国際式でも戦えるNBA選手

ジョーダン辺りの頃、大抵の選手は4年でなくアーリーエントリーでも1・2年の大学バスケを経験していた。そこまでで、国際式ルールやゾーンディフェンスの攻略した上で成果を挙げて、NBAに入った。

当時のNBAルールでは、イリーガルディフェンスと言って、ゾーン禁止、各人は誰かに着かなくてはならない。それで1オン1を演出していた。M・ジョーダンは、その状況で神になった。カレらは大学まで国際式にも慣れていたので、バルセロナ五輪でのドリームチームに於いて、ゾーンディフェンスやリバウンドをこなし、ファーストブレークして魅せた。

その風潮の中で、NBAが1オン1なため、バスケットの目指す姿が少し変わり、大学バスケをスキップしたり、大学バスケに1オン1スタイルで過ごすプレーヤーが増えた。その結果、一時期はドリームチームを作っても、世界制覇できない事態も増えた。

今でも、NBAでは割とガード選手達が脚光を浴びる。しかし、国際試合の国際式ルールに対応するため、イリーガルディフェンスを廃した。チーム作りも、K・ブライアントやA・アイバーソンらのガード偏重から、T・ダンカン以降の走れるビッグマンの育成や起用に変わった。

NBAルールより、このルールではクオーターも2分ずつ計8分短い。それでも、これだけ得点できるのは、その面での選手育成が上手く行ったのだろう。K・デュラント、速さ強さ上手さを高い次元で備えた選手だ。

 

 

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バスケットボール男子はアメリカが4連覇! 決め手となった他国との違いはデュラントの傑出した得点力
8/8(日) 1:50 Yahoo!ニュース 個人
青木崇 
Basketball Writer
  
フランスとの決勝でも29点とアメリカを牽引したデュラント(写真:ロイター/アフロ)
 ラスベガスでのエキシビションゲームでナイジェリアとオーストラリア、東京五輪の初戦でフランスに敗れるなど、苦しい状況に直面してきたアメリカ。しかし、試合を重ねるごとにチームの状態が向上し、決勝ではFIBAの公式戦で2連敗していたフランス相手に87対82のスコアで競り勝ち、五輪4連覇を達成した。

 ケビン・デュラントがNBAのスーパースターであり、素晴らしい得点能力を持っていることは、多くのバスケットボールファンが知っているはずだ。しかし、1992年バルセロナで世界を魅了したドリームチーム以降、数々のスーパースターがプレーしたきたアメリカの歴史を振り返っても、NBAでもFIBA国際バスケットボール連盟)ルールの試合でも並外れたスコアラーとして力を発揮した最高の選手として、デュラントのその名に値する一人と言える。

 今回の東京五輪、デュラントはファウルトラブルに陥った影響で敗戦となったフランスと初戦と大勝したイラン戦が10点。しかし、グループ戦最後のチェコ戦(23点)からエンジンがかかり、準々決勝のスペイン戦で29点、準決勝のオーストラリア戦でも23点と、ここぞという局面でしっかりと得点を奪っていた。

 決勝戦でのデュラントは第3クォーターまでに27点を稼ぎ、アメリカが試合の主導権を握る原動力になった。第4クォーターは得点機会が少なかったものの、残り8秒のところでアメリカの4連覇を決定的にする2本のフリースローを決めて29点をマーク。自身3度目の金メダル獲得となったデュラントは今回の決勝だけでなく、スペインと対戦した2012年のロンドン、セルビアと対戦した2016年のリオデジャネイロでいずれも30点を記録している。

 アメリカ代表デビューとなった2010年のワールドカップでも、開催国だったトルコ相手の決勝戦で28点。アリーナに駆けつけた2万人近いトルコ人の観客たちが試合の途中で拍手を送るくらい、素晴らしいパフォーマンスを見せていた。NBAでもFIBAでも、デュラントはビッグゲームで最高レベルのプレーを見せ、チームを頂点にへ導いてきたのである。

 今回アメリカのアシスタントコーチを務め、ヘッドコーチとしてゴールデンステイト・ウォリアーズでデュラントと一緒だったスティーブ・カーは、AP通信のティム・レイノルズ記者に対してこのようなコメントを残した。

「前にも言ったけど、彼は恐れを知らない。最もスキルの高いバスケットボール選手だ。彼のような6-11(211cm)のサイズでシュート力、ボールハンドリング力、高い身体能力を兼ね備えた選手は他にいないし、今まで見たこともない。だから、このトーナメントで勝つために、チャンピオンシップを獲得するために最高の選手がなぜ必要なのかという完璧な例だった。ケビンはトーナメントで最高の選手だ。今のように彼が健康であれば、私の心に中では彼のような選手などいないし、だれも防ぐことなどできない」

 NBAFIBAでも、オフェンスはペイントアタックでの得点か、そこからボールをしっかり動かす展開からの3Pシュートが重視されている。効率の悪いとされるペイント(3秒ルールが適用される制限区域)外からの2Pシュートは、多くのチームが本数を少なくしたいのが現状。東京五輪でもその傾向は出ており、12チーム中8チームが平均試投数8本未満の数字となっている。

 しかし、デュラントの得点能力が傑出していることは、下に表示した上位8チームの平均得点が一番多かった選手とのスタッツを比較すれば明白。オーストラリアとの準決勝とフランスとの決勝を合計すると、デュラントは多くの選手がなかなか得点できないペイント外の2Pシュートを12本中8本成功、66.7%という高確率で決めていたのだ。

 
FIBA.comのスタッツから筆者が独自に作成
 2年前のワールドカップ東京五輪のグループ戦で勝利するなど、フランスはアメリカと互角に渡り合えるチームであることを示している。だが、バスケットボールというスポーツは、ビッグゲームになればなるほど個の力で勝負が決まるもの。東京五輪も例外ではなかった。

「我々は多くの逆境を乗り越え、すぐにチームとして一つになれた。自分の意見だけど、お互いの絆を築けたこと、それは一生続くだろう。このグループは特別で、その一員として金メダルを持ち帰ることができることに感謝している」

 記者会見の冒頭でこう話したように、デュラントは金メダルのカギがチームとしての一体感だったことを強調する。それでも、準々決勝以降の試合を見れば、デュラントの存在がアメリカと他国の違いを作り出す最大の理由だったのは明らか。フランスのセンターとして奮闘してきたルディ・ゴベールの言葉が、すべてを物語っている。

「我々ができる限りハードな対応をしてきたけど、彼はケビン・デュラントなんだ。世界で彼しか決められないショットを決めてくる。彼はバスケットボールで最高のスコアラーだと思う」

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