消え行くツインターボ?現状把握、おかしくない?

この記事のライター、ドコまで現状を把握して書いてるの?

絶滅危惧種?消え行く?ホントにそうか?昔と指向は違うが、むしろ、この5年10年では増えてないか?

日本車では、5ナンバーで最大限の動力性能を得る手段が、2リッターターボであり、ツインターボだった。70年代のシルエットフォーミュラや80年代のCカーで、2リッター直4にターボで500馬力以上の出力を得るようになった。以後はF1でもターボが使われ、出力だけでなくドライバビリティーにも改善されるようになった。

その流れで80年代、5ナンバーで200馬力を超えたR30スカイラインは2リッター直4ターボだったし、70スープラは2リッター直6ツインターボを設定した。コレらは5ナンバーで最大限の出力を意図したモノだが、スカイラインスープラには3リッターNAもあった。当時の日本車は3リッター6気筒が頂点だった。

それが90年を前にして、その3リッター6気筒にターボを過給して、5リッターNA相当のトルクを得るようになった。ポルシェは70年代に930ターボにより、スーパーカー的な出力を得ていたが。

当時のハイパフォーマンスエンジンは4~5リッターのV8やV12だったから、それらに相当するトルクを得るには3リッター以上のターボが必要だった。車両重量は1~1.5tだったし。

現在のクルマは重装備になり、1.5~2.5tのクルマが増えた。そんな中、6リッター以上のV8やV12相当のトルクを求めるようになり、4リッター前後のターボが増えている。ターボも、安定した過給のためにツインターボ、気筒分担ではなくツインスクロールターボ的なモノであったりもする。

ニッサンGT-Rやマセラティーギブリは4リッター弱のV6ツインターボだし、マクラーレンメルセデスフェラーリは4リッター弱のV8ツインターボをメインに使用している。

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嗚呼、消えゆくツインターボ絶滅危惧種ツインターボの圧倒的快楽とは
8/9(月) 11:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
 我々がクルマ好きの子供だった時代、ターボというのは「よく分からないけどクルマが速くなる装備」だった。ターボ搭載車というだけでなんだか高性能な気がしたものだ。

【画像ギャラリー】それは『ぼくのかんがえたさいきょうのエンジン』。子供の頃のワクワクが蘇るツインターボの魅力

 それがツインターボともなると、さらに気持ちが高まった。ターボでもスゴいのに、それが二つも付いてるの!?

 今回は、語感だけで興奮できるツインターボを、クルマ好きの少年からクルマ好きの大人へと成長を遂げた(?)清水草一氏が解説する。

文/清水草一、写真/NISSANTOYOTABMWベストカー編集部

ツインターボ……それは甘美で危険な語感
 
84年登場のトヨタマークII。兄弟車のクレスタ、チェイサーと共に日本で初めてのツインターボ搭載車となった
 ツインターボ

 実に語感が強いではないか。

 「ターボ」というだけで強いのに、それが「ツイン」なのだ。もちろん「トリプル」や「クワッド」ならもっと強いけど、それはあまりもレアだし、ちょっと現実的じゃない。ターボ×2のツインターボには、現実味のある最強のブースト効果、というイメージが漂う。

 90年代、「ツインターボ」という名の競走馬がいて、ペース配分などまったく考えない大逃げ専門の馬だったという。勝つときは最初から最後まで先頭、負けるときも最初は先頭、そしてビリに。

 自動車エンジン用のツインターボは、高効率・高出力を狙ったシステムだから、大逃げ馬との共通点はあまりないが、語感は間違いなくソレだ。後先なく突っ走ってはかなく散るイメージである。

 実際のツインターボは、ターボラグを縮小してレスポンスを高めるのが主な目的。ターボエンジンは、パワーを出そうとするほどタービンがでっかくなり、そのためレスポンスが悪化して、アクセルを踏み込んでからパワーが出るまでのラグが大きくなる。いわゆるドッカンターボだ。

 かといって、タービンを小さくすると過給圧が小さくなり、パワーが出ない。その解決策として、小さなタービンを2個装着し、レスポンスとパワーを両立させたのがツインターボなのだ。

 国産車初のツインターボは、84年に登場したトヨタの「マークII/クレスタ/チェイサー」三兄弟で、2リッターのツインターボ(1G-GTEU)だった。

 それまでの国産ターボは、すべてシングルターボ。3000rpmを超えないとパワーが出なかったが、1G-GTEU(185馬力)は、もっと低い回転からターボが効いて、胸のすくような加速が味わえた記憶がある。それはまるで大排気量エンジン!初代ソアラの2.8リットル自然吸気(170馬力)にも遜色なかった。

