1度対戦する可能性があることを考慮して、目先を変えたのではないか。甲斐の体力的、精神的な負担を軽減する狙いもあったかもしれません」と見ている。

 ドミニカ共和国戦に続いて土俵際まで追い込まれた侍ジャパンだが、最後の粘り腰で無敗のまま白星を3つ重ねた。「野手は軒並み打撃好調で、乗り遅れていた4番の鈴木誠也外野手(広島)も初ヒットを本塁打で飾った。準決勝以降もかなりの得点力を期待していいと思う」と三井氏。悲願の金メダル獲得へ向け、残る課題と大願成就の鍵は、投手を含めたバッテリーにあると言えそうだ。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki

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