抑えはタマの勢いだけで大丈夫?だから、こうなってる。

去年の広島栗林の成功にアテられたからか、巨人でも翁田を新人ながらクローザーに抜擢しようとしている。別に、間違っているとは思わない。しかし、今まで、巨人に歴代入団して来た投手は、外人や極一部を除いて先発ローテーション志向ばかりで、中継や抑えになるとモチュベーションなさ丸出しだったりした。だから、球威や球種あるからと据えても上原や澤村ですら、ツマんなそうに投げていた。もちろん、カレらのメジャー生活を考えたら、中継や抑え経験の方が活きたのだが、大抵の巨人入団選手達はメジャー志向などないから、単なる使い切りだ。原辰徳もNHK解説時代、川上哲治に学んだ星野仙一の影響をアチコチで受けていた。

星野仙一は元々、明大島岡監督の「何とかせい!」を引き継ぎ、中日監督時代、痛み止めを濫用するトレーナーを使い、与田や森田や落合や今中ら超短命投手が増え、愛甲に暴露本出されたりした。中継や抑えを球威球速だけで凌げると思うって、星野仙一鈴木孝政小松辰雄郭源治らをどう見ていたかの表れだ。ギャラードやソンドンヨルらでも。

原辰徳も、中継や抑えを山口鉄や外人で凌いで来た。越智や西村や澤村らを使った時期もあったが、長続きしなかった。今の巨人指導陣に、捉えにくいストレートの質や変化球を見極めなどできない。だから、外人含め目新しい投手の鮮度や数値任せ、使い捨てだ。

 

 

 

 

 

 

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〈巨人ドラ1〉大勢の真っ直ぐがスゴい! シーズン中に“クローザー”もあるか…中日・星野監督与田剛起用以来、“新人でも守護神が務まる”ワケ
3/12(土) 11:06 Yahoo!ニュース
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3月6日の日本ハムとのオープン戦で登板した巨人・大勢。自己最速の158kmを記録し、1回無失点に抑えた photograph by Sankei Shimbun
 巨人の翁田大勢投手の評判が急上昇している。

「うちのピッチャーの中ではとにかく一番、(球の)力がある。しかも実戦になると制球力もいい。新しい人が食い込んでくれたことはいいことですね」

【画像】意外と見たことない大勢の大学時代がかわいい、ロン毛の中田翔、ヤンチャそうな坂本21歳頃や私服姿の桑田19歳、丸刈り頭のタツノリ、溶岩の中をウロウロする槙原など巨人名選手の若き日を一気に見る

 巨人・原辰徳監督がこう評するように、とにかく魅力は真っ直ぐの力だ。

 オープン戦初登板となった3月3日の西武戦では真っ直ぐは全て150km台を記録して、全11球で1回を無安打無失点デビュー。さらに6日の日本ハム戦でも3人の打者に12球を投げて無失点。今川優馬外野手にはスライダーを3球続けて空振り三振を奪うなど、真っ直ぐだけではなくスライダーのキレの良さも見せるマウンドとなった。

 9日のソフトバンク戦では8回に登板すると、先頭の栗原陵矢外野手の左飛を石川慎吾外野手が落球。直後に154kmのストレートをリチャード内野手に中前に運ばれて初失点を記録(自責点は0)したが、それでも全12球のうち10球が真っ直ぐで、その全てが150km超を記録している。

原監督「リリーバーとして役割を与えようかと」
 力でねじ伏せることができるパワーピッチャーとして、プロの世界でも通用するポテンシャルを見せてきているのだ。

 当然、開幕からの一軍ベンチ入りも確実。その起用法に原監督が言及したのが、ソフトバンク戦のために福岡入りした7日だった。

「昨日も(桑田)真澄(投手チーフコーチ)と(阿部)慎之助(作戦兼ディフェンスチーフコーチ)も含めて話をしたんだけど、リリーバーとして役割を与えようかと。その方向で場を与えて成長していってもらおうと」

