ポルシェ992GT3

ポルシェ992GT3

992でイヤに感じているのはリヤのボリューム増加で、サイドビューは楔形に見える。もはや、356以降続くビートルスタイルは失われつつある。

テールランプも横一文字は、意味がわからない。夜間でも左右判明して光を認識すれば良く、面積は意味がない。

GT3で一番目に着いたのは、リヤウイングだった。ウイング一枚で見れば、下面にステーがなく、空気は一気に流れる。上面は前部ステーから伸びた取付があって、下面より少し遅く流れ、ダウンフォースに寄与するのか?

今や、カレラでもリヤウイングが付いているからか、こんなトコで差をつけるのかと感じる。

大体、クルマのエンジンを考える時、NAならリッター100馬力トルク10キロで、ターボだと×1.7で見積もる。このクルマは、リッタートルク12キロになり、より鋭いレスポンスに寄与しているように思う。

それだけに、1.5t近い車重は残念。
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【詳細データテスト】ポルシェ911 GT3 RS並みの走り 使い勝手は一歩後退 静粛性は皆無
8/21(土) 20:25 Yahoo!ニュース
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はじめに
 
テスト車:ポルシェ911 GT3 PDK
ポルシェ911 GT3は、60年近い911の歴史の延長線上にあることを強く感じさせるモデルだ。しかし、1999年に996型のホモロゲーションスペシャルとして、ヴァイザッハから最初のバージョンが送り出されて以来、GT3それ単体でも名声を築き上げてきた。

【写真】ポルシェ911 GT3とライバル (15枚)

これほど引っ張りだことなるパフォーマンスカーは、そうそうないだろう。ディーラーへの割り当てもじつに少なく、よほど顔の効く顧客でないと入手できない。

この価格帯でこれほどコレクターズアイテムとしての価値が高いものは、ほぼ見つからない。普通ならば値落ちを待って中古で買おうと考えるところだが、そうした常識の当てはまらないクルマだ。

そして今回、新型GT3をテストできる機会がやってきた。992世代でもGT3は、サーキットユース前提のメカニズムを与えられた911だ。ポルシェのGTディヴィジョンに言わせれば、これまでのいかなるGT3よりもモータースポーツ寄りに開発したモデル、ということになる。そのことは、メカニズムだけでなく、見た目にも明らかだ。

サーキット重視という点については、先代モデルが辿り着けなかったレベルに達している。手抜きも妥協もなく狙いを追求し、いかにもポルシェのようなメーカーが、サーキットでの走りにフォーカスしたハードコアなエンジン車に終わりのときが迫っていると知って造ったようなクルマだ。古き佳き日々は、突如として残り少ないものとなってしまったのだが。

もちろん、ポルシェがそういった声明を出したわけではない。われわれの知る限り、GT3は今後も存続するプランが、具体的ではないもののあるようで、ぜひそうなってほしいところだ。

それにしてもこのクルマには、ヒエラルキーを覆す、際立った存在感がある。さっそく走らせて、その中身を確かめてみたい。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
 
スワンネック式リアウイングは、最新の911RSRレースカー譲り。ステーがウイングを上部から吊り下げる形式で、空力的に重要度の高いウイング下面に気流を阻害するブラケットを取り付ける必要がないので、より効率的に機能する。
992世代の911 GT3の外観には、歴代モデルにはなかったほどの威圧感がある。新たなスワンネックタイプのリアウイングはある種の美を感じさせるが、それでもヴィジュアル的な凶暴さは増している。速い911の外装は概してピュアであるべきだと考えるひとびとからすれば、空力的処置がアグレッシブすぎるということになるだろう。

このクルマのルックスがこんなことになったのは、もちろんダウンフォースを求めたから。リアウイングはピッチがアジャストでき、もっともマイルドな出荷状態でも、過去のGT3より50%強力なダウンフォースを生むのだ。ウイングをもっとも傾け、フロントスプリッターを一番効かせた場合、200km/h走行時に先代比150%増の400kg近い数値に達する。

