市販車エンジンの向上した80年代

シルエットフォーミュラーと言われたグループ5や、グループ6のプロトタイプのレーシングカーは、70年代でターボなら2リッター4気筒で500馬力オーバー、3リッター6気筒で700馬力オーバーしていたし、80年代のターボならF1で1.5リッター6気筒で1,500馬力オーバーしていた。以後、レーシングカーに於いてはレギュレーションにより、パワー制限されている。よって、参加メーカーを中心に、馬力の最大値よりも扱いやすさ=ドライバビリティーを重視した開発がされ、それらが年月を経て市販車に反映されるようになって行く。

70年代終わりで、ニッサンスカイラインRSインタークーラーターボCが205馬力、リッター当たり100馬力を超した。吸気系もキャブレター⇒電子制御キャブレター⇒フュエルインジェクションに変わり、ターボラグの改善を進めていた。S12シルビアRSは、そのR30スカイラインRSとFJ20エンジンを共用していた。マイナーチェンジでは、FJ20エンジンをCA18に換えた。

80年代は、それらを引き継ぎ、5ナンバー枠は2リッター4気筒/6気筒ターボを頂点、一部車種に於いては3リッター6気筒ターボが設定された。ニッサン・シーマが3リッターV6ターボで255馬力出すと、トヨタスープラ3.0ターボAが270馬力出し、ソコにニッサンスカイラインGT-Rが280馬力と応酬したところで、運輸省がカタログ表示規制値として280馬力を提示した。元々、日本やドイツの製品管理は、カタログ表示値以上を示す。アメリカやイタリアやフランスやイギリスらは、カタログ表示値は計算値や目標値だったりする。

以後、30年近く、350馬力あっても285馬力あっても280馬力と表示されていた。

********************************

性能向上著しい1980年代にデビュー! 過渡期だったけど魅力あふれる高性能車3選
1/24(月) 6:10 Yahoo!ニュース
 9

1980年代に登場した発展途上の高性能車を振り返る
 1970年代に日本では排出ガス規制の強化によって、高性能車は消えるかパワーダウンを余儀なくされました。しかし、排出ガス規制への対応が一段落した1979年に、日産は日本初のターボエンジン車「430型 セドリック/グロリア」を発売し、すぐにターボ車の拡大を開始。

【画像】1980年代の高性能車ってやっぱカッコイイ! 性能的に過渡期ながら魅力的な車を見る(21枚)

 
1980年代に登場し、性能的にはまだまだ発展途上ながら魅力的な高性能車たち
 そして、1980年代になるとDOHCエンジンも増え始め、さらにDOHC+ターボというベストな組み合わせの高性能エンジンも登場し、メーカー間のパワー競争が激化して、国産車の高性能化が一気に加速しました。

 そんな時代に発売された高性能モデルのなかには、まだまだ性能的に過渡期だったものの大いに魅力的なモデルも存在。

 そこで、1980年代に登場し、発展途上ながら注目された高性能を3車ピックアップして紹介します。

マツダ「ファミリア GT-X」

 
国産高性能フルタイム4WD車の先駆者でありラリーでも活躍した「ファミリア GT-X」
 現在、ハイスペックモデルのパワートレインで欠かせないのが、DOHCターボエンジン+フルタイム4WDという組み合わせで、その先駆けとなったのが1985年に発売されたマツダ「ファミリア GT-X」です。

 ファミリア GT-Xは6代目ファミリアの高性能グレードとして登場し、国産乗用車では初となるフルタイム4WDシステムを採用しました。

 エンジンは最高出力140馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCターボで、駆動方式は遊星ギア式のセンターデフを用いたフルタイム4WDシステムを搭載し、トランスミッションは5速MTのみの設定でした。

