モーストファンカー2021

モーストファンカー?単に、買うか買わないかを別として、運転して楽しいクルマを選んだってコト?

それで、ケイマンやコルベットが出る?3位にウラカン出すなら、488系や同等のクルマが並ばないとおかしくない?

このケイマン、モーストファンか?殆ど1.5tあるョ!初代や先代のケイマンならともかく、ドコに目を着けてるの?

こういうクルマ選ぶくらいなら、GT以外のマクラーレンを選んだ方がマトモな気がする。

過大装備⇒過大サイズ⇒過大重量⇒過大馬力⇒過大価格という、ダメスパイラルのクルマ作りから脱却できないのか?

 

 

 

 

 

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運転して楽しい輸入車「モーストファンカー2021」を選出!【後編 1位~3位】
運転して楽しい輸入車「モーストファンカー2021」を選出!【後編 1位~3位】
2022/01/03 12:00 Webモーターマガジン50

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この1年間に登場したインポートカーの中から、とくに運転の楽しさが印象に残ったクルマを、Motor Magazine執筆陣+Motor Magazine編集長が採点。「モーストファンカー
2021」を決定します。前編となる本記事では4~20位を紹介。(Motor Magazine 2022年1月号より/写真:永元秀和、小平
寛、井上雅行)

▶▶▶4~20位はこちらから

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

ノミネート総数84台+αの中から選んだドライビングが楽しいクルマたち
運転して楽しい輸入車を5台選ぶ。簡単なようだが、実はこれが難しい。なにせ、日本では毎年、イヤーモデルチェンジや一部改良を含め70~80車種を超える新型の輸入車が発売されるのだから。さらに、海外で現地発表されてから日本で発売されるまでに時間がかかることもあり、まずはノミネート車を決めるのが大変なのだ。

結果、選考委員に渡したノミネートリストには84台が並んだ。採点のしやすさを考慮して、たとえば911シリーズ(タルガ、ターボ、ターボS)などは1車種にまとめたので、ノミネート総数は厳密には90台を超えている。多忙な中、そこから5台を選んでいただいた選考委員のみなさんに、この場を借りてお礼申し上げたい。

さて、2020年の8月号で第1回を掲載してから1年半近くが経過してしまったが、今回、顕在化したのが電動車勢の躍進だ。アウディ eトロンGT、ポルシェ タイカン、そしてメルセデス・ベンツ EQAのBEV勢に加え、プジョー 508やフェラーリ SF90ストラダーレなどのPHEVもランクイン。急激に勢力を増している電動車はもはや身近な存在となりつつあり、新たなFUNの実現を求めて今後もさらなる進化を遂げていくはず。2021年は日本の自動車史におけるターニングポイントとして記憶に残るだろう。(編集部)

ノミネート車 と対象期間
2020年4月1日~2021年9月30日に国内で発表/発売され、かつ試乗の機会を与えられたインポートカーの中から、編集部が独断で選んだ84台(+α:シリーズ追加や年次改良を含む)をノミネート。試乗車の都合などで、2020年4月1日以前に発表・発売されたクルマの一部も対象としている。

選考方法
選考方法:選考委員は編集部がノミネートしたクルマのリスト(84台+α)から「運転して楽しい=ファン」と感じた5台を選出。さらに、1位は5点、2位は4点、3位は3点、4位は2点、5位は1点をそれぞれ配点してもらった。全員の点数を合計して「モーストファン2021」を決定する。

選考委員
選考委員:選考委員は、いつもMotor Magazine誌に執筆していただいているモータージャーナリストと本誌編集長の計10名。こもだきよし、河村康彦、大谷達也、渡辺敏史、石井昌道、島下泰久、岡本幸一郎、飯田裕子、竹岡圭の各氏(順不動・敬称略)と千葉知充(本誌)。