 今季はボールの威力を全面的に出し、リリーバーとして起用する考えを明らかにしたのである。

 ただ、そこまで高い大勢の評価を見てくると、さらに一歩踏み込んで考えられるのが、今季中のクローザーへの抜擢ではないだろうか。

 現時点での巨人のリリーフ編成を考えてみると、クローザー候補はチアゴ・ビエイラ投手とルビー・デラロサ投手のどちらかとなる。

「昨年みたいに2人をリリーフとクローザーという形で同時に使うことは考えていない。現時点では2人のうちどちらか1人、状態の良い方をクローザーとし一軍に置くことを考えているし、そのことは2人にも伝えてある」

 原監督がこう語るように、開幕ではどちらかがクローザーを務めるのはほぼ確実で、そこにつなぐセットアッパーと中継ぎ陣は日本人投手で賄うことになる。

 最も大事な8回を任せるセットアッパー候補としては、本来なら中川皓太投手が最優力候補なのだが、自主トレ中に痛めた故障から調整が遅れ、開幕には間に合わない公算が大。代わって第一候補となるのは「ボールは一級品」と原監督が評価する畠世周投手。相手打線の流れで左打者が並ぶ回なら左の高梨雄平投手を併用するのだが、そこにもう1枚大勢を加えて、7、8回をこの3人の投手で賄うのが現時点では有力だ。

ビエイラとデラロサも決して盤石ではない
 ただ、である。

 ビエイラとデラロサのクローザー候補も決して盤石ではない。

 守護神最有力候補であるビエイラも、昨年はスライダーに磨きをかけて制球不安を解消した夏場には30試合連続無失点を記録。160km超えのパワーボールを武器に制球さえ安定すれば、文句のない抑え候補であることは言うまでもない。

 しかし9月に右肘の違和感で登録抹消されてからの復帰後は、再び制球不安を露呈。10月は防御率4.91と不安定な投球内容となってしまったことは大きな不安材料でもある。

 一方のデラロサも来日当初の球威はなく、クローザーとして圧倒的な力でねじ伏せると言うには、やや不安な面が出てきているのも事実だ。

 だとすれば思い切ってビエイラの状態次第では、シーズン中に大勢を一気にクローザーに抜擢するという案が出てくる可能性は大いにありそうだ。

 クローザーの適性として挙げられる一番の条件は、まず空振りを取れる球種を持っていること。大魔神こと横浜(現DeNA)の佐々木主浩投手ならフォークであり、最多セーブ日本記録を持つ中日・岩瀬仁紀投手ならスライダー、またヤクルト・髙津臣吾監督の現役時代のシンカーなどがそれに当たる。

 そしてもう1つとして言われてきたのが、数々の修羅場でマウンドに上がらなければならないことから、それを乗り切るための経験値の高さだった。1つのミスも許されない場面でチームの勝利をかけてマウンドに上がり、たった1球で天国から地獄に落ちることもある。だからこそ経験がものを言うポジションとも考えられてきた。

星野監督の考え“クローザーは最も経験を必要としない”
 だが、そんな経験主義ではなく、実はむしろ最も経験を必要としないポジションがクローザーだと考えたのが、中日監督時代の星野仙一監督だった。

 星野監督はNTT東京からドラフト1位で獲得した与田剛投手(前中日監督)を、1年目の1990年にいきなりクローザーに抜擢。与田はその年31セーブで最優秀救援投手のタイトルを獲得し、新人王にも選出された。その与田が故障で戦線離脱した翌91年には、またもルーキーの森田幸一投手をシーズン途中から抑え役に起用。森田もまた17セーブを挙げる活躍で新人王に選ばれ、新人でもクローザーが十分に務まることを証明してみせた。

「抑えは投げても1回か2回や。先発投手みたいに5回以上を投げる必要がないから、逆に勢いで押し切れるやろ。経験や駆け引きが大事なのはむしろ先発で、抑え投手に大事なのは気の強さと球の勢いや」

