相場なんかで、評価できるワケがない。

通常、若いヒトがクルマを買う時は、入門として1~2リッターのクルマを見る。走れれば良いヒトはマーチ系、4ドアならサニー系やブルーバード系、2ドアクーペならRZ1系やシルビア系やスカイライン系だった。

ニッサンに於いて、サニー系FF化が早く、FR好きをトヨタAE86やA60系に取られた。シルビア系は少し高めだった。

それがバブルも手伝い、S13シルビアが当たった。以後、税制改定により、スカイライン系が2.5リッターメインに格上げした。

スカイライン系が格上げしようと、1~2リッターにシルビア系以外のFRはない。それをどう勘違いしたか、スカイラインに倣って5ナンバーサイズをハミ出した。

日本の駐車場や車庫、地域には3ナンバーお断りも区画狭いトコも多い。2ドアクーペは4ドアセダンに比べてドア面積も大きく、駐車するとドアを開く角度が狭くなる。3ナンバーでは、税金も上がる。イメージは格段に悪くなる。こんなモノ作るくらいなら、S13シルビアを180SX同様に据え置けば良かった。いや、S14をやめてS13に戻せば良かったのだ。

クルマは3年から5年乗る。シルビアに乗ってるヒトは、3年から5年後にシルビアを買えない。結婚や子供生まれたりする。この時期にチャイルドシート法制化されたせいで、2ドアクーペは打撃を受けたのだ。

S14⇒S15で成功か失敗かを問うレベルではない。もう、下地を崩された後だからだ。どんなモノを出してもダメな状況に、市場破壊された後だから。

 

 

 

 

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歴代唯一の3ナンバー車だった、6代目S14シルビアは失敗作だったのか!?
12/13(月) 12:00 Yahoo!ニュース
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 シルビアといえば、歴代で最終の7代目S15型とバブル真っただ中の1988年にFMCされ、デートカーとしても一世を風靡した5代目S13型が有名だが、その間に挟まれた6代目のS14型はどうにも印象が薄い感がある。

【画像ギャラリー】「母ちゃん、許して~」と詫びるCMでも話題。S14シルビアは名車?迷車??(11枚)

 しかし、歴代で初めて3ナンバー化され、S13型から上級移行したようなスタイリングは味があったし、2LターボのSR20DETもS13後期型までの205psから220psまでパワーアップされ、走りも進化していたことがあまり評価されていない気も。

 本当にS14型は日産にとって失敗作だったのか、その真価を改めて評価する。

文/萩原文博、写真/日産

 ドリフトの競技会場やサーキット走行で、走行する勇姿を多く見かけるのが、日産シルビアだ。今年9月、欧州日産のデザイナーが初代シルビアをオマージュした電気自動車(EV)のデザインスケッチを公開した。

 また、シルビアは復活を望む声が多いため、登場するという噂が絶えないモデルである。1965年に登場した初代モデルから2002年に幕を閉じた7代目モデルすべて、FRの駆動方式を採用した。

 一方、ボディサイズは1993年に登場したS14型のみ3ナンバーサイズとなり、最終モデルとなった7代目のS15では5ナンバーに戻されている。そこで、ここではシルビアの歴代モデルで唯一3ナンバー車だったS14シルビアは「失敗作」だったのかどうか中古車相場を見ながら検証してみたい。

 1989年から始まる第2世代スカイラインGT-Rを見てもわかるとおり、日産のスポーツカーはモデルの振り幅が大きい。シルビアも5ナンバーサイズだったS13からS14では3ナンバーとなり、S15では5ナンバーサイズへと戻っている。

 一見、S15の引き立て役に見えるS14シルビアだが、1993年10月に登場した。プラットフォームは先代モデルS13のキャリーオーバーとなっているが、ボディサイズは全長4500×全幅1730×全高1295mmの3ナンバーサイズへと拡大されている。

 拡大されたのはボディサイズだけでなく、ホイールベースは+50mm、トレッドはフロントが+25mmの1480mm、リアは+10mmの1470mmと拡大されている。この数値だけ見ると、先代モデルよりS14シルビアは走行安定性の向上を追求していることがわかる。

 搭載されるエンジンはK’sには最高出力220ps、最大トルク274Nmを発生するSR20DET型2L直列4気筒ターボ。Q’s、J’sには最高出力160ps、最大トルク188Nmを発生するSR20DE型2L直列4気筒自然吸気の2種類。

