トヨタに珍しい愚作駄作、セラ

このクルマに関しては、愚作駄作という表現が相応しい。

何故、ドアを上に開くのか?ちゃんとわかっていたのか?車体剛性維持のために、サイドシルを高く設定する必要があった。だから、横開きドアでは乗り降りが困難になった。だから、ドアを上側に開くようにしたい。後は、300SLのようにガルウイング型か、カウンタックのようにバーチカル型かに分かれる。前者なら前後には拡がらないし、後者なら左右には拡がらない。しかし、この愚作駄作はマクラーレン系車両同様のインセクト型、上だけでなく横にも張り出す。

300SLやカウンタックなどみたくこの手のドア採用する必然性はサラサラなく、単に違うドアを採用しただけのクルマ、 他に何の美点もないクルマだ。

せめて、FRやミドシップにしていたら、このクルマへの見方も少し違ったろうが。

 

 

 

 

 

 

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トヨタ「セラ」がベントレーやベンツよりも高額に! バブル時代のカルトカー下剋上勃発
10/2(土) 19:10 Yahoo!ニュース
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バブル期のカルトカーにプレ値がつく時代になった
 世界のオークション動向をウォッチしていると、「どうしてこのクルマがこんなに安いんだ」とか、その反対に「なぜこのクルマがこんなに高額なんだろう」といったことはままある。今回VAGUEでは、そうした下剋上を果たしたクルマを紹介したい。

【画像】バブル時代のカルトカー、トヨタ「セラ」とは(27枚)

 2021年9月3日にアメリカ・インディアナ州で開催されたRMサザビーズオークションに、1台の日本車が登場した。トヨタ「セラ」である。セラは、1987年の第27回東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「AXV-II」をベースとして、市販化されたものだ。

 
バタフライドアが特徴的だったトヨタ「セラ」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
●バブルが生んだカルトカー

 セラの基本的な部分は、P80型「スターレット」をベースとしており、駆動方式はFF、搭載されているエンジンは5E-FHE型1.5リッター直列4気筒だった。

 最高出力110ps、最大トルク13.5kgmという数値は、ファミリーカーレベルのものである。搭載されているトランスミッションは5速MTと4速ATの2本立てで、これもギア比の違いこそあるが、基本的にスターレットと同じものだ。

 ではこのセラの、なにが凄かったのか。

 それは、ボディ上面がほぼすべてガラスで覆われる「グラスキャノピー」を採用していた点だ。そしてドアは、横に引いて開けるのではなく、斜めに跳ね上げる「バタフライ式」が採用されていた。

 ドアウインドウは一部のみ下がるようになっているが、その他の部分はすべてガラスとなっているため、車内に乗り込んだときの開放感はオープンカーに近いものであった。当時試乗した際に、オープンカーのような開放感でありながら、高速道路を走っていても風が当たらないという、それまでにはない感覚を味わったことを記憶している。

 しかし、ボディ上部が重量のあるガラスを採用したということは、ネガティブな一面もあった。まず、車両重量は確実に増加する。また、重たいガラスを上部に位置することで、車体の重心も高くなってしまった。

 そこでセラは、スターレットをベースとしながらも、ロール角を小さくするようサスペンションをセッティングし、またトランスミッションのギア比も変更するなど、市販化に当たってはさまざまに手が入れられている。つまり、開発コストが掛かっているわけだ。

 新車当時の価格は、5MTが160万円、4ATは167万5000円。同世代のEP82「スターレットターボ」が150万円弱だったことを考えると高価だが、少量生産車かつ、開発コストの高さから考えれば、当然といえる車両価格だろう。

 そんなセラには、大きな弱点があった。

 それは、とにかく車内が暑いということだ。ボディ上面がほぼガラスということは、当然のことだが直射日光が直接車内を照らすことになる。それはトヨタも重々承知で、セラのエアコンは通常の1.5リッターエンジン車が搭載するものよりも大きく、強力なものが採用されていた。

 走行しているときはいいとしても、エンジンを切って停車しているときの暑さは、かなりのものだったようだ。当時、新車でセラを購入した知人によると、高速道路のパーキングなどで仮眠しようと思っても、日中は暑さのせいでそれができないということだった。トヨタもそういう声があることは、早い段階から分かっていたようで、発売から1年後の1991年5月には、ドア熱線反射ガラスをオプション設定している。

 今回紹介する1993年式のセラに、その熱線反射ガラスが装備されているかどうかはわからない。写真を見て分かることは、この個体は右ハンドルであること、メーターの表示がkm/hかつ180km/hスケールであること、シフトロックボタンに「解除」と日本語が書かれていることから、日本国内向けの車体であることは間違いないと思われる。走行距離は4万260kmで、内外装とも美しさを保っている。

 
新車当時の価格は1000万円以上していたメルセデス・ベンツ「500SEC」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
●「セラ」がベンツやベントレーよりも高額落札される

 この個体が、どのような経緯からケイマン諸島のモーターミュージアムのコレクションとなったのかはわからない。しかしそのコレクションから今回のオークションに出品されたのは確かで、オークションの結果、1万8150ドル(邦貨換算約202万円)でハンマープライスとなった。

 ちなみに、同じ会場で落札されたクルマを調べてみると、1987年式のメルセデス・ベンツ「500SEC」の走行5万4000マイル(約8万6400kmの個体が、1万6500ドル(邦貨換算約183万円)で落札されている。

 また、1989年式ベントレー「ターボR」の走行8万6700マイル(約13万9000km)のハンマープライスは、9350ドル(邦貨換算約104万円)であった。

 1980年代後半から、1990年代前半にかけてのバブル期、500SECやベントレーが背後から迫ってきたら、思わず道を譲ったものだ。しかし2021年の現在、同じバブル期に新車で販売され、当時は道を譲っていたであろうセラの方が高価になっているという、下剋上が起こっている。

 もちろん、今回のオークションだけですべてを判断するものではないけれども、セラがメルセデス・ベンツベントレーの価値を超えるとは、時の流れを感じてしまうのであった。
塩見誠

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