トヨタを以てして、ミドシップ作りは厳しかった?

ミドシップカーをリリースするとしても、どんな自動車メーカーでも、ゼロから設計開発して作るワケではない。原価管理の上からも、コンポーネントを極力共用し得る車種群から派生させるのだ。

ソコで、トヨタは一番手頃な選択をした。

当時はFRのレビン/トレノも、FFセダンのカローラ/カリーナ/コロナセダンもあった。仮に縦置ミドシップを作るなら、レビン/トレノのコンポーネントから、横置ミドシップを作るなら、カローラ/カリーナ/コロナセダンのコンポーネントから使えば良かった。後は、ボディーワークの問題だった。

縦置ミドシップなら、エンジン・ミッション・デファレンシャルの各コンポーネントの回転方向が変わるためか幾分制震されるが、横置ミドシップだと、FF同様に回転が増幅され、制震や補強で重量が嵩む。FFのハンドリング問題は駆動に加えてステアも絡むからだ。

AW11も、ペラペラ鋼板溶接モノコックを流用したため、意外に重量が嵩んだ。トヨタヤマハに鋼管フレームを設計・生産させていたら、状況は違ったろうと思う。

原価的には狙った程度に収まったろうが、性能的にはそれほどでもなく、4AGにはターボ化もできず、スーパーチャージャー追加する程度だった。

ソコで、次代モデルSW20には一回り大きい3SGを積む、セリカ/コロナクーペ/カリーナEDらと共用、最上級モデルにはターボチャージャー追加された。小型ミドシップには、コレくらいのパワーが限度だと悟ったのだろう。その次には、クローズドクーペをやめ、オープンカーにし、排気量もダウンした。

 

 

 

 

********************************

エンブレムには型式名の意匠があった!? スポーツカーマニアをうならせた量産国産車初のMRマシン|1986年式 トヨタ MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー
2/11(金) 15:03 Yahoo!ニュース
 12

このブルーマイカスーパーチャージャー車専用色。
【1986年式 トヨタ MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー

 エンジンを前後の車軸の中間に搭載し、リアタイヤを駆動させるミッドシップレイアウト。車体の中央に重量物が配置されるので慣性モーメントが小さくなり、「走る」「曲がる」「止まる」という3つの基本性能の向上が見込めることが最大のメリットだ。それゆえ、これまでにヨーロッパの高級スポーツカーや、数多くのレーシングカーにも採用されている。このように、運動性能を純粋に追求するのであれば最適と言えるミッドシップだが、その半面、生産コストが高くなり、一般的な市販スポーツカーが採用する例は非常に少なかった。しかし、そんな高級スポーツカーのアイコンともいえるミッドシップを、国産市販車に初めて採用したのがMR2なのだ。

▶▶▶【画像20枚】AWの文字が意匠に含まれている鷲鷹のエンブレムなど

 MR2のルーツは、1983年に開催された第25回東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「SV‐3」。ショーの時点で「十分に市販可能なのでは? 」と言われるほど高いクオリティーで注目を集めていた。そして翌年の1984年6月に「MR2」と名を変えてデビュー。ネーミングの由来は「ミッドシップランナバウト・2シーター」の略で、手軽に手に入れられるスポーティーパーソナルカーとして開発された。しかし、前述したように、すべてを専用設計するとなるとコストが増えてしまう。そこでトヨタは、80系カローラコンポーネントを流用し、エンジンとミッションをそのまま運転席後方に配置することで、コストを大幅に抑えることに成功。そして、最上級グレードでも180万円を切るプライスで発売されたMR2は、若者を中心に大注目の存在になったのである。


トヨタ MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー(AW11)
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3950×1665×1250
ホイールベース(mm)  2320
トレッド(mm) 1440(前後とも)
車両重量(kg)  1100
エンジン型式  4A-GZELU型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHCスーパーチャージャー
総排気量(cc) 1587
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 145/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 19.0/4400
変速比 1速 3.230 / 2速 1.913 / 3速 1.258 / 4速 0.918 / 5速 0.731 / 後退 3.583
最終減速比 4.285
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/60R14(前後とも)
発売当時価格 225.0万円

 

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部

********************************