ポルシェがボディワークにここまで手を加えられたのは、まずサスペンションの大改修をしたからこそだ。通常の992ではマクファーソンストラットとなるフロントサスペンションは、ロードカーの911では初となるダブルウィッシュボーンに換装。リアの5リンクは大幅に手直しし、四輪操舵への適応性を高めた。

前後とも、ハードなコーナリング時にホイールキャンバーの優れたコントロール性を維持する。また、傾斜したストラットの効果もあって、フロントはブレーキング時にきわめてダイブしにくくなっている。

さらにサスペンションのスプリングレートも高められ、上乗せされる垂直方向の負荷を受け止める。調整式コイルオーバーのスティールスプリングは、先代比2倍のレートだ。ホイールはフロントが20インチ、リアが21インチで、これも歴代GT3の最大サイズとなる。

ドライサンプの4.0L水平対向6気筒は自然吸気で、これは先代GT3からほぼキャリーオーバー。しかし最高出力は510ps/8400rpm、最大トルクは47.9kg-m/6100rpmと、先代より10ps/1.1kg-mアップし、991型GT3 RSに近づいた。また、ステンレススティールの新型エグゾーストは、新たにガソリンパティキュレートフィルターを装備しながら、先代より10kg軽量化している。

トランスミッションは、トルクベクタリング機構と電子制御リアディファレンシャルを組み合わせる7速DCTか、一般的な機械式LSDをセットする6速MTのいずれかを選択できる。

キャビンレイアウトは、2+2が標準仕様。エクステリアに手が入り、巨大なウイングを装着しないツーリングパッケージと、6点ハーネスを装着できるロールケージや消火器を備え、キルスイッチも装着可能な2シーターのクラブスポーツパッケージが設定される。テスト車は、クラブスポーツパッケージのDCT仕様だ。

内装 ★★★★★★★★★☆
 
テスト車はクラブスポーツパッケージで、スウェード調生地を多用したレーシーな仕立ての2シーター。ツーリングパッケージはGT的な雰囲気のレザーインテリアで、2+2レイアウトになる。
キャビンはある程度の変更が可能で、走り志向のダーク系か、快適性を高めたものが選べる。テスト車はハードコアなほうのクラブスポーツ仕様で、918スパイダーで初採用されたオプションのカーボンバケットシートが装着されている。

このバケットシートは、乗り込む際にやや注意が必要だが、クッションはほどほどに効いていて、長距離走行でもじつに快適だ。背もたれの角度は固定されているが、座面の高さは電動調整でき、テスター陣もその恩恵にあずかった。

座面を少し上げると、ボンネットやフロントフェンダーの見切りがよくなる。もっとも、ロールバーとリアウイングの巨大な翼端板に遮られる肩越しの視界に改善は見込めないが。

ドライバーの眼前には、GT3専用の計器盤が据え付けられている。中央にあるのは、10000rpmまで刻まれたアナログの回転計だ。運転席の左側にあるギアセレクターレバーは、992型のほかのDCT車のそれより大型化しており、握りやすく、サーキット走行時にレースカーのシーケンシャルシフトレバーのように使うのが楽になっている。

シフトのロジックは問題ないが、レバーの見た目はややチープで、動きにはプラスティッキーなフィールが気になる。それ以外、キャビンの手触りはハイクオリティなので、ここだけがそぐわない。

収納スペースについて、GT3は一般的な911の水準に多少及ばない。ドアポケットは狭くて小さく、先代のように開口部を広げることもできないが、これは992型に共通するマイナスポイント。センタートンネル上には取り外し式のドリンクホルダーが備わるが、これは主にドライバー用のひとつだけ。同乗者がいる場合は、助手席側のダッシュボード内蔵タイプを引っ張り出さなくてはならない。