1位/27点 ポルシェ 718ケイマンGTS4.0/718ボクサーGTS4.0 操る楽しさならば現時点で最良の選択
NA6気筒の完成度の高さと極めつけのシャシバランス
栄えある第1位、つまりMotor magazineが選ぶモーストファンカー2021に輝いたのは、718ボクスター/ケイマンGTS4.0。満遍なく高得点を集めて、他車を引き離しました。グレードを限定した追加モデルにもかかわらず、この成績は立派です。それでは各氏のコメントを紹介しましょう。
*( )内は選考委員各位の投票順位です〈以下同〉。

その完成度に敬服。懐に深さも当代随一石井昌道
石井(1位):4気筒ターボではなく6気筒NAのボクサーは想像どおり、いやそれ以上にフィーリングが良かった。最高出力発生回転数は7000rpm、レブリミットは7800rpmで、回せば回すほどパワーがみなぎって、トップエンドで突き抜ける爽快感がある。とくに6速MTでこれを操るのは、至福の時だ。シャシ性能もさすがで、荒れた路面での対応力が高く、どんな時でもドライバーに自信を持たせてくれる懐の深さがある。思わず「参りました」と感服させられる一台である。

サーキットから日常使いまで一台で楽々こなせるー飯田裕子
飯田(1位):「やっぱりいいね、フラットのNAエンジン!」なんて心躍るドライビングフィールをボクスター/ケイマンで再び、しかもよりボリューム感(排気量アップ)を伴ってハンドリングと共に味わうことができる日がくるとは・・・。サーキットも走ってみたいけれど日常使いがメインで上質なエンジンを搭載する手頃なサイズのスポーツカーと過ごしたい、という方に超最適の一台です。

すべてが高次元でバランス。最高のファンカーだー河村康彦
河村(1位):「やっぱりNA6気筒でしょ!」のゴキゲンな心臓部に、大排気量化されても元来のバランスを失っていないシャシ。今のところ「これを差し置いてのファンカーはほかにないでしょ」と言いたくなるのがこのモデル。981型ケイマンSに乗る自分にとって、「次の目標(?)」がなくなりかけていたけれど、俄然気になる存在。これは後先を考えずに今このタイミングで「ポチって」しまうのが良いのか、それとも次期983型(?)を待つべきなのか。まぁ先立つモノがないけれど、妄想するだけならタダですから。

大谷(2位):私、さほど極端な自然吸気信奉者ではないものの、このエンジンの魅力はたまらない。ポルシェ水平対向気筒に特有の、いかにも精度が高そうで、恐ろしく緻密な回り方を完璧に再現している。レブリミットまで一直線に駆け上がっていくパワー感もさすがのひと言。そして、乗り心地とハンドリングのバランスが優れたシャシは、もうひとつの魅力。実はGTS登場の影で、気筒ターボ車の洗練度が急上昇していることも忘れられないポイントだ。

こもだ(2位):GTS4.0の6速MT車は、シフトレバーやハンドル/ペダル類を介さず、まるで手足がダイレクトにクルマを操っているかのような錯覚を覚える。アクセル、ブレーキ、ハンドル・・・それぞれのゲインは決して過敏ではなく、操作量に応じて反応するので扱いやすい。アクセルは踏み込みの深さでトルクの出方を、ブレーキも右足にかける圧力だけでコントロールできる。

渡辺(2位):一部銘柄を除いてターボ化されたポルシェのフラットエンジン、成果には納得するもそのフィーリングに一抹の寂しさを感じていたところに、突如登場した9A2ユニットに心を打たれた。9A1ベースのGT3系ほどヒリヒリしていなくてもいいんだけど・・・という普通のスポーツカー好きのマインドにドンピシャの味わい深さ。これ以上速いと洒落になんないから、というギリギリのところに抑えた強力なパフォーマンス。このエンジンの美味しさをオープンのボクスターで伸び伸び味わうのもいいが、願わくば911にも搭載してもらいたい。

ポルシェ718ケイマンGTS4.0 6速MT仕様 主要諸元
●全長×全幅×全高:4405×1801×1276mm(4390×1800×1270mm)
ホイールベース:2475mm
●車両重量:1405kg<1510kg>
●エンジン:対6 DOHC
●総排気量:3995cc
●最高出力:294kW(400ps)/7000rpm
●最大トルク:420Nm/5000-6500rpm<430Nm/5000rpm>
トランスミッション:6速MT<7速DCT>
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
WLTCモード燃費:9.2km/L<10.4km/L>
●タイヤサイズ:前235/35ZR20、後265/35ZR20
●車両価格(税込):1113万円<127万2000円>
<>内は718ボクスターGTS4.0 7速DCT仕様