 与田をクローザーに抜擢したときに、星野監督がこう語っていたのを覚えている。

DeNA山崎や広島・栗林もプロ入り1年目から大活躍
 確かにその後は経験というよりは、ボールの勢いと三振を取れる決め球を持つことでルーキーながらクローザーに抜擢された投手が活躍するケースは多く見られるようになっている。

 近年ではDeNA山崎康晃投手がシンカーを武器に亜大からプロ入り1年目の2015年シーズンに37セーブをマーク。また昨年の広島・栗林良吏投手は53試合の登板でリーグ2位の37セーブを挙げ、新人記録の開幕22試合連続無失点、プロ野球2位タイの20試合連続セーブを達成した。150km超えのストレートと落差の大きなフォークで52回3分の1で投球回を超える81三振を奪ってブレーク。東京五輪では日本代表「侍ジャパン」の守護神として全5試合に登板、1勝4セーブで金メダル獲得の立役者の1人ともなった。

 2人はプロでの経験は皆無でも、力と勢いで1年目から絶対守護神への道を開くことができた。

 大勢には少なくともその力と勢いはある。そして大勢のピッチングを見ていて気付くのが、真っ直ぐばかりに目が行きがちだが、原監督が指摘したように実戦での制球力の良さなのである。

 4度目の登板となった11日のオリックス戦でも8回から1回を投げて無失点。この試合では先頭の吉田正尚外野手に四球を与えたが、ここまで打者14人に対して、与四球はこの1つだけ。初三振を奪った日本ハム戦の今川の打席で見せたように変化球でもストライクを取れるし、オリックス戦では後藤駿太外野手を追い込んでから落差のあるフォークで三振にも打ち取った。精密機械とは言わないが、ある程度のしっかりした制球力を見せている。その点が9回1点差でいきなり四球、死球の可能性のあるビエイラより、ベンチが安心して送り出せる要素となるはずだ。

クローザーの方が「体調管理」でプラス面が生まれる
 そしてもう1つ、大勢をクローザーとして抜擢することで生まれるプラス面が体調管理にある。

 中継ぎ投手の場合は、自分の出番がどうなるか、どこで肩を作り、備えるかは試合展開でコロコロ変わり、調整自体が難しい。セットアッパーでも負け試合の8回に登板するケースはあるが、クローザーの場合は基本的には僅差の勝ちゲームの最終回と、自分の出番を見据えて調整できるメリットがある。

 大勢で一番、心配なのは関西国際大学時代の3年秋に右肘の炎症、4年春にも右肘の疲労骨折と、2度の肘の故障歴となる。そういう意味でもある程度、本人も中継ぎとしてスタンバイするより、出番が決まっているクローザーの方が調整をしやすいメリットがある。もちろん連投は2試合までなどの登板制限は必要だが、1年目としてはむしろ管理しやすいメリットはクローザーの方にあるだろう。

 もちろん前提として、まずはビエイラがどれだけ昨年の夏場くらいの安定感、制球力のあるマウンドを見せるか。そして大勢自身も中継ぎ、セットアッパーとして結果を残すことなのはいうまでもない。

 ただ、勢いのあるルーキーだからこそ、むしろクローザーの方が最良な働き場所になる。そういう可能性があり、大勢はその可能性を秘めた投手だということだ。

 山崎伊織投手に3月11日に支配下選手契約を結んだ堀田賢慎投手ら、この春は若い投手の名前で賑わう巨人の投手陣。もちろん戸郷翔征投手や高橋優貴投手に直江大輔、戸田懐生投手ら既存の若手投手がそれを刺激に奮起することも、原監督としてはチーム活性化の狙いの1つだろう。

 どの若手がどんな役割をこなし、誰がサバイブしてくるのか。

 開幕から1カ月は、まずそこに注目をしたい。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)

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