クラブスポーツ仕様では、積載性も低下している。ロールバーが邪魔して、前席から後席だったスペースへ楽に荷物を放り込むことができないからだ。フロントトランクは、やわらかい旅行バッグとヘルメットバッグならふたつずつ、中くらいのスーツケースならひとつを積み込めるくらいのサイズがある。

走り ★★★★★★★★★★
 
クロスレシオだが、公道上では4速より上で高回転型エンジンのおいしいところを堪能できない。そんなときに自動運転任せにしても不満を感じるようなDCTではないが、MTのほうが楽しめそうなのも事実だ。
ガソリンパティキュレートフィルターが、パフォーマンスカーの音を静かにするという話を聞いたことがあるかもしれない。もしそれが本当なら、新型GT3はそんな話がばかばかしく思えるくらいにその例外だ。どんな場合であっても、このクルマが静かだと感じることはない。

低速で走っている限りは、驚くほどに普通だ。ところが、フラット6を5000rpm以上回し、速度を上げると、音量が上がり、乗り心地は忙しなくなってくる。そして、じつに雄大なエンジン音に包まれる。

ロッカーアームからの機械的なチャター音は、回転が上がるにつれタービンのような凶暴で高音の叫びに取って変わられ、それがひたすら高まっていく。これほど熱心に唸りをあげるクルマは、ほかにないのではないかというほどだ。

うるさいが、うっとりするような音色だ。最高回転数での車内騒音が98dBAというのは、騒音制限のある走行会ではきっと問題になるだろう。それも望むところ、といった感じだろうが。

トランスミッションのギア比は、かなりクロスレシオで、トップギアは、2万ポンド(約280万円)級のコンパクトカーの多くのほうが高いくらいだ。とはいえ、エンジンの回転性能が、パフォーマンスを決定づけている。6000rpmを超えないとピークトルクに達しないが、3速でそこまで回しても113km/h止まりだ。とはいえ、エンジンはそこからさらに回転を上げ、シフトアップする直前には170km/hを超える。

いうまでもなくGT3は、エンジンを本気で回せば恐ろしいほど速いのだが、ハイペースを保つには回し続けなければならない。それにはワクワクするし、フィーリングは常にリニアで、いつどこで全開にできるかはこのうえなくはっきりと見通せる。ただしそうすると、家へ帰るにも全力を出さなければいけないようなタイプの走りとなる。

公道上で4速より上にシフトすると、スロットル操作への反応はダルになり、完全に燃費運転をしているような感覚になる。そのため、マニュアルモードが自動変速モードより魅力的なのは、変速操作そのものを楽しみたいときということになりがちだ。

ポルシェのDCTは大抵の場合、メタリック仕上げの短いシフトパドルで最高に素早い変速ができ、十分にスムースなので、低速で走らせるのもイージー。ただし、変速時のスナッチと、スロットルペダルを踏み込んだときのわずかなショックが出る場合もある。

結局、MTのほうがよりドライビングを楽しめるだろうと思わされるのだが、望めばそれを手に入れることが可能だ。とはいえ、大抵のユーザーはDCTにそれほどの不満を覚えないで済むだろう。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
 
運転席側に並ぶショートカットがスクロールでき、ディスプレイの前に手を置いて安定した操作ができるので、タッチ画面での入力がしやすい。スマートフォンミラーリングは、Appleにのみ対応する。
■インフォテインメント
911 GT3には10.9インチのタッチ式ワイドディスプレイを用いるPCMインフォテインメントシステムが標準装備。運転席寄りに使いたいメニューに飛べるショートカットが一列に並び、これがスクロールできるので、ディスプレイでの操作がしやすい。

センタークラスターの下部にはスクロール操作ができる小さなノブも備わるので、好みに応じて入力方法を選べる。しかし、画面が奥まって設置され、手を置いて腕を支えておける場所があるので、走行中のタッチ操作も難なく行える。