2位/20点 シボレー コルベットコルベット コンバーチブル 想像を超越した進化に驚くばかり
MRなのに乗りやすい操縦性。所有欲がわくー島下泰久
島下(1位):楽しみにしていたミッドシップコルベットの走りは期待を大きく上回った。嬉しかったのはV8のOHVユニットが独特のフィーリングをもたらすだけでなく、その重心の低さでミッドシップとしては例外的な操りやすさにつながっていること。伝統が、単なる物語性ではなくちゃんと意味を持っているということに、昂揚したのだ。自分にとっても初めてぜひ所有してみたいと思わせた、素晴らしくファンなコルベットの登場である。

ハンドリングや高速巡航性能。心が満たされる一台ー渡辺敏史
渡辺(1位):FRからMRへ。一見過去を振り切った歴史的方針転換も、実は半世紀以上にわたる悲願であり、世界に相まみえて勝つための必然でもあった。それでも最新のアルミスペースフレームシャシの背後に収まるのは自然吸気のV8 OHV。パンテーラ以来かというこの稀有な組み合わせが織りなす懐深いハンドリングや心が豊かに満たされる高速巡航性能を知ると、フラットプレーンのV8 DOHCを積む新しいZ06もそれほど羨ましくはならない。

岡本(2位):MRになって個人的にはちょっと残念な気持ちもあったのだが、乗ると理屈抜きで気分が高揚する。大排気量の自然吸気に勝るものなしだと改めて実感するし、その上、扱いやすくて抜群にトラクションが高く、誰でもMRらしいハンドリングを堪能できる味付け。ちゃんと仕上げるのは簡単ではないMRを、いきなりこの完成度で出してきたGMの底力に感心した。

石井(3位):ミッドシップ化が話題となった新型コルベットだが進化の幅は大きく、とてつもない実力とドライビングプレジャーをもった1台だ。人気も高く、リーズナブルな価格でもビジネスになっているし、今後はHEVやBEVなどの電動化への道を視野に入れているからこそ、重くなってもバランスのいいミッドシップを採用したという戦略にも思慮深さがうかがえる。未来へも希望を持たせてくれる。

こもだ(4位):エクステリアとコクピットのデザイン、エンジンサウンドなど、走りの側面の演出技術が凄いと思ったら、実際に走り出すとそのホンモノ感に驚かされる。コルベットといえば初代から先代までフロントエンジンだったが、新型はフルモデルチェンジで完全なるミッドシップにエンジンを搭載して、さらに走りを追求してきた。このパワーでも4輪駆動にせず後輪駆動を守っているから、強烈な加速を試そうとするとドライバーの腕が要求される。

シボレー コルベット2LT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1940×1220mm
ホイールベース:2725mm
●車両重量:1670kg
●エンジン:V8 OHV
●総排気量:6153cc
●最高出力:369kW(502ps)/6450rpm
●最大トルク:637Nm/5150rpm
トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
WLTCモード燃費:-
●タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30ZR20
●車両価格(税込):1180万円

3位/15点ランボルギーニラカンSTO 電動デバイスが付かない最後のウラカン
RWDでもここまでできるV10搭載の完成形ー大谷達也
大谷(1位):富士スピードウェイで試乗したウラカンSTOが忘れられない。ハンドリングは軽快なのに、リアタイヤがスライドし始めてからも一定のトラクションが得られ、しかもコントロールする余地を残しておいてくれる。これをRWDで実現するのは並大抵のことではない。ウラカンならではの車両バランスの良さ、そして緻密な電子制御の「たまもの」と見た。自然吸気V10エンジンの突き抜けるような吹き上がり感とサウンドの魅力にも抗しがたい。

