どれも、メーカーにやる気はなかったョ!

唯一無二感の愛され国産車4台?ホンダS2000とユーノスコスモとスズキカプチーノトヨタエスティマ初代。

端的に言えば、万難を排して突き進む意思とやる気がメーカーの側になかっただけだ!

S2000は、規格的に中途半端だった。2リッター直4のNAなりターボでも、所詮は5ナンバー出力、それなら車体をキチンと5ナンバーサイズに収め、無差別級にも対抗し得るシャシー性能を追究する姿こそが、ホントのホンダスピリットのハズだった。しかし、本田宗一郎死後のホンダに、そんなやる気はなかった。

ユーノスコスモは、マツダの新たなイメージリーダーとなるべきクルマだった。せっかく作るなら、この2ドアクーペ以外にシャシー共有したスーパーセダンを作れば、FFクーペ/セダン乱発するより、FR3ロータリーで遥かにインパクトは高かったハズ。しかし、やらなかった。

スズキカプチーノは、ホンダビートやマツダAZ1の出たタイミング同様、軽自動車規格が550⇒660ccに変更される境目だった。元々、カプチーノとAZ1はコンポーネント共用車両だが、互いにシャシーを共用してスズキでミドシップマツダでFR2+2も出せば、コスト面で遥かに低減できた。しかし、やらなかった。

トヨタエスティマ初代、ミドシップなどと言っても、実質はフロントミドシップでのプロペラシャフト結合、縦置エンジンを横倒ししただけのフロントミドシップFRだ。今なら、水平対向をミドシップしミッションとデフを直結したリアルミドシップのミニバンやスポーツクーペも視界に置けたハズ。でも、やりそうにない。

どれも、やらなかったのは、自動車メーカーだ。やる気なかったのは、自動車メーカーだ。

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やっぱりいまのクルマは「個性がない」! 唯一無二感たっぷりの愛され国産車4台
2021/12/14 12:41 WEB CARTOP2

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 この記事をまとめると

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 クルマは年々進化している。故障は少なくなっているし、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全性能もどんどん向上している。環境性能についても同様で、今どきのガソリン車はひと昔前のハイブリッドに匹敵するほどの燃費性能を実現していたりする。価格が上昇傾向にあるのは閉口するかもしれないが、最新が最良というのがクルマの基本的な進化の理解といえるだろう。

 とはいえ、最良に近づくほど失われてしまう魅力もある。電子制御がほとんどなかった時代のスポーツカーが持っていたスリリングな魅力、燃費なにそれおいしいのという時代が生んだ大食いのハイパワーユニット、そして定番が確立していなかった時代だから生まれたチャレンジングなパッケージング……。そうした現代ではあり得ない、独特のメカニズム的魅力を持つ1990年代のモデルを振り返ってみたい。

 1)ホンダS2000

 かつてF1マシンのエキゾーストノート(排気音)はミュージックと表現されていた時代があった。多気筒・自然吸気がレギュレーションで定められていた1990年代には各社が10~12気筒エンジンを開発、ストレートで奏でる高周波サウンドは、まさに音楽というべき酔いしれるものだった。現代のF1はターボとハイブリッドを組みわせたことで速さという点では、その時代のF1マシンを上まわるが音質については、1990年代がベストという声は少なくない。

 同じことは量産スポーツカーにおいても言える。たしかにパワフルだが、ターボチャージャーで過給したことでパワーを得ているモデルが多く、かつてのように高回転までカーンと回して楽しめるユニットは激減している。スーパースポーツであればランボルギーニの最後のV12という選択もありかもしれないが、一般庶民に手が届くスポーツカーで高回転が楽しめるエンジンは、まず見当たらない。

 その意味では1999年に誕生したホンダS2000というのは奇跡の名車であり、奇跡のエンジンを積んでいた。前期型(AP1)に搭載された「F20C」型はVTEC(可変バルブタイミング&リフト機構)を備えた直列4気筒エンジン。ボア×ストロークは87.0mm×84.0mmで総排気量は1997cc、最高出力250馬力を8300rpmで発生するというだけでも十分に高回転仕様といえた。

 5850rpmでハイカムに切り替わると、最大許容回転9000rpmまで一気に回る様は「エンジンのホンダ」と呼ぶのにふさわしい出来。9000rpm時のピストンスピードは25.2m/秒となり、これは当時のF1エンジン並みといわれたものだ。

 結果的に、このF20Cエンジンは前期型S2000だけにしか積まれなかった。ほかのモデルに横展開が難しいほどのスポーツカー専用エンジンだったのだ。

 燃費が極悪だろうが走らせるのが難しかろうが関係なかった!?

