今の中高生のトレーニング、大丈夫?

今や、高校野球でも150キロすらありがたみがなくなった。高校時代から、大谷や佐々木らの160キロ超えで、中高生の指導者のトレーニングの課し方が変わって来ているのではない?

マチュア野球に於いて、チーム指導者のやるコトは意外にシンプル。一番上手い選手を投手にする。できない時は、一番デカい選手を投手にする。

投手に決めたら、故障させないための持久力トレーニングと、速いタマ強いタマを投げさせるための瞬発力トレーニングを積ませないといけない。後は、監督の感性や選手層の問題で、複数人選んで競争させたり、1人に託したりしている。

どんなにショボい中学や高校でも、野球部のエースや投手は、自主的でも強制的でも、10キロ以上のランニングと100球以上の投げ込みはフツ~だった。単に、タマ数だけの投げ込みはダメ。変化球を磨く、コントロールを磨く、全力よりもクルージングで投げるタマのキレを磨くのに、練習が必要なのだ。

どちらかと言うと、持久力トレーニングが主体だったろう。

しかし、今は練習の傾向が変わっているように見受ける。少なくとも、選手個人は、指導者からの注目を得るために、短絡的にスピードを追い求めるトレーニングを増やしているのではないの?

コレは短距離と長距離ほど、トレーニングの質や量も異なる。持久力トレーニングの方が練習時間も長いし、イヤがられる。瞬発力トレーニングなら、器具や方法が色々ある。極端には投げ方の抜粋をして、強化する部位に負荷をかけるトレーニングをするコトになる。

だから、最近の高校生は佐々木朗希でなくても、やたら細い。走り込み投げ込みなども、デキてないように見える。

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大注目の風間球打が甲子園で見せた「2つの顔」。150キロの球速だけじゃない魅力
8/16(月) 12:45 Yahoo!ニュース
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初戦の帯広農戦で完投勝利を挙げたノースアジア大明桜の風間球打
夏の甲子園の主役は風間球打なのか----。

 小園健太(市和歌山)、達孝太(天理)、森木大智(高知)とドラフト上位候補の逸材が地方大会で続々と敗れるなか、大会前から話題を独占したのは風間球打(ノースアジア大明桜)だった。

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 その素材のよさは、高校時代の佐々木朗希(ロッテ)を引き合いに出すスカウトもいるほど。秋田大会準々決勝で計測した「最速157キロ」という数字も取り沙汰された。

 8月15日に帯広農(北北海道)との初戦に先発登板した風間は、9回を投げて被安打7、奪三振10、与四死球2、失点2(自責点2)という内容で完投勝利を挙げた。この日の最速は150キロだった。

 風間にとっては初めての甲子園。そんな大舞台の初戦で、「2つの顔」を見せた。

 ひとつは「クレバーな顔」である。

 8月12日、結果的に4回で降雨ノーゲームとなる試合で風間を見て、違和感を覚えた。秋田大会で見せた、力感抜群の腕の振りが影を潜めていたからだ。

 ステップ幅が狭くなり、腕の振りはおとなしかった。風間はノーゲームが宣告されるまでの4回を無安打に抑えたものの、明らかにセーブして投げていた。

 そう感じたのは私だけではなかったようで、試合後の記者会見では風間に対して「いつもよりステップ幅を縮めて投げていたのでは?」という質問が出た。すると、風間はこのように答えた。

「結構踏み込んで投げるタイプなんですけど、今日はマウンドが滑ったので途中からセットポジションにして、投げやすいフォームで投げました」

 初めての甲子園。バックネット裏には鈴なりのスカウト。アドレナリンが分泌されるには十分な環境のなかで、風間は文字どおり足元を見つめていた。雨でぬかるむマウンドに対応するため、とっさにフォームを変える。言うのは簡単だが、実行するとなるとたやすいことではない。

 仕切り直しとなった15日の試合では、別のクレバーさを見せている。スライダーのコントロールが悪いとみるや、捕手の中井稜貴と相談してフォークを多投したのだ。風間は言う。

「フォークはこれまであまり使ってこなかったんですけど、使ってみたら今日の変化球で一番よかったので。バッターが真っすぐしか待っていないようだったので、フォークで緩急を使っていこうと考えました」

このフォークを見たあるスカウトは、「カーブとスライダーはあくまでカウントを取る球ですが、フォークは空振りがとれる。速球とフォークの2種類だけでも十分に抑えられますし、すばらしい変化です」と評価した。

 秋田大会ではこんなシーンもあった。相手チームの投手を含め、ほとんどの選手がグラウンドで試合前の準備をするなか、風間は体力の消耗を考えてベンチ裏の室内ブルペンで調整をした。その場その場の環境に応じて、ベストを求めて順応していく。風間のクレバーさは今後も大きな武器になっていくだろう。

 風間が甲子園初戦で見せたもうひとつの顔は、「熱い顔」である。

 ノーゲームになった12日の登板で4回ノーヒットに抑えたとはいえ、風間にとっては満足のいく内容ではなかったようだ。こんな言葉も漏らしている。

「力を抜いた部分もあって、自分の思ったようにいかなかったので、秋田大会のようにしっかりと腕を振りたい」

 雨天順延が続き、中2日で迎えた15日の登板では、立ち上がりから本来の強い腕の振りが見られた。この日、最速150キロをマークしたことを尋ねられた風間は、こう答えている。

「初回からどんどん飛ばしたので、球速が出てうれしかったです」

 ただし、強く腕を振ろうという意識が強すぎたのだろう。風間は「今回は力を入れて、力みながら投げてしまった」とも語っている。その結果、風間の速球に照準を合わせ、コンパクトなスイングをしてくる帯広農に苦戦する原因にもなった。

 それでも1対1の同点に追いつかれ、なお一死二、三塁のピンチを背負った3回表は、3番・佐伯柊、4番・干場雄心の中心打者を2者連続三振。風間は「この場面は力を入れました」と振り返る。佐伯には149キロのインコースへのストレートで空振り三振を奪っている。全体的に納得のいくボールが少ない日でも、ここぞの場面で実力を発揮できるのが風間の強みだ。

風間の"熱"を感じるのは投球だけではない。ひとたび左打席に入れば、フォロースルーの大きなスイングで相手バッテリーを威圧する。そして、投手ながらベースランニングで手を抜くことが一切ない。15日の試合でも併殺コースと思われた内野ゴロで全力疾走し、併殺を免れるシーンがあった。人々の心を打つ走り姿だった。

 最速157キロのスピード、真上から投げ下ろす角度、空振りを奪える変化球、底の見えないポテンシャル。風間の投手としての武器は多いが、この日見せた「2つの顔」はそれらの武器を一層生かす内面的な強さと言えるだろう。

 ノースアジア大明桜は大会8日目(8月20日予定)の2回戦で明徳義塾(高知)と対戦する。高知大会決勝戦で森木を攻略した試合巧者を相手に、風間はどんな投球を見せるのか。そして、「クレバーさ」と「熱さ」のほかにも新たな顔を見せるのか。その結果は大会の行方どころか、ドラフト戦線の行方をも左右しかねない。
菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

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