レーシングカーに匹敵するコーナリングー岡本幸一郎
岡本(1位):とにかくすべてがインパクトのカタマリ!640hpで565Nmを発揮する5.2LのV10の刺激的な音と加速はいうまでもないとして、俊敏で正確無比なハンドリングはレーシングカー由来のロードゴーイングカーとして四輪操舵と空力と軽量化を極めた賜物。富士スピードウェイで乗ったのだが、自分の運転でこんなに高いコーナリングスピードを体験したのは初めて。GT3あたりの完成度の高いレーシングカーというのは、きっとこういう感じなんだろう。

渡辺(3位):昨今、心のどこかで内燃機の終活を考えなければならないという気持ちは多くのクルマ好きが抱いていることと思う。前述2モデルもそういう想いに存分に応えてくれると思いつつ、内燃機の官能性を徹頭徹尾、全身で体験させてくれるパッケージとして、今推せる究極の1台はこれかもしれない。振り切れたロードゴーイングレーサーを飼うという快感のみならず、ブン回すほどに強烈な妖気を放つエンジンが載っているというところもポイントだ。

千葉(4位):ランボルギーニのロードマップによれば今後、数年で電動化モデルが続々と投入される。あの素晴らしいVエンジンを搭載する新型車が出ないことは寂しいかぎりだ。そしてこのウラカンSTOが自然吸気エンジン搭載のファイナルモデルであるとランボルギーニは言っているが、乗ってみると、最後を飾るに相応しい、実に素晴らしいスーパーカーであった。これは、後世に残したい1台である。

ランボルギーニラカンSTO 主要諸元
●全長×全幅×全高:4547×1945×1220mm
ホイールベース:2620mm
●車両重量(乾燥):1339kg
●エンジン:V10 DOHC
●総排気量:5204cc
●最高出力:470kW(640ps)/8000rpm
●最大トルク:565Nm/6500rpm
トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTPモード燃費:7.2km/L
●タイヤサイズ:前245/30R20、後305/30R20
●車両価格(税込):4125万円

[ アルバム : Motor Magazine筆者陣が選ぶ「モーストファンカー2021」 後編:1位~3位 はオリジナルサイトでご覧ください ]

運転して楽しい輸入車「モーストファンカー2021」を選出!【前編 4位~20位】
2022/01/02 12:00 Webモーターマガジン9

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この1年間に登場したインポートカーの中から、とくに運転の楽しさが印象に残ったクルマを、Motor Magazine執筆陣+Motor Magazine編集長が採点。「モーストファンカー 2021」を決定します。前編となる本記事では4~20位を紹介。(Motor Magazine 2022年1月号より/写真:永元秀和、小平 寛、井上雅行)

ノミネート総数84台+αの中から選んだドライビングが楽しいクルマたち
運転して楽しい輸入車を5台選ぶ。簡単なようだが、実はこれが難しい。なにせ、日本では毎年、イヤーモデルチェンジや一部改良を含め70~80車種を超える新型の輸入車が発売されるのだから。さらに、海外で現地発表されてから日本で発売されるまでに時間がかかることもあり、まずはノミネート車を決めるのが大変なのだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

結果、選考委員に渡したノミネートリストには84台が並んだ。採点のしやすさを考慮して、たとえば911シリーズ(タルガ、ターボ、ターボS)などは1車種にまとめたので、ノミネート総数は厳密には90台を超えている。多忙な中、そこから5台を選んでいただいた選考委員のみなさんに、この場を借りてお礼申し上げたい。

さて、2020年の8月号で第1回を掲載してから1年半近くが経過してしまったが、今回、顕在化したのが電動車勢の躍進だ。アウディ eトロンGT、ポルシェ タイカン、そしてメルセデス・ベンツ EQAのBEV勢に加え、プジョー 508やフェラーリ SF90ストラダーレなどのPHEVもランクイン。急激に勢力を増している電動車はもはや身近な存在となりつつあり、新たなFUNの実現を求めて今後もさらなる進化を遂げていくはず。2021年は日本の自動車史におけるターニングポイントとして記憶に残るだろう。(編集部)

