今までの春の甲子園出場校を洗い出せ!

本来、高校野球春の甲子園出場校選抜に於いて、こんなバカなコトがあってはならない。

通常、各都道府県から2校で地方大会に進出、それぞれが別ブロックのトーナメントに入る。後は、地方大会優勝・準優勝以降の順位を厳密に着けていれば、一切問題視される要素はないのだ。

何年前だったか、大阪府大会⇒近畿大会決勝⇒春甲子園決勝が、全く同じ試合にならなかったっけ?(大阪桐蔭-履正社じゃなかった?)作為が入らなければ、こうなるコトもある。

今回の東海の選抜は、明らかにおかしい。何かの不祥事隠蔽があるならいざ知らず、高校側から大した抗議がないコトからも、違う問題を隠している可能性がある。

 

 

 

 

 

 

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高野連会長を聖隷クリストファー選抜落選問題で独占直撃「選考は正当だったか」を問う
3/4(金) 7:15 Yahoo!ニュース
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聖隷の落選について寶馨会長に聞いた(時事通信フォト)
 3月4日午後、開幕を2週間後に控えたセンバツ甲子園の組み合わせ抽選会がオンラインで行われる。今回の選考では、昨秋の東海大会準優勝で出場が確実視されていた聖隷クリストファー(静岡)の落選に議論が沸騰。この問題を巡り、東海地区の選考委員長や静岡高野連理事長の談話を本誌・週刊ポストでスクープしてきたノンフィクションライター・柳川悠二氏が、日本高等学校野球連盟(日本高野連)のトップである寶馨(たから・かおる)会長を独占取材。見解を問うた。【前後編の前編、後編を読む】

【写真】白の帽子を被る聖隷クリストファーの上村監督

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 第94回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が3日後に迫った3月1日、静岡県浜松市にある聖隷クリストファー高校では卒業式が行われていた。校長であり、野球部の指揮官である上村敏正監督(64)は、卒業生やその保護者に向け、時折、聖書を引用しながら、こんな言葉を贈ったという。

「人間の業(わざ)のひとつは、『忘れる』ということ。どんなに辛いことがあっても、時間が経過すれば人間は必ず忘れるものです。ただ、もう一つ、人間には業がある。それは『思い起こす』ということです。せっかく忘れた辛いことも、フラッシュバックのように思い起こすことがある。そうした試練を我々は乗り越えるしかない。試練というのは、神様がきっとあなたなら乗り越えられると思って与えたもの。だから乗り越えなければならないし、乗り越えられるものなんです」

 その言葉は聖隷の現役部員、そして自身にも向けられたものかもしれない。

 聖隷の硬式野球部は、昨秋の東海大会で準優勝し、選抜への出場は“当確”となったはずだったが、1月28日の選考委員会で優勝した日大三島(静岡)に続く東海地区2枠目の代表に選ばれたのは、ベスト4であった大垣日大(岐阜)だった。

 秋の都道府県大会や地区大会は、選抜の予選ではない。選抜を主催する日本高野連毎日新聞によって委嘱された選考委員の裁量によって32校の代表校は決定する。東海地区の選考委員長を務めた鬼嶋一司氏は、選考委員会後の総会や取材で、「個々の能力の差」「投手力の差」「甲子園で勝てるかどうか」などを大垣日大の選出理由に挙げ、「客観的に判断した」と説明した。

 しかし、選考委員会から1ヶ月以上が経過しても、今回の代表選考への賛否を巡る議論が続いている。選考への疑問が拭いきれないうえに、日本高野連および毎日新聞が「(選考委員会の)詳細な内容は公開になじまない」という姿勢を貫いているからだろう。

 なぜ、聖隷の監督やナインへの丁寧な説明を頑なに拒むのか。これまでも静岡県高野連の渡辺才也(としなり)理事長や鬼嶋委員長ら複数の選考委員に話を聞いてきた私が向かう先は一つしか残されていなかった。昨年12月に8代目の日本高野連会長に就任した寶馨氏(65)のもとである。

疑問を差し挟む根拠はありません
 工学者である寶会長は母校でもある京都大学で教授を務め、硬式野球部の監督にも2度就任。2度目の監督在任中の教え子として、同大から史上初めてドラフト2位指名された田中英祐(元千葉ロッテ)がいる。2月20日の日曜日の午後、会長宅を訪れると、スタジアムジャンパーを羽織って玄関先に現れた。

 選抜の代表校を決する選考委員会には「21世紀枠特別選考委員会」と5地区にわかれた「地区別小委員会」がある。小委員会の議論には参加しないものの、選考委員会全体の選考委員長を兼任する日本高野連の寶会長に、単刀直入に訊ねた。選考委員会は正当に行われたのか──。

「当然です。9人いた東海地区選考委員のうち、当日は8人が出席され、最終的に8人全員が合意した結論だと存じています。選考委員会メンバーの意見は拮抗していたようであり、岐阜大会、静岡大会を含め、両校の打率や防御率などを比較検討された。全委員が東海大会全試合を見たわけではないと思いますが、分担して毎試合誰か委員が担当して見ていたはずであり、そうした試合内容の情報も加味されたと思います」

 鬼嶋委員長は東海大会の1、2回戦が行われた日、選考委員に断りを入れた上で、東京の神宮球場早慶戦のテレビ解説をしていた。寶会長は「最終的に8人の委員が合意されたのであるから、私としては選考結果に疑問を挟む根拠はありません」と話した。

