ヤクルトを見誤ってない?

監督のおかげ?ヤクルトというチームを見誤ってない?元々、優れた選手は獲れている。それらの選手達の活躍が揃った年に優勝している。

しかし、特に投手だけど、枯渇が激しい。キチンと働ける期間がやたら短い。前回優勝から、川端は代打メインになって、雄平は引退する。畠山もいなくなった。舘山は、あれから登板できず引退した。石川と小川は残っているが、ソコまでバリバリな感じではない。

今年のセ・リーグは15勝以上の投手もいないから、どのチームでも先発ローテ投手の故障不調離脱はあった傾向ではある。しかし、このチーム、投手には10勝以上がいない。中継投手の勝ちが多いから、打ち勝ってるチームだ。

元々、岡林や川崎や石井一や伊藤智や由規や五十嵐や舘山らに至るまで、コンスタントというか故障手術なく全うデキたヒトはいない。いい年は目一杯使われ、いつの間にかいなくなってたり、隔年だったり。石井一や五十嵐はメジャー行って他球団だが、傾向は変わらなかった。

奥川見ても、割とイジらず、そのまま起用して通用する。カレは、フォームや技術面に不足は感じないが、体力面持久力面には不足を感じる。今年のオフの疲労回復やトレーニングはかなり重要だろうと思う。

小川はあのフォームやり続けるなら、今ないか積極的に使ってない球種、特にスローカーブやチェンジアップが必要だろうと感じる。

巨人とのCSファイナル、打線が乗れば真中監督の時のように勝ち抜けるとは思うが、日本シリーズではどうだろうか?

セ・リーグ、前回ヤクルトが山田の3発で勝って以来、パ・リーグチームに勝ってないんじゃないの?

 

 

 

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最下位から“V字回復”のヤクルト、「監督のおかげ」と選手が称賛するワケ
11/8(月) 6:32 Yahoo!ニュース
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最大の課題だった投手陣の再建
 
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 就任2年目の高津臣吾監督の下、2年連続最下位から巻き返し、6年ぶりにセ・リーグの頂点に立ったヤクルト。今季、実に25年ぶりにパ・リーグを制したオリックスを含め、最下位の翌年に優勝したチームはのべ7球団あるが、2度成し遂げているのはヤクルトだけである。2度目の“奇跡”はいかにして生まれたのか──。

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 昨年、コロナ禍で迎えた初陣で最下位という屈辱を味わった高津監督にとって、大きかったのは今シーズンに向けて球団が明確な“ファイティングポーズ”を取ったことだろう。つまりは昨オフ、そろって国内FA権を取得していた山田哲人、小川泰弘、石山泰稚という投打の中心選手にいずれも複数年、総額で50億円規模とも伝えられる大型契約を提示して、引き留めに成功したことだ。

 「チームの状況を考えると、その3人が残ってくれて、それにプラスして昨年の反省を生かし、僕がしっかりしてっていうところで順位が上がっていくものと思っていました。その一歩目として、彼らが1人も欠けることなく残ってくれたというのは、戦う姿勢とか体勢ということを考えると、本当にうれしかったですね」

 今春のキャンプを前に、高津監督はそう話している。もっとも、彼ら3人の残留は、いってみれば現状維持。そこにどれだけのプラス要素を加えられるかが、上位進出のカギを握るのは明らかだった。

 最大の課題は、昨年は両リーグワーストのチーム防御率にあえいだ投手陣である。1軍では4年ぶりに復帰した伊藤智仁投手コーチが中心となり、尾花高夫2軍チーフ投手コーチの23年ぶりの復帰により、育成担当も含め投手コーチ4人体制となったファームと一体になって“再建”に取り組んだ。

大きかった“金の卵”奥川の成長
 「狭い神宮球場をホームにしているので、ホームランを怖がる、カウントが悪くなる、フォアボールを出すっていう悪循環を、どこかで断ち切らなくちゃいけない。この球場でやってる限りホームランはしょうがないから、打たれたら打たれたでしっかり反省して、次に生かせればいいからドンドン勝負していこうよって。ストライクを投げなければ始まらないスポーツだからっていうところを、口酸っぱく言ってきました」(伊藤コーチ)

 この伊藤コーチの思いに投手はもちろん、沖縄・浦添の春季キャンプでOBの古田敦也氏から「お前らで勝つんだ」とハッパをかけられた捕手陣も応えた。

 衣川篤史バッテリーコーチが「みんな腹を括って、勇気を出してやってくれた」と言うように正捕手の中村悠平も控えの古賀優大も、強気のリードで投手陣を引っ張り、昨年は1試合平均で3.37あった与四球数は2.54まで減少。昨年は5試合しかなかったチーム無四球試合も、試合数の違いがあるとはいえ今年は15試合に激増した。

 その中で、一昨年のドラフトで3球団による抽選で高津監督に引き当てられた“金の卵”の奥川恭伸が大きく成長。登板ごとに10日前後の間隔を空けながらチーム2位の18試合に先発し、同1位タイの9勝をマークした。5月5日から10月8日にかけては13試合中、12試合がクオリティースタート(先発6回以上、自責点3以下の試合)で、この間に54回1/3連続無四球を記録するなど、安定感は先発陣でも群を抜いていた。