ノミネート車 と対象期間
2020年4月1日~2021年9月30日に国内で発表/発売され、かつ試乗の機会を与えられたインポートカーの中から、編集部が独断で選んだ84台(+α:シリーズ追加や年次改良を含む)をノミネート。試乗車の都合などで、2020年4月1日以前に発表・発売されたクルマの一部も対象としている。

選考方法
選考方法:選考委員は編集部がノミネートしたクルマのリスト(84台+α)から「運転して楽しい=ファン」と感じた5台を選出。さらに、1位は5点、2位は4点、3位は3点、4位は2点、5位は1点をそれぞれ配点してもらった。全員の点数を合計して「モーストファン2021」を決定する。

選考委員
選考委員:選考委員は、いつもMotor Magazine誌に執筆していただいているモータージャーナリストと本誌編集長の計10名。こもだきよし、河村康彦、大谷達也、渡辺敏史、石井昌道、島下泰久、岡本幸一郎、飯田裕子、竹岡圭の各氏(順不動・敬称略)と千葉知充(本誌)。

4位/13点 ポルシェ911シリーズ(911タルガ/911ターボ/911ターボS)
止まらない進化を前に最新最良を実感 ーこもだきよし
こもだ(1位):911はいつの時代のモデルでもファンだが、そのベースにあるのはボディ剛性の高さだ。最新のモデルではさらに剛性がアップしており、わずかな舵角から正確な反応があるし、ボディの振動が残ることもない。サスのストロークもたっぷりとあって乗り心地も良い。強大な出力のエンジンを乗せているにも関わらず、だ。さらにリアエンジンレイアウトによる独特の前後重量配分による回頭性の良さとトラクションの高さがドライビングの楽しさを倍増させる。

島下(2位):911ターボSは当然速い。凄まじく速いのだが、それだけで驚いたわけではない。その速さにはポルシェらしい密度感、凝縮感、精度感がギュッと凝縮されていて、アクセルペダルひと踏みだけで圧倒してくるのだ。速さとその質、深みでポルシェは、周囲を取り囲むライバルたちに誰が王者なのか改めて知らしめようとしている。そんな気がした。一方、911ターボはぐっとラグジュアリー感があって快適。単なるパワー違いじゃなく、キャラもしっかり分けられているのが見事である。

千葉(2位):2021年、タイプ992の911シリーズに新たに加わったタルガは、街中ではまるでスポーツカーらしくないコンフォートな乗り心地を見せたと思えば、ワインディングロードでは刺激的なハンドリングが味わえるというまさにマルチな1台だった。そしてつい先日乗った911GTSにも驚かされた。試乗車は、7速MT仕様でクルマを走らせる愉しさ、操る歓びがとても強かった。GT3を除けば、911シリーズの中でマニュアルトランスミッション搭載を選ぶなら、コレ一択となる。

5位/10点 アウディe-トロンGTクワトロ/RS e-トロンGT
充電するのもまた楽しい。アウディらしさも不変 ー千葉知充
千葉(1位):BEVは長距離を走るのが苦手だとされているが本当にそうだろうか。それを確かめるため、新しいBEVに乗る機会ができると、ついロングドライブに行きたくなり、e-トロン GTクワトロとRS e-トロン GTの2台で今回(本誌P32)も1200kmほど走った。充電は10回はしただろう。しかし、そのどれもがまったく苦痛ではなかった。気になったのは、ポルシェタイカンとの差別化。つまりアウディらしさはあるのか、である。しかしe-トロン GTクワトロは運転席に座った瞬間からアウディそのものであった。

大谷(3位):これが新時代のグランドツアラーであることは、乗ればたちどころにして気付く。クルマ全体が驚くほどソリッドで、しかも傑出した低重心設計が施されているため、走行に伴う雑味感が皆無で、これまでなかったピュアなフィーリングを味わえる。乗り心地の滑らかなことは信じられないほど。BEVらしい静けさに包まれたキャビンで寛いでいると、未来が「いま、ここにある」と確信するはず。強烈極まりない加速感については「言わずもがな」だ。

