巨人、年俸だけ高レベル。低レベルの正捕手争い!

小林や大城、とても金額に見合った選手ではない。そもそも、価値的に見合わない炭谷をFAで獲得した時点でカレを正捕手にしなくてはチーム方針的におかしいのに、巨人首脳陣はワザワザ競争させていた。それどころか、炭谷を干して挙げ句、他球団に出した。

競争自体も単なる成績だけの競争、リーディングやキャッチングやスローイングやフィールディングやカバーリングやバッティングにおいて、技術やインサイドワークらを全く競えていない。

炭谷や相川らが在籍した時期でも、カレらのキャッチングなどの技術を盗んだり学んだりする姿勢はなかった。1億カネもらっていて、ミットがピョコピョコ動くキャッチングをするなんて、他球団にはいない。

藤田や堀内が監督した時期はあったが、長嶋や王や原や高橋ではキチンとした捕手を育てる資質も人脈もなかった。挙げ句、捕手人材も山倉や村田や阿部らでは、全くダメだった。有田や中尾いても、ちゃんと伝えなかったろう。

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年俸1億「小林」、5500万「大城」、1600万「岸田」…巨人の来季“正捕手争い”はどうなる【柴田勲のセブンアイズ】
12/18(土) 17:00 Yahoo!ニュース
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内野手では最高額
 
来年は33歳になる巨人・小林誠司。底力を発揮できるか
 プロ野球の契約更改が佳境に入っている。巨人では主将の坂本勇人(33)が5年契約4年目となる来季へ1億円増の6億円(金額は推定)でサインし、NPB史上、内野手では最高額になったという。

 巨人だけではなく、あちらこちらで景気のいい話が飛び交っている。私の場合、2000本安打を達成した1980年で1800万円だった。いまと昔を単純に比較できないけどいい時代になったと思うね。

 V9時代を振り返ると、O(王貞治さん)N(長嶋茂雄さん)がセ・リーグだけではなく、球界をリードする高給取りだった、その次に続いたのが捕手の森(祇晶)さんだった。「V9の頭脳」といわれ、川上(哲治)さんの信頼が実に厚かった。

 ところで坂本が契約更改交渉に臨んだ日に大城卓三も1千万円増の5500万円(推定)でサインをしている。プロ4年目の今季は125試合に出場、打率.231、初の2ケタ本塁打(11本)を放ち37打点を挙げた。盗塁阻止率はリーグトップの.447だった。

 今季は正捕手の座をつかみかけたが、そこまでは至らなかった。私は大城をずっと使い続けてほしいと思っている。でも、ベンチの中から見るとリード面を含めていろいろ物足りない部分があるのだろう。

打撃が悪すぎる
 来季も巨人の捕手勢は大城に小林誠司、それに岸田行倫の三人が中心となる。小林は現状維持の1億円(推定)でサインをしている。19年オフに4年契約を結び今年が2年目だった。

 今季は64試合に出場し打率.093、1本塁打、3打点だった。打率が自分の身長(178センチ)の数字にも届かない。せめて2割以上はいきたいところだ。打撃が悪すぎる。

 では、小林の打撃が今後、向上するかといえば、打撃能力やパワーの面から難しいのではないか。結局、何度も今コラムで指摘してきたところだが、打者は甘い球を仕留めることが肝要だ。小林にも結構甘い球が来るが見逃しが多い。で、追い込まれては三振か凡退となる。来年は33歳、本人も課題をよくわかっているはずだが、厳しい。

 それでも小林には、今オフ海外FA権を封印したエース・菅野智之とのコンビネーションがある。エースが同年齢で気心の知れた小林を相棒に指名すればベンチはノーと言えない。受け入れる。エースが投げやすいようにしてやる。

 もちろん、評価されている面もある。今季は8、9回の出番が多かった。「抑え捕手」としてチアゴ・ビエイラらをリードしてきた。キャッチングにインサイドワーク、それに肩の強さもあっての起用だった。まだまだ出番はありそうだ。

「お前にもチャンスがあるぞ」
 この二人の刺激剤として期待されるのが岸田だろう。100万円増の年俸1600万円(推定)でサインした。今季は27試合に出場して打率.182、本塁打0、打点は2だった。同時に背番号が「38」から「27」へと変わった。楽天に移籍した炭谷銀仁朗が付けていた番号だが、巨人では前出の森さんが1955年から74年まで背負っていた。他球団でも多くの名捕手が背負っている。

 巨人は岸田に、「お前にもチャンスがあるぞ」と伝えている。これまで3番手捕手として「1軍ベンチ入り」を経験してきた。刺激剤以上の存在になることを期待している。

 私の推しである大城が正捕手の座をつかむためにはもっともっと打撃を磨くことだ。打率が2割5、6分で本塁打12本~15本、いや2割8分、15本以上打ったらまずは安泰だろう。阿部慎之助(現作戦コーチ兼ディフェンスチーフ)の最高年俸は6億円だったが、リード面はもちろん、あの打撃での素晴らしい実績があればこそだった。代えられることはなかったし必要もなかった。

仕事は「叱られ役」
 それにしても捕手の仕事は「叱られ役」だと思うね。投手が打たれると、「なぜ、あんなところに投げさせた」とか、「もっとうまくリードをしろっ」とか叱られる。森さんもよく川上さんに叱られていた。投手にも責任はあるのだが、投手は面と向かって叱りにくい。投手が叱られたシーンを見たことがない。だから「女房役」と言うのだろう。もっとも、森さんは右の耳から左の耳だったようだが。

 来季、巨人の捕手は大城が突き進むのか、小林が底力を発揮するのか、岸田の急成長があるのか。大いに注目だ。

 巨人のV9時代を投手として支えた倉田誠氏が亡くなった。私と同じ神奈川県の高校出身で2歳年下だった。最後に会ったのは義理の兄弟である高橋一三氏の葬儀(2015年)の場だった。77年にヤクルトに移籍し80年に引退して巨人のフロントに復帰した。非常にまじめで広報などを歴任した。巨人のOB会でも世話になった。後輩が亡くなるのはイヤだし寂しい。

 故人のご冥福を心からお祈りします。

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツ甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部
新潮社

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