 他にも前半戦は巨人から移籍の左腕・田口麗斗が先発で4勝、高卒4年目の金久保優斗も3勝、コロナ禍により来日が遅れた新外国人のサイスニードは勝負どころの9、10月に4勝(シーズンでは6勝)と、「プラス」の戦力が台頭。2ケタ勝利も規定投球回到達も皆無というエースなき先発陣ではあったが、3勝以上を挙げた投手は10人を数えるなど、束になって戦った。

救援陣も奮闘し、再建に成功
 救援陣では、昨年限りで楽天を戦力外になった近藤弘樹が開幕から16試合連続無失点と、シーズン序盤は無双。その近藤が故障で離脱してからは、同じく元楽天の今野龍太が勝ちパターンの一角に収まり、64試合の登板で7勝1敗28ホールドの好成績を残すなど、野村克也元監督時代からのお家芸である「再生工場」も稼働した。

 セットアッパーの清水昇はプロ野球新記録の50ホールドで2年連続最優秀中継ぎに輝き、シーズン途中で抑えに回ったスコット・マクガフもリーグ3位の31セーブと、先発が試合をつくればブルペンがリードを守ってくれるという安心感があった。

 伊藤コーチは「僕だけじゃ何もできないので、バッテリーコーチ、キャッチャーの協力、スコアラーやアナリストたちの協力もあって、ここまでピッチャーの成長は多少できたのかなと思います」と控えめに話すが、昨年はセパ12球団含めてもワーストの4.61だったチーム防御率は、今年はセ・リーグ3位の3.48。投手陣の“再建”に見事に成功したと言っていい。

山田・村上を中心とした切れ目のない打線
 
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 一方、5年ぶりにシーズン30本塁打&100打点をクリアした山田、リーグ最年少記録に並ぶ21歳の若さで本塁打王に輝いた村上宗隆という「東京五輪金メダルコンビ」が中心の打線に関しても、プラスの要素が目立った。

 これまではなかなか1軍に定着できなかった塩見泰隆が、シーズン途中からほぼ1番に固定。4月下旬に合流したホセ・オスナとドミンゴサンタナの両新外国人が5、7番に座り、交流戦の途中までは2番、その後は6番に入った捕手の中村がチームトップの打率.279をマークしたことで、切れ目のない打線ができ上がった。

 3割バッターこそいなかったものの、出塁率では村上(2位)、山田(5位)、中村(9位)の3人がリーグベスト10入り。チーム打率はリーグ3位ながら、513四球、出塁率.333はいずれも同1位と、粘り強く塁に出て繋ぎ、そこに長打を絡めてリーグでもダントツの625得点を叩き出した。

 投手陣の再建と相まって、昨年は1試合平均3.9得点、4.9失点だったのが、今年は同4.4得点、3.7失点と、投打のバランスは劇的に改善された。さらに──。

 「やっぱり勝ちたいっていう思い、これは全員が持ってましたし、それをつくったのが監督で、このチームで勝ちたいっていう思いを選手1人ひとりが持って『監督を胴上げしたい』っていう気持ちにさせてくれた。そういうモチベーションにさせてくれたっていうのは、すごい大きかったですね」(山田)

大きかった高津監督の存在
 ヤクルトが優勝を決めた10月26日の共同会見でキャプテンの山田が話したように、見逃せないのはチームにとっての指揮者である高津監督の名タクトだろう。

 初陣で最下位に沈んだ昨年の悔しさを胸に、選手たちにはキャンプから「この悔しさを忘れちゃいかん」と訴え続け、9月の勝負どころでは試合前に選手を集めて「この『チームスワローズ』が一枚岩でいったら、絶対崩れることはない。絶対大丈夫。何かあったら僕が出ていくから」と力強い言葉で背中を押した。

 選手層が分厚いとはいえないヤクルトは、これまでもたびたび「ヤ戦病院」などと揶揄されてきたように、主力に故障者が出るとなかなかその穴を埋められず、低迷することが多かった。

 優勝会見で野手最年長の青木宣親が「シーズン通して、たぶん良かったことは、この戦力をずっと維持できたことなのかなと。やっぱりケガをしなかった。1年間、ほぼ戦力を整えた状態でやっていた監督のマネジメント力じゃないかなと思います」と語ったとおり、今季の開幕前に「去年の反省の1つは、ケガ人が出て戦力が整わなかったこと」と話していた高津監督が、昨年以上に選手の状態に気を配り、前出の近藤以外は長期の離脱者を出さなかったのもモノを言った。

 しっかりと戦力を整え、底上げを図り、選手たちが欠けることのないように配慮しながら適材適所で起用──。フロント、ファーム、1軍が三位一体となって、何より高津監督が胴上げ後のインタビューで「本当に選手が一生懸命、頑張ってくれた成果」と話したように、選手たちがそれに見事に応えた。まさに「チームスワローズ」で勝ち取った6年ぶりの栄冠だった。
菊田 康彦(スポーツライター

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