島下(4位):勝手に想像していたのは、ポルシェ タイカンとそう変わらない乗り味。けれど実際には、スポーツカーのタイカンに対してラグジュアリースポーツのe-トロン GTと、見事に作り分けられていた。BEVの旨味を活かした加速感、ドライバビリティ、質の高いスポーツ性を感じさせるフットワークに乗り心地はグランドツーリングカーとして珠玉の仕上がり。美しいデザインも含めて、まさにBEVだからこそ実現できた濃密なアウディらしさが、そこにはある。

5位/10点 ルノー メガーヌR.S.
FFでこのハンドリング。アンダー500万円は驚異だ
河村(3位):エンジンは文句なくパワフルでレスポンスに優れるし、FF車ながらサーキットでの限界走行時にもアンダー知らずで4コントロール(4WS)を生かしたハンドリングにも感激。

飯田(3位):たまらなくワインディングロードが恋しくなるヤツ。連続するコーナーの数は多いほど嬉しい。いつものコーナーの道幅が広く感じられるほどスイスイ、クルクルっ!

大谷(4位):「たかがCセグメントのスポーツハッチ」と舐めてはいけない。4HCCによるしなやかな足まわりとロードホールディングの確かさは、スーパースポーツと肩を並べるほど。

石井(5位):ニュルのFF最速タイムを狙うモデルとして注目を集めがちだが、生活をともにするスポーツモデルとしての価値が高い。4コントロールの利点は、ハイレベルな操縦性を、サスペンションをあまり硬くしないで実現できることにもある。

岡本(5位):FFでも突き詰めるとここまでできることを思い知らされた。300psにパワーアップした最新版は、よりレスポンスと力強さに磨きがかかっている。4WSも効いてハンドリングも痛快そのもの。タイトなコーナーほどそのありがたみを実感する。

7位/9点 BMW M2
伝統のBMWらしさを味わうなら最適の一台
石井(2位):M3/M4は、いまやパフォーマンスが高くなりすぎてストリートで楽しむにはトゥーマッチになってきている。サーキットに行かなければ存分に性能を引き出せない。その点、M2はほど良いサイズとパフォーマンスで、デイリーでいい汗をかける。

河村(2位):走り出した瞬間にこれほど色濃い「人とクルマの一体感」を味わわせてくれるモデルはほかになし。直列6気筒エンジンやFRレイアウトなどを次々と失っているブランドだが、それらが単なる記号ではなかったことを、M2は改めて教えてくれる。

渡辺(5位):20世紀の延長にあるオーセンティックなBMWを懐かしむなら、これに勝る選択肢はないと思える。素晴らしいエンジンもさておき、BMWらしいアジリティも持ち合わせている。実用性も含めて、一生をこれ一台でいっちゃってもいいかと思えるほど。

8位/7点 ランドローバー ディフェンダー
ワクワクする「夢」が見られるファンな一台
飯田(2位):スポーツ性の高さとは対局にある「ファン」がココにあります。アナログとデジタル、クラシックとモダンの絶妙な融合が心地良い。特別な場所ではそのテクノロジーを発揮するも、日常では万人に優しい。カントリーとアーバン、日常と非日常(趣味)を心地良く頼もしく繋いでくれること間違いなしです。

竹岡(3位):世紀を跨いで2代目登場。それだけでもう、ロマンを感じちゃいます。先代モデルのモチーフをなんとなく感じさせつつも、イマドキのクルマに仕上がっているのだけれど、高性能な運動性能と乗り味を含めて本当に嫌味がありません。もう少しコンパクトなら本気で欲しいと思っている方、たくさんいらっしゃると思います。ディフェンダーなら行けないところはない、という気持ちにさせてくれる、壮大な夢が見られそうです。

9位/6点 BMW M3/M4
Mはかくあるべしという理想的存在
こもだ(3位):ファンの源泉はS58B30型と呼ばれるM社製の3L直列6気筒エンジンだ。高回転域はもちろん、2000~3000rpm程度でも気持ち良く走ることができる。アクセルペダルのゲインは多少高めだが、深く踏み込めばそれに比例した力を発揮して、ちょっと走り込めば慣れる。こうなれば低回転でも高回転でも意のままに操ることができるだろう。

