メルセデス300SL、そんなモノか?

メルセデス300SL、鉄ボディーは1,400台近く、アルミボディーは30台近く。アルミボディーが鉄ボディーの3倍の価値?正気か?現存比率も同じなら、原価としてフツ~に考えて、アルミは鉄の50倍近い価値であってもおかしくない。

鉄とアルミでは、単なる材料置換ではダメで、構造も変えないと剛性のレース向け維持向上はデキない。それは、鉄⇔アルミだけでなく、カーボンであっても相応しいコンストラクションが必要だ。もっとも、昔はソコまでノウハウなかったかも知れないから、図面そのまんまで材料置換してたのかも知れない。

ただ、アルミの方がイオン化傾向が高く、腐食が進む。大事に保存できる環境にないと、早く悪くなる。

************************************

およそ8億円!! フェラーリに対抗した「300SLガルウイング」はどうして通常モデルの3倍もの値段なのか
2/8(火) 12:10 Yahoo!ニュース
 16
フェラーリやアストンに負けないために作られた特別な「300SL」とは
 RMサザビーズが、アメリカのアリゾナ州フェニックスで開催していた「アリゾナ・オークション」が、大盛況のもとで終了した。同社によれば、その成約率は95%。総落札額は4330万ドル(約49億9988万円)に達したという。

【画像】美しすぎるガルウイングドアの「300SL」を見る(27枚)

 
スチール・ボディに比べ、およそ3倍もの落札価格となったアルミ・ボディのメルセデス・ベンツ「300SL」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
●90kg以上ダイエットした「300SL」

 その中でトップセールスを記録したのは、1955年式のメルセデス・ベンツ「300SLクーペ・ガルウイング」。

 1371台が生産されたというスチール製ボディの300SLクーペとは異なり、アルミニウム製ボディを持つ今回の出品車は、さらにフロントガラス以外のウインドウにすべてプレキシグラスを採用するなど、レース参戦のために徹底的な改良を施したもの。

 その結果メルセデス・ベンツによれば、94.8kgの軽量化に成功したとされる。これによってアストマーティン「DBS3」やマセラティ「A6GCS」、あるいはフェラーリ「750モンツァ」や「250GT」などとのライバルに、300SLクーペは対決できるようになったのだ。

 軽量化に伴って、サスペンションも専用のスプリングとショックアブソーバーを備えるものへと改められ、ラッジ製のセンターロックホイールとベント付きのフロントブレーキドラムも標準装備された。

 一方エンジンは、競技用のカムシャフト、圧縮比の向上、独自のバタフライバルブ等々などを採用し、さらに高性能化したNSLエンジンを搭載し、最高出力で215psを超える性能を発揮。

 そして1955年、メルセデス・ベンツはこのアルミ・ボディ仕様の300SLクーペの生産を開始。1955年に24台、翌1956年には5台がプライベーターのカスタマーのもとへと出荷されたという。

新車「SL」1台分以上の値段でレストアされたガルウイングとは
 今回RMサザビーズアリゾナ・オークションに姿を現したアルミ・ボディの300SLクーペは、24台の1955年式の中の1台で、13番目に生産されたモデルであることが確認されている。

 
アルミ・ボディの「300SL」は、29台製造されたことになっている。とにかく希少なモデルだ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
●高値の理由は希少なアルミ・ボディにあった

 ファースト・オーナーは自身も優れたレーシング・ドライバーであった、モロッコカサブランカに住むジョセフ・F・ウェッカーレ氏。

 このモデルには必要なすべての装備が与えられていたほか、オプションのギアレシオが3.42となるデファレンシャル、270km/hがフルスケールのスピードメーターなど魅力的な追加装備も与えられ、その他すべての仕様がオリジナルであることは、今回のオークションに際してメルセデス・ベンツによって証明されている。

 そして1960年代にアメリカに渡ったこのモデルは、1975年には当時の4万5000ドル(現在のドル換算で17万2000ドル=約1980万円)を投じてフルレストアされている。

 シャシ、アルミ・ボディ、エンジン、リアアクスル等々、すべてがナンバーマッチしているミントコンディションの300SLクーペ。それは多くの自動車ファンにとってもっとも高い人気を誇り、また見る機会が少ないメルセデス・ベンツの1台だ。

* * *

 今回同じオークションで、スチール製ボディの300SLクーペが171万ドル(邦貨換算約1億9640万円)で落札されているが、こちらのアルミ製ボディの予想落札価格は700万-900万ドルであった。しかし、実際の落札価格はそれには届かず682万5000ドル(邦貨換算約7億8700万円)であった。

 アルミ製ボディの300SLは、スチール製ボディの約3倍の価値があるということである。
山崎元

************************************