ワイヤレスでのスマートフォンミラーリングAppleのみ対応し、Android Autoは使えない。非常に細身なアームレスト下の小物入れには、USB2.0接続ポートが2口設置されるが、ワイヤレス充電は用意されていない。

ナビゲーションシステムのグラフィックはクリアで、入力もマップを追うのもイージー。オーディオは8スピーカー・150Wユニットが標準仕様で、オプションでは12スピーカー・570Wサラウンドサウンドシステムが用意されている。標準オーディオはそれほどほめられたものではないが、音楽以外のサウンドを楽しむクルマとしてはこの程度でいいだろう。


■燈火類
テスト車に装着されていたPDLSプラスことマトリックスビームのダイナミックライトは、2487ポンド(約34.8万円)のオプション。4点のシグネチャーライトが特徴だ。光線の鮮明さはすばらしく、自動減光はかなりクイックだ。


■ステアリングとペダル
ブレーキペダルは、シートのセンターに対してやや左へオフセットしているが、左右どちらの足でも操作に苦はない。ふたつのペダル面は高さが揃えられているので、踏みかえもしやすい。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
 
スムースな路面なら、走りはよくなる。そこでは精密でインフォメーション豊かなステアリングやサーキット志向のキャラクター、うまくセッティングされたボディコントロールを楽しめるからだ。
このGT3は、歴代モデルと比べてもフィールがより自然で、ハードコアさも増している。コーナリングの平坦さやダイレクトさも、これまでの速い911で感じたことのないものだが、過敏で緊張感も強い。

公道上では、この20年ほどのいかなるGT3よりも、レースフィールドから飛び出してきたサーキット専用車のように感じられる。それもよかれ悪しかれだ。

ここでは、新設計のフロントアクスルが存在感を主張する。ハンドリングのレスポンスとステアリングの精密さはじつに驚くべきもので、しかもいまどきのクルマには滅多にないほどフィールが鮮明だ。フロントのグリップは、もはやミドシップスーパーカーに対しても僅差に迫っている。

普通の速度域では、それがすぐにわかる。サーキットレベルのペースなら、アペックスをギリギリまでタイトに攻めるのも簡単で、本当に速度が高いときのみ発生するアンダーステアも安定している。

911に乗り慣れていても面食らい、しばらくは違和感があるだろうが、それにもじきに馴染む。舗装がよければ、シャシーの位置決めは容易で、直感的にライン取りできる。前例がないほどの鋭さも気にならない。

しかしながら、不整路面の凹凸や反りに対するステアリングの反応に慣れるには、もっと時間がかかる。ステアリングラックのフィルター性能はほとんどなく、ステアリングホイールは常に手のひらの中で騒がしく忙しない。不快に感じる時間は短く、とくに地形の影響を受ける場合くらいだ。

とはいえ、一日中運転していると手が痛くなるのもまた事実。理由はシンプルだ。これほどしっかりとリムを握り締めなくてはいけない機会は、そう多くない。

シャシーバランスはエクセレントだが、ボディコントロールはじつに驚くべきものだった。ロールはきわめて小さく、ピッチもスクオットも同様。タイヤが温まれば、そして路面が平坦ならば、あまり多くを要求しなくていいシャシーだ。

後輪を軸に遮るものなく旋回するプラットフォームは安定していて、非常に信頼度が高い。前輪は常に必死で路面を捉える。その両者が相まった完全無欠感は、揺るぎない安心を与えてくれる。

とはいえ、このクルマの路面コンディションへの依存度が、ここ最近のGT3より高いことは否定できない。より過酷なA級道路やB級道路では、リアサスペンションのトラベルが足りず、より鋭い入力に対してはいらだたしいほど硬く、ソワソワした動きが出る。