岡本(3位):Mはこうであって欲しい、という理想そのもの。技術の粋を集めて開発された新しい直6はまさに“絶品”。従来型でもやっぱり直6のツインターボは美味だと感じていたが、新型はより高回転でのキレが増した印象で、ドラマチックな吹け上がりにホレボレする。究極の直6といっても過言ではない。FRを極めたハンドリングも、俊敏かつ何でも許してくれそうな懐の深さを感じる。

9位/6点 MINI3ドア/5ドア/クラブマンコンバーチブル
デザインだけでなく走りも本格的
飯田(2位):普通のミニはちょっと乗り心地が硬いかな~と敬遠気味だった私が、ある日の取材で出会ったのがJCW「コンバーチブル」。骨太なゴーカートフィーリングに威勢のいいエンジン。それを少し肩の力が抜けた柔軟なハンドリングでオープンドライブを気持ち良く楽しめた瞬間、「コレだ!」と実感。

竹岡(2位):いつの時代もどんな時代も、見ても乗っても楽しいクルマの代表選手と言えるのではないでしょうか? MINIの佇まいを見て、自分には可愛すぎるかな? という人はいても、キライという人には、いまだかつてお目にかかったことがありません。それくらい唯一無二の誰にでも愛されるキャラクターなんです。でも単なるファニーカーではなく、走りは本格派。ステージによっては、大排気量のクルマを追い回せるファンなマシンです。

9位/6点 シトロエン ベルランゴ
この想定外がモーストファン-竹岡圭
竹岡(1位):ユニークなエクステリアからして、期待が膨らみます。それを裏切らないユーティリティ。あんなところにも、こんなところにもポケットエリアがありすぎて、どこに何を収納したか忘れそうですが。どうやって使おうかなぁ~と、ワクワクがあふれてくるところ、つまり乗る前から楽しいモーストファンなクルマだと思います。電車の網棚のようにヒョイと載せられる、半透明の頭上の棚なんて、普通は思いつかないもんネ(笑)。

河村(5位):自分でも「これが5位に入るとは」とビックリ。「ル・マン24時間レース参戦マシンで培ったテクノロジーを採用」と伝えられるディーゼルエンジンアイシンAW製の最新8速ATの組み合わせは予想と期待よりはるかにパワフルだし、雨のタイトな山岳路をがんがん行けちゃう操縦性も驚きの感涙モノ。この「想定外」な走りこそが最大の魅力。

12位/5点 ポルシェ タイカ
BEVの特性を活かした究極の一体感
河村(4位):911よりもボディコントロール性能が上じゃない? 高速走行のフラット感はこれまでに経験したどんなクルマよりも高く、コーナリング時の圧倒的な低重心感も同様。4WDのハイパワーBEVがみせる怒涛の発進加速にはもう慣れたが、タイカンは突出したシャシ能力がアッパレ!

岡本(4位):BEVになってもポルシェそのもの。隙のない緻密な乗り味は、他のポルシェ車に通じる。そこにBEVならではのダイレクトなアクセルレスポンスが合体した走りはすべてに隙がなく、究極の一体感がある。

竹岡(5位): BEVでしか味わえない乗り味の愉しさってあると思います。重心の低さ、乗り味と乗り心地の両立、ダイレクトな動き、静粛性の高さ、振動の少なさ・・・そうやって挙げていくと、スポーツカーこそBEVの特性が生かせるシーンが多かったりするんですよね。

13位/3点 プジョー508
フラッグシップならではの充実装備
千葉(3位): パワーオブチョイスを謳うプジョー。そのラインナップからはBEVもPHEVもディーゼルもガソリンも選べるのだが、その中のフラッグシップとなるのが508である。中でも2021年に追加されたPHEVのGTは、508の魅力をさらに増幅させている。そもそもこのクラスの中で508のデザインは、4ドアクーペもSWも大好きだ。さらに充実したADASや快適装備などの充実ぶりは誰にでも自信をもって勧めることができる。プジョーSUV系が充実しているが、508シリーズも試す価値がある。

