よくぞ市販されたクルマ

ココに挙がったクルマは、バブル前後の勢いに任せて市販された感じのクルマだ。

何より、個人的に印象強いのはマツダ・コスモだ。初代は帰ってきたウルトラマンに使われ、2代目はサバンナを低く長くしたイメージだった。いずれも2ローターだった。3代目は3ローターで市販された。ロータリーは、エキシャ3回転でハウジング当たりの爆発が完結する。各ローターに3つの燃焼室を持つに等しいから、9気筒をエキシャ3回転で爆発させるイメージ、クランク2回転に換算すると6気筒的だ。ル・マンを制したのは4ローター、もし、このコスモを全世界に展開していたら、ロータリーの歴史も変わったのではない?

バブルになり、軽薄な企画で市販されたクルマがトヨタ・セラだ。何故、ガルウィング的なドアが採用されるクルマが出たか、それは、車体剛性維持のために高いサイドシルが必要で、乗降性を維持するためにドアを上にハネ上げるコトを考えたのだ。例えば、メルセデス300SLは真横に乗降スペースを作り、ランボルギーニカウンタックは横方向に張り出さず上に乗降スペースを作った。このクルマには高いサイドシルはなく、ちゃんとした動力も与えられず、剛性的にもその必然性はなかった。せめて、FRなりミドシップで、高いサイドシルを持っていたら、もう少し印象的にマシだったろう。ドアもインセクトタイプで、上にも横にも大きく張り出した。

本来、ポルシェが911後継を考えるに当たり、水平対向6気筒の水冷化やそのためのフロントエンジン化があり、既存ユニットをキャリーオーバーする上でミッションとデフをリヤに配置したかった。

その観点で、SVXは、次期911たる良い見本であった。直4の924⇒944でもなく、V8の928でもなく、水平対向6気筒を水冷化してキャリーオーバーしFRを作る、絶好の見本だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

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よくぞ市販した! 「勢い」で出したとしか思えない日本車らしからぬ「ぶっ飛んだ」クルマ5選
8/26(木) 11:41 Yahoo!ニュース
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売れるかどうかは一か八か! 勢いで売りに出した名車たち
 クルマというものは、家の次に高価なものと言われるだけに、買う方としてはかなり慎重になるものだ。一方、自動車メーカーとしてもリスクが高く、何億、ときには何十億という開発費をかけて発売して鳴かず飛ばずということもありうる。

【写真】「いすゞ・ビークロス」のサイドスタイリング!

 最近は、グローバル展開ということもあって、相当マーケティングなどに力を入れることから失敗作はないものの、過去を振り返れば、勢いで出しちゃいました的なモデルはあったりした。失礼ながら、売れると思ったのかな、なんていうものも……。

 今回はよく考えて出したとしても、傍から見ると、勢いで出ちゃったクルマを集めてみた。

1)マツダ・ユーノスコスモ
 
1990年に登場し、未だ世界で唯一の3ローター搭載市販車となっているマツダ・ユーノスコスモ。
 パブルによる好景気がまだ続いていた1990年に登場したのがこちらで、あとにも先にもこれだけが、市販車唯一無二の3ローターを搭載していた。

 よく言われるように燃費は3km/L程度。スタイルはマツダデザインの真骨頂で、当時としては斬新だったが、見た目からもわかるように車内は狭かった。

2)三菱パジェロエボリューション
 
1997年に登場した三菱パジェロエボリューションパリダカ参戦車のホモロゲモデルだった。
 1997年に登場したのが、パジェロベースのこちら。

 パリダカ向けのホモロゲモデルだったので実際は勢いで出しちゃったクルマではないが、一般ユーザーとしては、パジェロもエボか!? となんでもエボ化に湧いたものだ。

3)トヨタ・セラ
 
当時、保守的だったトヨタが発売したガルウイングのセラ。ガラス張りの室内は丸見えで暑かった。
 ご存じ、スターレットをベースとしたガラス張りのコンパクトカー。しかもドアはガルウイングというか、前に跳ね上がるバタフライドアを採用していた。

 今でこそ、トヨタは攻めている感じがするが、当時は保守的で手堅い戦略だった。1990年、突然出てきたのがセラだけに驚いた。断熱ガラスを使っているわけではなく、真夏ともなれば温室状態で本当に日干しになった。

 ちなみに売れたのは1万5000台ほどとされる。

4)スバルSVX
 
1991年、こちらもバブル期に登場したスバルSVX。デザイン性を高く評価する人も多い。
 1991年に登場した、水平対向6気筒を搭載した、グランツーリスモクーペ。

 専用品が多く、かなり凝ったもので、勢いで出たと言うよりバブルならではのクルマと言ったほうがいいかもしれない。ただ、デザインを担当したジウジアーロが、実車を見て「スケッチのまんま出しちゃったのか!」と言ったとされる。

5)いすゞ・ビークロス
 
見た目はまるでコンセプトカーのようだが、実際は市販化にあたって各部が変更されていたいすゞ・ビークロス。
 ショーモデルのまま登場したクルマとして話題に登ることが多いが、実際に勢いで出しちゃったクルマだった。

 コンセプトカーが出たのが、1993年の第30回の東京モーターショー。ちなみに車名はヴィークロスだった。それが1997年になって突然市販化となって、ビークロスとして発売された。関係者によれば、本当に突然だったとのこと。

 そのため、市販車として成り立たせるために、意外に手が加えられていて、よく見るとコンセプトカーとはかなり違っている。つまりコンセプトカーそのままとは言えなかったりするのだ。

 以上、5台を紹介したが、バブル期を中心にしてまだまだある。最近は勢いで出しちゃったようなクルマが少なく、いかにも計算され尽くした優等生が多い。クルマ好きとして、ちょっとさびしい気はする。
近藤暁史

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