単なる例年微調整売りのツケ、GT-R欧州撤退!

別にR35GT-Rが素晴らしいクルマだと、更々思ったコトはない。

しかし、水野サンというヒトの発想と情熱の作ったクルマだったとは思う。そういう意味で、正しかろうがなかろうが、桜井真一郎サンらのような初志貫徹的なモノを感じた。

ただ、レースに参加するためのクルマ、レースノウハウを色濃く反映したクルマとしてのKPGCやR32GT-Rと、以後のR33や34GT-RやR35GT-Rは異なっているように思う。

KPGCならS20型エンジンだけだったが、R32GT-Rは特にグループAを勝つために、RB26DETTとアテーサE-TSを市販車として注ぎ込んだ。本来、RB20DET-RのR31GTS-Rですら勝てていたグループAに"程々に勝つ"なら、RB20DETTとアテーサE-TS程度やRB26DETTのFRで十分だった。しかし、この両方投じて"節操なく勝った"せいで、グループA自体が競技として破綻した。

R33やR34GT-Rに於いて、既にグループAはなくなっていたため、アテーサE-TSの意味はなく、ただのFRにするチャンスがあった。次の発想なくコンポーネントキャリーオーバーしたせいで、RB26DETTを低くフロントミドシップしたGT-Rを作るチャンスを自ら逃した。

R33やR34のスカイライン/GT-Rに於いて、もっとカッコいいクルマがデキていたら、R35GT-Rへの要求も違っていたハズ。水野サンに課せられたGT-Rへの要求は、セダン/クーペ共用たるスカイラインを切り離した"単なるハイパフォーマンスカー"だった。

別に、スカイラインと縁が切れたから、GT-R=直6も成り立たなくなった。Z32用のVG系3リッターV6ツインターボを持っていたニッサンにとって、4リッター近いV6ツインターボなど、新たなカネも技術もノウハウも必要ない。GTレース用にはV8NAを使用し、市販とレースのイメージすら乖離した存在になった。一応、GT3を投入して、雰囲気だけ保っているが。

以降、水野サン辞めた後も、何の新たな発想もなくR35GT-Rに微変更と高値付を進めた。表向はポルシェRS商法のサル真似だが、軽量化の影響割合がサラサラ違う。

ちょっと考えれば、eパワー化だって、1.4リッター直4ターボだってデキた。4WDにしなくても良かった。キチンとボディー構造を見直せば、車両重量も必要パワーも全く異なる可能性もある。しかし、それを毅然と進める人材は、今のニッサンに存在しない。

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日産GT-R 欧州市場撤退が決定 騒音規制クリアできず 約13年の販売に終止符
2022/03/18 23:05 AUTOCAR JAPAN16

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厳しい騒音規制により欧州撤退

現在、最も長く販売されている市販車の1つである日産GT-Rは、今年後半に施行される厳しい騒音規制を考慮して、ついに欧州での販売を終了することになった。

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欧州での発売から約13年。オーストラリアではすでに側面衝突規制の強化に伴い撤退が発表され、欧州各国でも日産のウェブサイトからGT-Rが消え始めていたが、今回ついに公式発表に至った。

AUTOCARに寄せられた公式声明の中で、欧州日産は次のように述べている。

「身近なハイパフォーマンスカーの象徴として欧州で発売されてから13年、同地域におけるGT-Rの生産は、2021年7月1日からのEUおよび英国の新しい騒音規制(No.540.2014)のため、2022年3月をもって終了することになりました」

この規制は、歩行者や道路周辺に住む人々の騒音によるストレスを軽減する観点から、ロードノイズ低減を目的としたもの。2026年にはエンジン音の法的規制値が68dBに引き下げられ、スポーツカーや高性能エグゾーストシステムなどを製造するメーカーに大きな影響を与える可能性がある。

GT-Rの欧州最終モデルは夏に発売予定だが、後継モデルの計画は明らかにされていない。

後継モデルは「電動化」で実現できる?

現行世代の発表から15年が経過した今月初め、英AUTOCAR編集部が再試乗したGT-Rニスモは最高出力600ps、価格にして18万ポンド(約2800万円)のハイエンドモデルだが、最高出力530psの標準モデルはその半分程度の価格で購入することができる。

日産の内田誠CEOは最近、AUTOCARに対し、GT-Rが次の「R36」世代まで生き残る手段を電動化によって実現できるかもしれないとほのめかした。

「どうすれば電動化できるかを検討しています。妥協のない、本当にプロフェッショナルなスポーツカーだと思います。新型Zはわたしのようにスポーツカーが好きな人のためのものです。GT-Rはプロフェッショナルなマシンなので、将来のために何とかしなければなりません」

GT-Rの撤退により、日産が欧州市場で展開するスポーツカーは1台もなくなった。新型Zは非ハイブリッドのV6エンジンを採用しており、企業平均排出量に悪影響を及ぼすため、欧州では販売されない。

興味深いことに、日産は最近、パフォーマンスモデルに使用される次世代EVプラットフォームの存在を示唆する未来的なオープンカー・コンセプト「マックス・アウト」を公開している。

このコンセプトは、そのスタイリングや技術面では明らかに数年先の未来を見据えたものが、「最上級の安定性と快適性」、タイトなハンドリング、少ないボディロールといった特性が与えられており、少なくともGT-Rから何らかのインスピレーションを受けていることが伺える。

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