レートの高いスプリングを備えるクルマにはありがちだが、乗り心地を向上させるべく補助スプリングも与えられている。それでも、まだまだ改善の余地がみられる。

サスペンションがうまく処理できる多少は穏やかな路面なら、生き生きした走りを味わえる。ボディコントロールはタイトですばやく収束し、完璧にコントロールされたものとなる。

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆
 
走行性能と引き換えに、当然というべきか快適性は損ねられている。とくに騒音の大きさは顕著で、会話が難しいどころか、耳栓がほしくなるレベルだ。
少なくともテスト車のスペックでいえば、GT3は間違いなく耳栓が必要で、車内での会話はできないクルマだ。剛結されたエンジンと後輪、クラブスポーツパッケージのロールバーは、まるで避雷針のようにノイズと振動を車内へ伝える。

低速走行ではそれほどでもないが、速度域の高いA級道路や高速道路でのクルージングでは、声を張り上げないと同乗者との意思疎通すらできない。

7速・113km/h巡航時の車内騒音は78dBAで、最新の乗用車なら3速全開でもこれより静かだ。もっともうるさいときには、3年前に計測した991型GT2 RSさえ5dBAも上回る。ロールバーが波の長いサスペンションの挙動からくる音を増幅するので、リアアクスルが動くたびにそれを耳で感じることになる。

リアシートが備わり、ロールバーが付かない仕様であれば、少しは改善されるだろう。とはいえ、日常の足に使いたくなるような快適性を期待できるかといえば、それは無理な相談だ。

購入と維持 ★★★★★★★★★★
 
生産台数が少なく、それを需要が上回っているので、リセールは有利だ。そのため、残価予想ではAMGに大きな差をつけている。
現行GT3ほど、購入をおすすめできるパフォーマンスカーはこの世にないかもしれない。まず、運転の熱中度や、サーキットレベルの速さと内容は、2~3倍の価格がついたクルマと同等だ。

さらに、走り至上主義者や定期的にサーキットを走るドライバー、そしてコレクターの人気が非常に高いので、残価率が非常に高い。これに並ぶのは、装備を充実させたアリエル・アトムか、スーパーカーの限定モデルくらいだ。

そうした理由から、幸いにも購入の機会に恵まれたなら、即決していいだろう。いや、はっきり言おう。絶対に買うべきだ。

オプションの金額も必然的にかさんでしまうクルマだが、少なくとも仕様による価格差は大きくない。MTとDCTは同価格で、クラブスポーツやツーリングパッケージもそれほど違いはない。

外せないオプションはカーボンブレーキとカーボンルーフ、ノーズリフターくらい。あとは外装色と、ほとんどバリエーションのない内装のレザーとアルカンターラを選べば、価格は14万5000ポンド(約2030万円)ほどになるはずだ。それでも、2年後の残価率が85%を見込めるとなれば、それほど高くつくわけではない。

レイアウト
 
自然吸気フラット6を積む縦置きRRという、まさしく911本来のレイアウトを採るGT3。テスト車の前後重量配分は37:63だった。
GT3のメカニズムは、911が60年近く固執してきた基本レイアウトを踏襲している。フラット6エンジンは縦置きでリア車軸より後方へ突き出し、後輪を駆動する。

サスペンションはフロントが完全新設計のダブルウィッシュボーン、リアは992型の通常モデル用に改修を加えたマルチリンクで、コイルスプリングとアダプティブダンパーを組み合わせたコイルオーバーを装備。前後重量配分は実測で37:63だった。

エンジン
駆動方式:リア縦置き後輪駆動
形式:水平対向6気筒3996cc、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ102.0×81.5mm
圧縮比:13.3:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:510ps/8400rpm
最大トルク:47.9kg-m/6100rpm
エンジン許容回転数:9000rpm
馬力荷重比:356ps/t
トルク荷重比:33.5kg-m/t
エンジン比出力:128ps/L

