NSX、ホントのファンならNOを言うべきだった。

ホンダNSX、ホンダのフラッグシップとしての性能を誇るクルマ。その看板のためか、日本国内国外のモータースポーツにも出た。

しかし、ホンダらしくないのか、レース仕様の想定をせず、性能のシンボルとして勝てるクルマにする設定をしなかった。

初代、2代目とも、NSXとして使用する方向と合わないモノを適さない構造で作ってしまった。逆に、トヨタは何でも使っているが、ニッサンで言うZやGT-R同様、NSXという名前をつけたせいだ。

逆に、NSXでないクルマを、モータースポーツに使うために作れば良かった。今は、オートバイで使わなくなったNSRという名前をつけて、モータースポーツ前提にレーサー開発し、市販車として売り出せば良かった。

モータースポーツ車両としての要件として、ロールケージを溶接で取付できる、700馬力くらいでも受け止める鉄フレームを、オートバイの技術を持つホンダなら、作れたハズ。後は、それをデチューンして市販すれば良かった。それは、グループAでもFIA-GTでも日本GTでも、絞って対応すれば良かった。

そういうクルマ作りをしていたら、桜井F1総監督が異動着任して数ヶ月経たずに辞めるコトはなかったろう。逆に、桜井サンがHRCと繋がるコトもあり得たかも知れない。(しげの秀一バリバリ伝説」では、桜井サンをパクった、梅井松夫というキャラがいた。)

別に、新技術アピールするクルマ=フラッグシップでなくて良いのだ。バトルプルーフ技術の塊でも良かった。

早過ぎ遅過ぎの問題ではない。単に、方向性が間違っていたのだ。

 

 

 

 

 

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「最初から最後まですべてが早すぎ、遅すぎた」ホンダNSX生産終了にファンが吐露した「本音」とは
8/28(土) 11:40 Yahoo!ニュース
   
短命に終わった2代目NSXに思うこと
 
2017年2月に発売となった2台NSX
 2代目NSXが2022年12月、生産開始からわずか7年弱でその歴史に幕を閉じる。 2021年8月3日、世界350台(うち北米300台、日本30台、その他20台)限定の最終モデル「タイプS」の先行発表とともにホンダから告げられたこのあっけない終焉に、ホンダファンならずとも思う所は多いだろう。

【画像】2代目NSXをじっくり見る(全33枚)

 そんな2代目NSX生産終了の報に対する筆者の思いは、「最初から最後まですべてが早すぎ、遅すぎた」という、矛盾に満ちたものだった。 2代目NSXの国内デビューは2016年8月である。発売は翌2017年2月だが、最大の市場であり新たな生産拠点となった北米では2015年1月のデトロイトショーで量産モデルが世界初公開され、翌2016年4月より生産開始。第一号車が翌5月に納車されている。

コンセプトモデルの段階で方向性が確定していた
 しかしながら、そのコンセプトモデルが発表されたのは、さらにさかのぼること3年、2012年1月のデトロイトショーだった。この時点ですでに、V6エンジンとモーター内蔵デュアルクラッチトランスミッションをミッドに搭載し後輪を駆動、2基のモーターで前輪の左右を独立して駆動する「スポーツハイブリッドSH-AWD」を搭載。高度なトルクベクタリングを実現するという基本的な走りのメカニズム、またデザインの方向性は固められていた。

 コンセプトモデルの発表から量産モデルの発売まで、北米でも約4年半。日本に至っては5年強。この間に自動車を取り巻く環境は、「CASE」という単語を引き合いに出すまでもなく激変した。結果として量産モデル発売時点で、コンセプトモデルとほぼ変わらないエクステリアデザインは著しく陳腐化が進んでしまった。「スポーツハイブリッドSH-AWD」も2013年12月デビューのアキュラRLXおよび、その日本仕様として2014年11月に発表された5代目ホンダ・レジェンドが先に採用したことで、新鮮味は薄れていた。

マイナーチェンジ後はハイブリッドスーパースポーツに進化
 
2018年10月のマイナーチェンジが施された2代目NSX
 とは言え、スーパースポーツの世界において、このハイブリッドシステムは確かに革新的なものだった。事実、他社からハイブリッドスーパースポーツの量販モデルが発売されるのは、2019年5月のフェラーリSF90ストラダーレまで待たねばならず、その後もマクラーレン・アルトゥーラやフェラーリ296GTBなど、NSXのフォロワーはごく限られている

 一方で、アルミフレーム&カーボンボディに、フロントモーターと1.5L直3エンジンを搭載するPHVスーパースポーツBMW i8は、NSXより1年以上早い2013年9月に市販モデルがデビューしており、2020年4月に生産終了となっているのだが。