 ハイパワーなターボエンジンと4WDの組み合わせによって、加速性能は2WDの2リッターターボ車を凌駕し、走り好きの若者を中心に人気を集めました。

 ファミリア GT-Xは、市販車をベースにしたマシンで戦われるラリーへの本格参戦を視野に入れて開発され、悪路の走行にも適した車高調整機能を備えるなど、あらゆる路面で高い走行性能を発揮。

 実際に国内外のラリーで活躍したことで、ファミリアのブランドイメージ向上にも貢献しました。

●ホンダ「クイントインテグラ

 
シャープなフォルムのボディと全車DOHCエンジンが話題となった「クイントインテグラ
 ホンダは1984年に、3代目「シビック」と「バラードスポーツ CR-X」のマイナーチェンジを期に、「S800」以来となるDOHCエンジンを搭載。

 ホンダ車の高性能グレード=DOHCエンジンというイメージを確立しました。

 そして1985年には、全グレードともDOHCエンジン搭載した3ドアハッチバッククーペの「クイントインテグラ」が誕生。

 クイントインテグラは車格的にはシビックと「アコード」に間に位置し、外観はリトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズと低いボンネットが特徴で、リアではサイドに回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用したシャープなウェッジシェイプとなっていました。

 なお、クーペが発売された同年には5ドアハッチバック(全車DOHC)が加わり、翌1996年には4ドアセダン(DOHCとSOHC)も登場。3タイプともデザインコンセプトは共通で、いずれもスポーティなフォルムでした。

 トップグレードに搭載された1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」はシビック Siと共通で、電子制御燃料噴射装置を備えて最高出力120馬力を誇りました。

 このZC型はピストンのストローク量を比較的長くしたロングストロークの設計で、高回転型ながら優れたドライバビリティを発揮しました

 クイントインテグラシビック/バラードスポーツ CR-Xとは性格が異なるスポーツモデルとして人気を博し、1989年に発売された2代目では車名が「インテグラ」へ変わるとともに、ホンダ初のVTECエンジンを搭載してFFスポーツカーとしての地位を盤石にしました。

●日産「S12型 シルビア」

 
高性能化が一気に進み後の「S13型」登場への布石にもなった「S12型 シルビア」
 往年の日産製スポーツカー「シルビア」といえば、1988年に登場して空前のヒット作となった5代目の「S13型」が代表的な存在といえます。

 一方、性能的に一気に向上を果たし、FRスポーツカーとしてのポテンシャルを大いに高めたのは、4代目の「S12型」でした。

 1984年にデビューしたS12型は、先代の角型4灯ヘッドライトからスポーツカーではトレンドだったリトラクタブルヘッドライトを採用し、ボディも完全なウェッジシェイプへと一新されました。

 ボディタイプはクーペとハッチバックの2タイプで、販売チャネルの異なる兄弟車の「ガゼール」も先代から継承。

 エンジンは新開発の1.8リッター直列4気筒SOHC自然吸気とターボに加え、2リッター4気筒DOHC自然吸気の「FJ20E型」、そしてトップグレードには最高出力190馬力(グロス)を誇るDOHCターボの「FJ20ET型」が搭載されました。

 足まわりはフロントにストラット、リアはセミトレーリングアームを採用したシリーズ初の4輪独立懸架となり、運動性能の向上が図られました。

 その後、FJ型エンジンが廃止となり、トップグレードは1.8リッターDOHCの「CA18DET型」エンジンへとスイッチ。

 S12型はヒットには恵まれませんでしたが、エンジンラインナップや足まわりの進化など、S13型誕生への技術的な布石となりました。

※ ※ ※

 今や高性能車では、2リッターエンジンで300馬力以上、3リッターエンジンで400馬力上が当たり前の時代です。

 それほどのハイパワーでも余すこと無く路面に伝えることが可能で、さらに車体側の電子制御化によって、安全にスポーツ走行が楽しめます。

 しかし、2020年代は確実に電動化が加速しますから、これ以上エンジンのパワーアップはメーカーの方針の上、難しいかもしれません。
くるまのニュース編集部

********************************