ボディ/シャシー
全長:4573mm
ホイールベース:2457mm
オーバーハング(前):1043mm
オーバーハング(後):1073mm

全幅(ミラー含む):2030mm
全幅(両ドア開き):3800mm

全高:1279mm
全高(フロントリッド開き):1770mm

足元長さ(前席):最大1080mm
足元長さ(後席):-mm
座面~天井(前席):最大1000mm
座面~天井(後席):-mm

積載容量:132L

構造:アルミ/スティーモノコック
車両重量:1435kg(公称値)/1430kg(実測値)
抗力係数:0.34
ホイール前/後:9.5Jx20/12.0Jx21
タイヤ前/後:255/35 ZR20 97Y/315/30 ZR21 105Y
ミシュランパイロットスポーツ・カップ2
スペアタイヤ:なし(パンク修理キットをオプション設定)

変速機
形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.75/8.7 
2速:2.38/13.7 
3速:1.72/18.8 
4速:1.34/24.3 
5速:1.11/29.3 
6速:0.96/33.8  
7速:0.84/38.6   
最終減速比:4.19:1

燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.2km/L
ツーリング:10.3km/L
動力性能計測時:4.9km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.9km/L
中速(郊外):8.1km/L
高速(高速道路):8.7km/L
超高速:8.4km/L
混合:7.7km/L

燃料タンク容量:64L
現実的な航続距離:457km
CO2排出量:294g/km

サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/調整式コイルオーバー、スタビライザー
後:マルチリンク/調整式コイルオーバー、スタビライザー

ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:10.4m

ブレーキ
前:410mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:390mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性
アイドリング:57dBA
全開時(3速):98dBA
48km/h走行時:71dBA
80km/h走行時:75dBA
113km/h走行時:78dBA

安全装備
ABS/PSM/ESC/TC/HBA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.6秒
0-60(97):3.4秒
0-70(113):4.2秒
0-80(129):5.1秒
0-90(145):6.2秒
0-100(161):7.4秒
0-110(177):8.9秒
0-120(193):10.6秒
0-130(209):12.5秒
0-140(225):14.9秒
0-150(241):17.7秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:201.3km/h)
0-1000m発進加速:21.0秒(到達速度:257.5km/h)


■ライバルの発進加速
ライバルの発進加速
マクラーレン600LTスパイダー(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):1.9秒
0-50(80):2.4秒
0-60(97):2.9秒
0-70(113):3.5秒
0-80(129):4.3秒
0-90(145):5.1秒
0-100(161):6.1秒
0-110(177):7.3秒
0-120(193):8.6秒
0-130(209):10.2秒
0-140(225):12.1秒
0-150(241):14.8秒
0-402m発進加速:10.9秒(到達速度:214.0km/h)
0-1000m発進加速:19.7秒(到達速度:268.0km/h)

中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.1秒(2速)/3.1秒(3速)/4.0秒(4速)

30-50(48-80):1.8秒(2速)/2.8秒(3速)/3.8秒(4速)/4.8秒(5速)/6.0秒(6速)/7.2秒(7速)

40-60(64-97):1.6秒(2速)/2.6秒(3速)/3.6秒(4速)/4.6秒(5速)/5.6秒(6速)/6.7秒(7速)

50-70(80-113):1.6秒(2速)/2.2秒(3速)/3.4秒(4速)/4.5秒(5速)/5.5秒(6速)/6.7秒(7速)

60-80(97-129):2.1秒(3速)/3.1秒(4速)/4.4秒(5速)/5.4秒(6速)/6.7秒(7速)

70-90(113-145):2.2秒(3速)/2.8秒(4速)/4.1秒(5速)/5.4秒(6速)/6.8秒(7速)

80-100(129-161):2.4秒(3速)/2.8秒(4速)/3.8秒(5速)/5.3秒(6速)/7.0秒(7速)

90-110(145-177):3.0秒(4速)/3.7秒(5速)/5.1秒(6速)/7.0秒(7速)