 2)マツダ・ユーノスコスモ

 そんな実質的な専用エンジンを与えられた90年代カーとして思い出すのは、マツダのフラッグシップクーペ「ユーノスコスモ」だ。上級グレードに搭載された20B型3ローターエンジンには大小のターボチャージャーを組み合わせたシーケンシャル過給システムが採用され、レシプロでいえば12気筒に相当すると評された3ローターの滑らかなパワーフィールをスポイルすることなくフラッグシップにふさわしいパワーを実現していた。

 そうしたスムースネスについては現在のパワートレインにおけるトレンドと重なる部分もあるが、一方で環境性能については完無視とさえいえるセッティングだったのも事実。さすがに2km/Lが当たり前というのは都市伝説としても、丁寧に乗っても10km/Lに達することはないレベルの燃費性能は2020年代には社会的に許されないかもしれない。

 その部分で改善が難しいエンジンだったことも、20B型3ローターエンジンがわずかな期間で消えてしまった理由だが、だからこそ今のクルマでは真似できない魅力を持っている。

 3)スズキ・カプチーノ

 話かわって90年代は軽自動車に2シータースポーツカーが突如として現れた時代でもあった。その中で、いまでも貴重なパッケージングといえるのがスズキ・カプチーノだ。その後、ミッドシップの軽スポーツは復活したが、FRの国産軽2シータースポーツという分類においてはカプチーノが最初で最後のままだ。

 クローズドからフルオープンまで4通りのルーフスタイルが楽しめるというアイディアもユニークだったが、あらためてカプチーノの走りを思い出せば、よくもまあ一般向けに販売したと思うほどスリリングだった。

 たしかに四輪独立サスペンションの出来はよかったが、それでも2060mmという超ショートホイールベース(当時のライバルとされたビートやAZ-1は2200mm以上だった)で、なおかつ一切の電子制御がないシャシーは腕を要求するもので、並みのドライバーであれば常に緊張を強いられるほど難易度の高いものだった。もっとも難易度だけでいえばAZ-1のほうが上だったかもしれないが……。

 そうはいってもオーバーステア・モードに入れることが厳禁(そのままスピンしてしまう)なAZ-1とは異なる、スリルを日常的に味わえるキャラだったのがカプチーノの特徴。けっしてペースアップしているつもりでなくとも気付けばわずかにカウンターを当てているなんていう走りを許容できるドライバーだけがカプチーノを楽しめた。電子制御が当たり前になってしまった現代では信じられないかもしれないが、うまく乗りこなしたときの満足感は、現代のスポーツカーでは味わえないものだったのも事実だ。

 4)トヨタエスティマ

 1990年代を代表する個性的モデルはスポーツカーだけに非ず。最後に「天才タマゴ」ことトヨタの初代エスティマを紹介したい。

 キャッチコピーはラウンドしたスタイリングに由来するもので、商用車ベースではないスライドドアのミニバンというジャンルのはしりとなった1台。さらに、エンジンをミッドシップに積むというパッケージングもユニークだった。

 基本はミッドシップの後輪駆動(四輪駆動もあった)。それゆえ高速道路での走行感覚は現在のミニバンとは完全に異なるものだった。とくに当時のライバルがいずれも商用車ベースのプラットフォーム由来だったこともあって初代エスティマの走りは際立っていたし、それはミニバン・カテゴリーへの期待値を上げる理由にもなったという印象がある。

 結果的に、その後は乗用車系FFプラットフォームを活用したミニバンがトヨタでも主流となり、ミニバン専用設計のミッドシップシャシーというのは初代エスティマだけとなった。ハンドリングに魅力を持つミニバンが一代限りで消滅してしまったのは残念だが、だからこそ現在のクルマにはない魅力を持つモデルとして自動車史に残り続けるだろう。

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