ポルシェ、クルマ作りのバランスが違う。

誤解があってはいけないから先に言うが、もはや今のポルシェは本来のポルシェではない。デキレースと言われたピエヒのVWアウディーに仕掛けた買収がVW法に引っ掛かり、ポルシェはVWアウディーに吸収された。ポルシェはランボルギーニベントレー同様、VWアウディーの操り人形として、命じられたクルマ作りをするだけの自動車メーカーに成り下がった。カイエンやマカンはツアレグやティグアンの皮替としてパナメーラとVWアウディーの工場で作られる。

ポルシェ本来のモデルとしての911にも、VWアウディーの毒が回りつつある。過大重量・過大寸法・過大装備・過大馬力に染まっている。フェラーリランボルギーニと明確に違うのは、クルマとしての多様性と走行性能のバランスだ。RRはリヤタイヤへのトラクションを保証し、2+2ながら短いホイールベースを安定して走らせる。996以降寝かされたフロントウインドウも、ドライバーの立てたポジションを妨げないよう配慮されている。

 

 

 

 

 

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フェラーリでもランボでもない! 成功者が「ポルシェ」を選べば間違いない理由
12/27(月) 6:20 Yahoo!ニュース
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スポーツカーでありながら実用性が高い
成功者の証として選ばれることも多いポルシェ
 ポルシェはなぜモテるのか。いまや成功者の証として選ばれることも多く、自動車雑誌で特集を組めばハズレなしと言われるほど支持者も多いこのドイツのブランドの人気の理由はなんなのか。

【写真】ポルシェ911 SC(930)のフロントスタイリング!

 僕もモータージャーナリストのはしくれなので、たまにポルシェに乗ることはあるが、欲しいと思ったことはない。そんな輩にポルシェを語る資格はないと思う人がいるかもしれないが、逆に業界内にも多いポルシェ好きの人たちより、冷静に見ることはできると自負している。

 しかもかつて弟がタイプ930の911SCに乗っていたし、カー・マガジンというヒストリックカーを扱う雑誌の編集部にいたので、空冷911については2リッターのSやカレラRS2.7を含めて場数は踏んでいて、オーナーの声も弟などを通して耳に入ってくる環境にあった。

 そのなかで今でも記憶に残っている言葉は、「ポルシェは腹が出ていても乗れる」というもの。カイエンが出る前の話だが、他のスポーツカーはフェラーリにしてもロータスにしてもペッタンコで、プックリ体型の人は乗り降りに苦労するが、ポルシェなら大丈夫というわけ。

 スポーツカーとしては実用性が高いことを的確に表現したエピソードだ。それならメルセデス・ベンツSクラスに乗ればいいじゃんと思うかもしれないけれど、オジサンになってもカッコよく見られたいというのは多くの人が抱く願望。一定以上の所得を持つ人にとって、ポルシェはその願望を楽に叶える存在だったのだ。

 カイエンが登場したことでその敷居はさらに低くなったわけだが、カイエンはさらに新しいユーザーも取り込んだ。スポーツカーには興味がないけれど金銭的には余裕があるファミリーたちだ。その時の話で印象的だったのは、彼らにとってポルシェとは911のことではなくカイエンを指すということ。

 理由はこちらもカッコよさ。たしかにカイエンやマカンは数あるSUVの中では顔つきが飛び抜けてスポーティだ。911顔とSUVボディをドッキングさせたスタイリングは、当初は奇妙にも感じたけれど、結果的には大当たりだった。

 2つのエピソードに共通するのは、カッコいいのに使いやすいということ。まずスポーツカーの911でこの相反する条件を両立させ、SUVが注目されるといち早くカイエンで回答を出した。多くの人がクルマに求める二大要素を高次元で両立しているからこそ、定番商品として君臨し続けていられるのだろう。
森口将之

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