100-120(161-193):3.1秒(4速)/3.8秒(5速)/4.9秒(6速)/7.0秒(7速)

110-130(177-209):3.5秒(4速)/4.0秒(5速)/5.0秒(6速)

120-140(193-225):4.5秒(5速)/5.5秒(6速)

130-150(209-241):5.1秒(5速)

制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):7.9m
50-0マイル/時(64km/h):21.2m
70-0マイル/時(80km/h):40.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.29秒


■ライバルの制動距離
マクラーレン600LTスパイダー(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.0m
50-0マイル/時(64km/h):20.7m
70-0マイル/時(80km/h):39.9m

各ギアの最高速
1速:77.2km/h(9000rpm)
2速:122.3km/h(9000rpm)
3速:170.6km/h(9000rpm)
4速:218.9km/h(9000rpm)
5速:263.9km/h(9000rpm)
6速:304.2km/h(9000rpm)
7速(公称値):318.6km/h(8239rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1592rpm/1820rpm

結論 ★★★★★★★★★☆
 
結論:バーサタイル性がこれより高いGT3は過去にあったが、それでも新型はやはりすばらしくいい。
サーキット志向のポルシェを象徴する911 GT3は、誰もが気づく以上に大きな進化を遂げた。それでも未知の領域に突入したわけではなかったのは、この手のクルマを長年造り続けてきたメーカーだからだ。

そうはいっても、ここまでハードコアでサーキットを重視した911は、これまできわめて少量生産のハイエンドモデルにしかみられなかった。このクルマには理屈抜きの野性味と、スーパーカーもカモるアジリティがある。これまでならGT3 RSでないと望めなかったようなレベルだが、それが素のGT3の価格で手に入るのだ。

速くてフィルターをかけていない、荒々しく活気がある、超俊敏で惹き込まれるこのGT3は、その気になって走れるときにはすばらしいクルマだ。想定通りの環境にあれば、壮観の一語に尽きる。

そうはいっても、これまでのGT3にあったような多様性は持ち合わせていない。すくなくともこの10数年間のモデルは、サーキットのスペシャリストでありながら、ロードカーとしても魅力的で使い勝手も悪くなかった。

新型は、そこがはっきり違っている。公道では運転したくないように思うことすらあり、走行会へはキャリアカーで向かいたくなる場合もあるだろう。

RSでないGT3としては、あまりにも妥協を強いられすぎるクルマだというのが率直な感想だ。それでも、そのことを覚悟するのなら、これ以上のクルマはなかなかないと言える。

■担当テスターのアドバイス
◆リチャード・レーン
オプションのフロントアクスルリフトシステムは、ナビゲーションデータから地形を先読みし、自宅での車庫入れなどの際に自動でフロントの車高を引き上げる。また、一度アゴを擦ったことのある場所を記憶させておけば、そこでも自動的に車高を調整して再発を防いでくれる。

マット・ソーンダース
自分で買うなら、クラブスポーツパッケージを選ぶかどうか。とはいえ、シートベルトを外したとき、巻き上げられたバックルがロールバーに当たって立てる音はけっこう好きだ。その点は、マルキ・ド・サドも賛同してくれるだろう。


■オプション追加のアドバイス
クラブスポーツを買おうとしているなら、オーダーする前にこのクルマの使い道を今一度考えてみるべきだ。クルージング時のマナーに優れるツーリングパッケージのMTこそ、必要なものをすべて備えたGT3だろう。また、明るいボディカラーを検討しているなら、カーボンルーフとのマッチングを確かめたほうがいい。

■改善してほしいポイント
・ツーリングパッケージには、今より小さいホイールと、もう少し穏やかなレートのスプリングがほしい。
・ボンネットのエアスクープは、もう少し控えめでも事足りるのではないだろうか。
・DCTのシフトレバーは、マテリアルにパドルと同じくらいの魅力的な手触りがほしい。
AUTOCAR JAPAN

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