今でも覚えてる、原田対ロッシ対カピロッシ

98年、GP250覚えているだろうか?M・ビアッジが500にステップアップ、チャンピオン争いは原田とカピロッシと125から上がったロッシのアプリリア3人で争われた。

93年世界GP初エントリーでGP250チャンピオンに輝いた時は、ヤマハだった。しかし、ヤマハはこの時期から250の開発に力が入っておらず、結局原田はアプリリアに移籍した。アプリリアは速さはあったが、信頼性はそれほどでもなく、ホンダに移籍したビアッジに勝つコトはデキなかった。

そんな中、98年をアプリリア3人でチャンピオン争い、というか、毎レースの優勝を争った。特に、原田とロッシの序盤中盤のトップ譲り合いは毎レース笑えた。終盤の駆け引きだけで優勝が決まった。原田にはマシントラブルが多く、最終戦にはカピロッシ、原田、ロッシの順だった。

終戦最終ラップ前に、原田が前に出た。2度目のチャンピオンになるハズだった。しかし、最終ラップにカピロッシが原田をストローバリア送りにし原田をノーポイントにし、カピロッシがタイトル獲得してしまった。

ちゃんとFIMはペナルティーを課すべきだった。4輪のF1のシューマッハ同様、卑劣な接触でタイトルを決めようとする傾向をキチンと止めるべきだった。

サイテ~のチャンピオンだった。

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世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.68「現役最後のロッシ、そして来年は……」
11/12(金) 14:30 Yahoo!ニュース

テイスト・オブ・ツクバにも行ってきました!
 
Vol.68「現役最後のロッシ、そして来年は……」
1993年、デビューイヤーにいきなり世界GP250チャンピオンを獲得した原田哲也さん。虎視眈々とチャンスを狙い、ここぞという時に勝負を仕掛ける鋭い走りから「クールデビル」と呼ばれ、たびたび上位争いを繰り広げた。’02年に現役を引退し、今はツーリングやオフロードラン、ホビーレースなど幅広くバイクを楽しんでいる。そんな原田さんのWEBヤングマシン連載は、バイクやレースに関するあれこれを大いに語るWEBコラム。第68回は、スケジュールの合間を縫って顔出ししたテイストオブツクバ、そしてモトGP最終戦について。

【動画+写真】GPライダーだらけのミニバイクレース? そしてロッシ&9台のチャンピオンマシン

楽しむためのレースが、仲間の輪を広げる
11月5日(金)と7日(日)は筑波サーキットに行きました。大人気のイベントレース、テイスト・オブ・ツクバのスポーツ走行と決勝の観戦&応援です。僕も2019年11月にRG500Γで出場させてもらい、大いに楽しみました。今回はマジカルレーシングの蛭田社長が、やはりΓで参戦です。僕は残念ながらスケジュールが合わず、指をくわえて皆さんの走りを眺めていました(笑)。

――マジカルレーシングのRG500Γレーサーに跨る原田さんと、談笑する蛭田さん。

蛭田社長の結果……? 結果なんていいんです(笑)。テイスト・オブ・ツクバは本当に雰囲気がよくて出店も多く、お客さんもたくさん!「日本で今一番熱いイベントレース」なんて言われていますが、この盛り上がりっぷりは見事です。’80年代の古いバイクが中心で、マジカルレーシングのRG500Γを始め、RC30など今となっては貴重なバイクがガンガン走るわけですから、見所たっぷりです。

真剣なレースなのにピリピリムードがなくて、パドックはいつも和やかでアットホーム。参戦者たちの仲間意識が強く、あちこちで協力し合ったり情報交換する姿が見られて、気持ちいいんですよね。レースも、転んで壊れたらパーツがないようなバイクばかりなので、ガチガチのバトルの中でもお互い一線を超えないジェントルさも。真剣でありながら節度があるあたりが、「大人の遊び」という雰囲気を作っています。

僕は今回走れませんでしたが、テイスト・オブ・ツクバはパドックにいるだけでも十分に楽しいんですよ。若いお客さんも多いし、ブースも40社近くが出店していたそうで、最終コーナーの奥の方までズラリ。バイクレースの可能性を見せてもらいました。……と言いつつ、来年はうまくスケジュールを調整してまた参戦したいと思っています。

11月8~9日は、某誌関連のイベントでミニバイク耐久レースに参加してきました。こちらは仲間内でのイベントでしたが、青木宣篤くんや中野真矢くんも参戦して、なかなかの豪華さ。決勝は残念ながら終始雨でしたが、あちこちで熱くもジェントルなバトルが見られて、こちらも楽しい時間となりました。