 ここで、東海大会における聖隷と大垣日大のデータを比較してみたい。

聖隷クリストファー(4試合) 打率.330、1試合平均の得点6.75、総失点21(うち自責点16)、防御率4.23
大垣日大(3試合) 打率.291、1試合平均の得点5、総失点16(うち自責点9)、防御率3.11

 試合数に違いはあるが、打率では聖隷が大きく上回っている。反対に防御率では大垣日大が1点以上低いが、1試合平均の得点は聖隷が1.75点ほど上回る。確かに投手力の差はあるのかもしれないが、聖隷はエースが1回戦で右ヒジを疲労骨折してその後の登板ができない中での戦いだったことも評価すべきだ。

 それぞれの勝ち上がりを見ても、聖隷は2回戦で中京(岐阜1位)から、1対3とリードされた9回表に3点をあげて逆転勝利し、準決勝でも愛知2位の至学館を相手にサヨナラ勝利。一方、大垣日大は2回戦で優勝候補の愛知大会王者・享栄に勝利し、鬼嶋委員長はこの点を選出理由のひとつに挙げたが、聖隷は岐阜大会決勝で大垣日大に勝利している中京に勝利して決勝に進出しているのだ。

 両校の投打の成績や勝ち上がりを比較しても、「客観的に判断した」という根拠は見当たらない。選考委員の印象論で大垣日大を選出したように思えてしまう。

 選考会後、東海3県と呼ばれる愛知・岐阜・三重から1校も選ばれず、静岡から2校が選ばれることを回避したという疑念も生まれた。鬼嶋委員長は「地域性は考慮していない」と話したが、毎日新聞としても、春夏を通じて初出場である聖隷クリストファーが選出されたほうが、話題を作りやすくより新聞の販売戦略に活かせるはずであるため、静岡2校を選考委員が避けたかったとは筆者も思わない。

「33校目」は、あるかもしれないと思ったが…
 小雪が舞う中、会長との問答は続いた。日本高野連として、今後、選考委員会で話し合われた内容を、説明するつもりはないのだろうか。

「誰への説明でしょうか。高校(聖隷クリストファー)への説明ということなら、静岡県高野連の渡辺理事長が選考委員会の過程を知っているので、選考結果については渡辺理事長から高野連の代表として聖隷クリストファーの監督に伝えられ、監督から生徒に伝えられたのではないでしょうか。私自身は、選考委員会の議論の内容を詳しく把握しているわけでないので、私から詳しい説明はできません。準優勝までして選ばれなかったことに関しては聖隷の選手に同情を禁じ得ませんけれども、8人の選考委員が合意された結果なので、納得してもらうしかない。どの点を比べてどっちが上だった、下だったと言ってあげることは可哀想ではないでしょうか」

 なぜ日本高野連は、あるいは選考に携わった選考委員は、選考の経緯の公表を頑なに拒むのか。

「一般社会でも人事の話とかは非公開である。私の場合は、研究プロジェクトの選考に携わったことが何回もあり、10も20もある候補課題から何件か選ぶような会議にも出ているが、会議は非公開であり、参加者には守秘義務が課される。いずれの場合も選考資料は、シュレッダーにかけたり、回収されたりする。これと同様に、鬼嶋さんも渡辺さんも守秘義務を守って詳しいことを語らないのではないでしょうか」

 多くの野球人やファンが今回の選考に疑問を抱く中、このまま32校で選抜が開幕すれば、何も悪くない大垣日大のナインに対して心ない野次が甲子園に飛び交う恐れだってある。今回の騒動で心を痛めているのは聖隷の選手だけではない。

「私もそう思います。ですからこれ以上騒ぎ立てず、そっとしておいてやるのが良いのではないですか」

 私はそうは思わない。日本高野連が丁寧に説明しないからこそ、大垣日大にまで批判が向くのではないか。私が聖隷の救済を求める記事を発表するたびに、「大垣日大は出場を辞退すべきだ」という筋違いな声も届く。いまも続く混乱を収束させるための策は、私はひとつしかないと思っていた。つまり、大垣日大の選出はそのままに、聖隷に対し33校目の扉を開くこと。それを私は日本高野連に求めるべく取材を続けて来た。寶会長の脳裏に「33校目」の選択肢が浮かぶことはこれまで一度もなかったのだろうか。

「うん、まあ、そういう手も救済策としてあるかもしれないなとは思いましたけど、それをやったら他の地区の補欠校はどう思いますか。東海地区は本当に2校の実力が拮抗していたようですが、他の地区だって拮抗していたかもしれない。(神宮大会枠も含め7枠あった)近畿地区にしてもベスト8の近江高校が選ばれなかった。(関東大会ベスト8の)東海大相模も(東京大会準優勝の)二松学舎大付との比較となり、出場がかなわなかった。言い出したらきりがないですし、33校どころか36校、37校になりかねない。2月10日にコメントしたように、32校は最終のものであります」

 日本高野連会長は、高校野球界のリーダーたる存在だ。にもかかわらず、聖隷の落選騒動の渦中で寶会長は、末端の高校野球ライターである筆者の意見にも真摯に耳を傾け、こちらが言いよどむことには強い姿勢を貫き、一方では聖隷を慮るような発言もあった。聖隷が望むような新展開こそ口にすることはなかったが、組織としての公式見解しか伝わってこないなかでの会長の言葉はやはり重いものだ。会長宅を辞去し、私はホテルへと戻った。

 すると、私のノートパソコンに会長からメールが届いていた。

【後編】につづく

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