13位/3点 フォルクスワーゲン ゴルフ
抜群のコストパフォーマンスにも注目
島下(3位):「手元を温める」のような項目を選ぶだけで空調を最適に整えるスマートクライメート機能や、画像上で欲しい機能をオン/オフできる運転支援装備といった使い勝手の部分から、ゴルフはクルマの新しい歓びを実感させてくれる。走りも素晴らしい。驚くほどソフトな脚は山道ではあきれるほどの接地性の高さとコントロール性の良さを発揮。マイルドハイブリッド化された1.0LのeTSIユニットのドライバビリティ、燃費にも感心させられた。しかも日本仕様の価格が安い!

15位/2点 ベントレー ベンテイガ
モーターでも走る新時代のベントレー
飯田(5位):ボディの隅々にまで気品漂う華やかさを、クラフトマンシップが宿る最新の内外装で表現。街中から山岳路にいたる道程で味わう6LのW12ターボエンジン、エアサスペンション+ベントレーダイナミックライドは偽りなく無敵、かつ優しい。

千葉(5位):初の改良が施されたが、どこから見てもベンテイガだ。追加されたハイブリッドは、ことさら電動化をアピールすることがないのも好印象だ。

15位/2点 フェラーリSF90
電動化第一弾の衝撃的な旋回性能
渡辺(4位):未来の扉を開くドライビングファンのショーケースたる一台。コーナーのインへとグイグイ引きずり込んでいく前輪モーターベクタリングの応答性をどのように走りに活かしていくか、思考性の高いスポーツドライビングの探求という一面もある。1000psの速さは走り慣れた山坂道のコーナーからコーナーへの距離を2割くらいは縮めるような感覚。返す返すもホンダNSXの登場は早すぎた!

15位/2点 フェラーリ ローマ
高貴ささえ漂う優雅なフェラーリ
石井(4位):クラシック フェラーリのエッセンスをもつローマ。エアベントや派手なウイング類などが目立つレースシーンとの直結感のあるモデルもいいが、高貴な雰囲気のあるローマはまったくの別世界で憧れを抱いてしまう。最近は、スポーツカーなのに乗り心地のいいモデルが増えているが、ローマは次元が違うほどでこの上なく快適。いつも目を三角にして攻めて走る自分が恥ずかしくなる。

15位/2点 メルセデスEQ EQA
これもまた楽しい「D AUTO」モード
竹岡(4位):BEVがジワジワと増えるにつれ、時代の波を感じずにはいられませんが、そんな中にあってEQAの「D AUTO」モードは本当に便利で楽しかったです。街中で使える簡易的ACCみたいなものですが、いちいち設定もしなくていいから本当に使いやすい。他のクルマにはほとんど採用されていませんが、毎日に役立つ新装備をユニークな発想で盛り込んでくるところにファンを感じますね。

19位/1点 メルセデス・ベンツ Sクラス
らしさは残せど、意外や軽快感が増す
島下(5位):重厚長大なイメージが強いSクラスだが、近年はスタイリッシュ、先進感、走りの歓びという要素が強まってきた。その要因は、日本はさておき世界的に見てユーザー層が若返ってきていることなのだが、それが私にとってSクラスとの距離を近づけることになっていると感じる。メルセデス・ベンツらしさに軽快感を増してきて、その小気味良さがまさしくファンと感じられるのだ。

19位/1点 ロールス・ロイス ゴースト
見た目の印象からは想像できない操縦性
こもだ(5位):2.5トンを超える車重にもかかわらず山道では小型スポーツカー並みに軽快だ。どうしてこんなに良く曲がるのか、なぜ重量に負けてカーブの外に膨らまないのか、重さを感じることなく止めてくれるブレーキの効きも不思議だ。大きく重そうなタイヤを履くが、バネ下のブルブル感がないから乗り心地もすこぶる良好。前輪アッパーアームの震えを抑える小さなウレタンの効果らしい。

▶▶▶上位3台は1月3日に公開

[ アルバム : Motor Magazine筆者陣が選ぶ「モーストファンカー2021」 前編:4位~20位 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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