 ただ、シングルターボの生み出すドッカンパワーの刺激も捨てがたいものがあった。シングルターボは、ターボラグが大きい分、ターボが効き始めた時の「うひょー!」という感動が大きいからだ。性能のツインターボ、感性のシングルターボとでも言おうか。

■バブル期最高のハイパフォーマンスカーはツインターボによって実現された
 
3リッターV6ツインターボのVG30DETTを搭載したフェアレディZ(Z32型)。280馬力というハイパワーを誇った
 私が初めて買ったツインターボ車は、3リッターV6ツインターボのVG30DETTを搭載した、Z32型フェアレディZだった。

 当時の私は、ツインターボよりなにより、280馬力というハイパワーに大コーフンし、ツインターボであることは、どうでもよかった記憶がある。

 280馬力に大コーフンしたのもつかの間、ほぼ同時期、生まれて初めてフェラーリを体験し、その悪魔的なフィーリングの前に、すべてが吹っ飛んだ。加えて、32Z登場後間もなく、2.6リッター直6のRB26DETTを搭載したR32スカイラインGT-Rが登場する。

 こちらはVG30DETTよりも、回転フィールもパワーフィールも官能的で、まさに無敵の重戦車。テスタロッサの12気筒の前に、ZのV6ツインターボは木っ端微塵になったが(私見です)、GT-Rなら、少なくとも総合的な速さは上だし、フィーリングにも独特の味わいがあった。

 R32GT-Rは、バブル期のジャパン・アズ・ナンバー1感を象徴する超高性能車。それはツインターボによって実現された!

 ツインターボは、ターボがツインだからツインターボなわけだが、イタリア語だとビトゥルボとなる。デ・トマス時代のマセラティは、車名に「ビトゥルボ」を使い、ツインターボであることを誇示していた。

 私は01年になって、2.8リッターV6 SOHCツインターボ(225馬力)を積んだマセラティ430を購入したが、これはツインターボ感が非常に薄いクルマだった。

 すでにフェラーリなどハイパワー車をいろいろ知ってしまっていたこともあるが、とにかくあんまりパワーがない。しかもツインターボらしいレスポンスの良さもない。比較的ドッカンターボなのに5000rpmあたりでもうパワーが垂れる、まさに名ばかりのツインターボで、それはそれで没落貴族的でステキだった。

■登場間近な『究極のツインターボ
 
3リッター直6直噴ツインターボエンジンを搭載したBMW335i。スペックを上回るトルクを感じさせる
 20世紀中のツインターボの最高傑作は、RB26DETTで間違いない。が、21世紀に入った06年、ついにそれを上回る衝撃を与えるツインターボが現れた。BMW335i(E90系)に搭載された、3リッター直6直噴ツインターボ(N54B)だ。

 とにかく、トルクの出がハンパじゃない。スペックは306馬力/400Nmだが、それをはるかに上回るパワーとトルクを感じさせ、しかも回転フィールもサウンドも最高に素晴らしかった。このN54Bエンジンは、あえてバルブトロニックを使わずに、古典的な快感にこだわっている。エンジン屋・BMWらしい傑作だ。

 しかし、コストが高すぎたのだろう。このツインターボは、10年のマイナーチェンジで「ツインパワーターボ」という名の可変シングルターボに置き換えられた。スペックは変わらなかったが、フェラーリすら彷彿とさせた快感は失われた。

 後年私は、中古でこのN54Bを搭載した335iカブリオレを買い、究極のツインターボを堪能した。

 それは、低回転域からぐぐっとターボが効きつつ、ターボらしいパワーとトルクの盛り上がりがしっかりあり、しかもシルキー6の滑らかな回転フィールで、7000rpmまで突き抜けて乾いた快音を発するという、ツインターボの金字塔だ。

 現在、ターボのフィーリングはあまりにも自然になり、シングルだろうがツインだろうが、ほとんどターボを感じさせなくなった。そんな中でもいろいろな名機は存在するが、多くが1千万円オーバーで、おいそれとは手に入らない。

 また、ここまで進化すると、RB26DETTやN54Bのような古き良きツインターボに、深い味わいを感じずにはいられない面もある。

 が、日本には、最後の、そして究極のツインターボになりうるブツが控えている。次期フェアレディZに搭載される、3リッターV6ツインターボだ。

 ベースはスカイライン400RのVR30DDTT(408馬力)。400Rのエンジンですでに、世界の現行ツインターボの中で指折りの官能性を誇っている。

 パワーもトルクもレスポンスもいいのに、ドッカーンという暴力的な盛り上がりがある。あれをベースにブラッシュアップすれば、1千万円以下のツインターボ車史上、最高のユニットになる可能性もある。期待して待とう!

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