今、日本全国でいろいろなバイクレースが行われていますが、テイスト・オブ・ツクバもミニバイク耐久レースも、「楽しむためのイベントレース」です。僕も現役時代とはまったく違い、勝つことにはまるでこだわっていません(笑)。順位に関係なく、仲間たちやお客さんを巻き込みながら、とにかく楽しむことにこだわっています。

――[左]赤いゼッケン31を駆る原田さんの姿に熱くなるファンも多いはず! [右]GPライダーだらけのミニバイクレース……豪華すぎて言葉もありません。

もちろんレースにはシリアスなものもあって、そこでは上をめざすレーシングライダーたちが全力を尽くしています。僕もかつてはそういうレースをしてきましたから、その素晴らしさも理解しています。でも、いろんなレースがあっていいと思うんですよね。僕は今は「楽しむためのイベントレース」にしか出ていませんが、気の合う仲間たちとサーキットで過ごすと、すごく心が満たされるんです。

遊びではありますが、バイクレースはやはり危険が伴います。そのピリッとした緊張感が、仲間意識を高めてくれるんですよね。レースと聞くと「ハードルが高いから自分には無理」と思う方が多いと思いますが、真剣な遊びを通じて知り合う仲間とのつながりは、特別なものです。仲間作りのためのレースっていう考え方も、いいものだと思います。

皆さん、もういい大人です(笑)。レースの翌日には仕事、という方がほとんどですから、ケガだけは絶対にしてほしくありません。「タイムを縮めたい、ライバルを抜きたい」という熱い気持ちと、「絶対に無茶はしない」という冷静さのバランスを取りながら、レースを楽しんでもらいたいな、と思っています。

来シーズンに向けて大きな負荷が予想されるクアルタラロ選手
――ドゥカティはファクトリーチームの2人(バニャイア選手とミラー選手)が揃ってアルガルベGPで表彰台に登壇するなど好調だ。

さて、シリアスレースの頂点・MotoGPは、第17戦アルガルベGPがポルトガルで行われました。ドゥカティのフランチェスコ・バニャイアが見事にポール・トゥ・ウインを決めましたね。前戦では転倒してファビオ・クアルタラロのタイトル獲得を許してしまったバニャイアですが、シーズン終盤になってかなり調子を上げてきています。

これ実は、クアルタラロにとってはかなりの脅威なんじゃないかと思います。すでにチャンピオンを決めているとはいえ、レースは続きます。来シーズンに向けて、このドゥカティ+バニャイアの好調ぶりは、ヤマハ+クアルタラロを焦らせているはず。決勝でクアルタラロが今季初の転倒リタイアを喫したのも、焦りがあったのではないでしょうか。

エンジンパワーに余裕のあるドゥカティと、余裕がないヤマハヤマハのクアルタラロとしては、コーナリングで頑張るしかありません。限界ギリギリのコーナリングをしているから、ちょっとのミスが転倒につながってしまいます。この状況は、来季も続くでしょう。

しかもヤマハのライダーラインナップを見ると、正直なところ、クアルタラロの「ひとりエース」状態です。バニャイアが調子を上げ、マルク・マルケスも復活してきそうな来季、タイトル防衛にはいろんな意味でかなりの負荷がかかりそうですね。

……と言いつつ、そのマルケスはオフロードトレーニング中の転倒が原因で第17戦、そして最終戦の欠場がアナウンスされています。今シーズンどうにか戦線復帰したマルケスですが、やはり転倒は多かったですし、こうしてレース以外の場でも……。しっかりとコンディションを整えて、再び絶対王者の強さを見せてもらいたいものです。

それにしても、MotoGPマシンはドゥカティ優位が続いていますね。マシン開発がほとんどできない現在のレギュレーションでは、勢力分布のシャッフルがなかなか起きないのがちょっと残念です。ライダーの腕の見せ所ではありますが、マシンの進化もモータースポーツの醍醐味。コストがかかるとはいえ、3戦に1回とか、せめて5戦に1回ぐらいの頻度でエンジンのアップデートが認められた方が面白いんじゃないかな、と思います。

そして立て続けに最終戦を迎える2021MotoGP。ついにバレンティーノ・ロッシにとって現役最後のレースとなります。かつては僕のチームメイトで、42歳まで現役を続けた偉大な彼の走りを、しっかり見届けたいと思います。

――タイトルカットにもあるように、最終戦バレンシアGPの事前イベントでは、ロッシ選手がチャンピオンを獲得したマシンが9台並ぶという嬉しいサプライズも。NSR500やRC211Vに跨る姿を再び見られるとは……。


TEXT/PHOTO: Go TAKAHASHI PHOTO: PETRONAS SRT, RIDE HI

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