 こうして、新しいようでいて古いような、そんなハイブリッドスーパースポーツとして生まれた2代目NSX。だが、果たしてこれは筆者のような買えもしないただのファンはともあれ、実際に購入できる富裕層、あるいは初代NSXユーザーに「買いたい」と思わせるクルマだったのだろうか? 大いに疑問が残る。

 手ごろなパワー・トルクとボディサイズ、軽さと圧倒的な旋回性能を武器にしていた初代NSXに対し、2代目NSXは全幅が1940mm、車重は1800kgに達している。

「人間中心」のコンセプトはパッケージングにこそ辛うじて留められていたが、視界の広さや日常域での扱いやすさは著しく退化。今やスーパースポーツには必須アイテムと言えるフロントリフターは最後までオプション設定さえされなかった。

2代目の新車価格は初代NSX-Rの約2倍相当
 またデビュー当時2370万円という、初代NA2型NSX-Rの約2倍に相当する車両本体価格も、購入ユーザーを限定する要因となったのは想像に難くない。しかもこの価格帯は、ポルシェ911ターボおよびGT3、フェラーリのV8 FRモデルやランボルギーニ・ウラカンといった、抜群のブランド力を持つモデルと直接競合することになる。

 一方で2代目NSXの性能はというと、システム最高出力が581ps、同最大トルクは645N・m。初代NSXと比較すればいずれも2倍以上の数値だが、競合モデルに対しては取り立てて高性能といえず、しかも200km/hでモーターアシストは切れるため、それ以上の速度域においてエンジン単体の507ps&550N・mというスペックは明らかに劣勢だったと言わざるを得ない。

 そして、多くのユーザーやジャーナリストから指摘された、内外装の質感の低さである。前期型はさらに、「スポーツハイブリッドSH-AWD」のトルクベクタリング制御が不自然なうえ、乗り心地や加減速の過渡特性も大味な傾向にあった。

 しかし、2018年10月のマイナーチェンジ(2019年モデル)では、トルクベクタリング制御や乗り心地、パワートレインの過渡特性が劇的に改善。ほぼ違和感なく走れるハイブリッドスーパースポーツに進化している。

最終モデルの「タイプS」はシャーシやミッションの制御も見直しがされている
 2022年モデルにして最終モデルとなる「タイプS」では、エンジン単体でも最高出力と最大トルクは527ps&601N・m、システム総合では608ps&667N・m(いずれも北米仕様の数値を換算)にアップ。これに合わせて内外装やシャーシ、「スポーツハイブリッドSH-AWD」に加えて9速DCTの制御も見直される模様だ。

 だが、時既に遅し。この間にライバルの多くはフルモデルチェンジを行い、大きく進化を遂げている。その一方で、ハイブリッドカーを飛び越えて、100%EVのスーパーカーハイパーカーが、スタートアップ企業などから数多く発売されるようになった。

次のNSXが生まれることを願わずにはいられない!
 そしてホンダは2021年4月、2040年にグローバルでのEV・FCV販売比率を100%とする目標を、三部敏宏新社長自ら発表している。しかもそれ以前より、ホンダの四輪車事業の営業利益率は1%台で低迷しており、F1撤退や日本・狭山やイギリス・スウィンドンなど工場の閉鎖、S660やオデッセイ、レジェンド、クラリティなどの生産終了その他、リストラ策の発表が相次いでいた。

 こうしたリストラ策、とりわけNSXという旗艦モデルの生産を終了することが、ブランドイメージの低下に直結することを、当のホンダが理解していないはずがない。裏を返せば、それだけホンダの四輪車事業は、土俵際に立たされているということでもある。

 だから今回のNSX生産終了も「やっぱりか」「ようやくか」と、もはや諦観の境地で受け止めざるを得なくなっている。それは、残念、哀しい、寂しい、悔しい、腹が立つ、などといった負の感情の先にあるものだ。

 2代目NSXの生産終了まで、あと1年4カ月。そのことを心から惜しみつつ、最後に「タイプS」を設定してくれたことに感謝しながら、そう遠くない未来に次のNSXが生まれることを願わずにはいられない。

 筆者個人としては、初代NSXユーザーも納得させる軽さを、セルロースナノファイバーなど易リサイクル性が高くCO2削減にも寄与するサステイナブルな素材で実現し、かつF1さながらの甲高いホンダミュージックを奏でる、高回転高出力型のゼロ~マイナスエミッション水素エンジンを搭載した、次のNSXはそんなスーパースポーツであってほしい。それこそがまさに、ホンダが企業理念として掲げる「夢」ではないだろうか。
遠藤正賢

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