 先代と搭載されているエンジンと同じだが改良が加えられており、出力向上などが図られている。また、自然吸気エンジンもターボエンジン同様にハイオク仕様となった。組み合わされるミッションは5速MTと4速AT。駆動方式はFRのみで、乗車定員は4人となっている。

 1996年6月にマイナーチェンジを行い、内外装を大幅に変更。特に外観デザインは、前期型は先代モデルの進化系のエレガント系だったが、後期型は吊り目といわれるダイナミックでスポーティなスタイルへと大きく変貌。このデザイン変更の大きさもS14が失敗作ではないかと言われるポイントのひとつではなかっただろうか。

 また、S13とS15シルビアにはオーテックジャパンが製作したオープンモデルが設定されたが、S14にはない。その代わりに、走りに磨きをかけたモデルが存在する。まず、紹介するのは1994年に限定30台で販売されたニスモ270R。日産のワークスブランドであるニスモの創立10周年を記念して発売されたニスモ初のコンプリートロードカーがS14シルビアをベースとしたニスモ270Rだ。

 名前のとおりエンジンの最高出力は270psを目標にチューンが施された。さらに、トランスミッションはファイナルギアを変更。リアデフにはニスモ機械式LSDを装着するなど駆動系も強化。

 サスペンションはブッシュ類まで交換され、サーキット走行もこなすダイレクトなハンドリングを追求している。生産台数がわずか30台にもかかわらず、多くの応募があり抽選となった。

 そしてもう1台が、1997年10月に発売された特別仕様車オーテックバージョンK’s MF-T。ファクトリーブランドのオーテックが手がけたモデルで、専用チューンを施した2LターボエンジンはIHI製のタービンに交換され、最高出力250psに向上。

 フジツボ製の専用エキゾーストシステムも採用し、音にもこだわっている。さらにサスペンションも専用チューンを施し、パワーアップしたエンジンに対応させている。外観は専用のエアロパーツを装着し、大型リアスポイラーが存在感をアピールしている。

■S13からS15の橋渡し役となったS14。狭間モデルのためか中古車相場は低めだ
 
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残念ながらS14の低迷の影響は絶版となった今も残る。ただ、走りの面では進化し続けたモデルのため、悪いクルマではない。それだけに日産の混迷時代に生まれたことが悔やまれる1台だ
 現在、S14シルビアの中古車の流通台数は約68台で、平均価格は約217万円。2021年8月時点では流通台数約60台、平均価格約225万円だったので、値落ち傾向となっている。現在、S13シルビアの中古車の平均価格は約251万円、そしてS15シルビアの平均価格は約252万円なので、この3世代のなかでは割安となっている。

 中古車の価格帯は約70万~約455万円で、新車時価格を超える中古車も出回っている。中古車は人気薄だからこそ、割安な価格で手に入れることができる。とはいえ、この3世代のシルビアはドリフト用の車両やカスタマイズされているクルマが大半で、フルノーマル車を手に入れようとすれば、新車時価格をはるかに上回るのは覚悟していなければならない。

 以前、R33型そしてR34型スカイラインGT-Rの開発担当者を務めた渡邉衡三氏にインタビューした際に、興味深いことを話してくれた。R34GT-Rを発表した際に「富貴三代方知飲食」という言葉を書いたそうだ。

 これは、スカイラインGT-Rも3世代続いたことで、グルメの人の舌を満足させるクルマができた、という意味を込めていたのだ。つまり、味というのは3代(3台)続けて初めてわかる微妙なものなのだという。

 シルビアも大ヒットモデルとなったS13からS14を経てS15の3世代目で多くの人を納得させるクルマに仕上がったといえるのであろう。従ってS15シルビアはS14が存在しなければ、これほど名車と言われなかったかもしれない。

 人気というのは時代によっても変わるものであるし、人によっても変わるもの。S14シルビアに鮮烈な印象を受けたのであれば、たとえ人気薄であろうと手に入れたほうが有意義なカーライフを送れるはずだ。

 あのAE86だって、最初は白黒ツートンの3ドアHBは人気薄で、レビンのほうが人気があった。しかし、漫画の影響で状況は一変した。人々の趣向はそういった影響ですぐに変わることがあるのだ。

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