こんなモノに大枚ハタくって、バカの証明じゃないの?

空冷ポルシェが901⇒930⇒964⇒993と、それぞれあの形や寸法だったのは、その当時のエンジンや補機事情もあった。

901時点では、空冷水平対向6気筒エンジンは2リッターだった。強制冷却ファンの機能らに合わせたモノだった。それが、911Rで2.4リッター化され、73カレラRSでは2.7リッター化され、930手前カレラRSでは3.0リッター化された。以後、930でのカレラは3.0リッター、3.2リッター化された。当初は930に新規設定された911ターボは3.0リッターだったが、3.3リッター化されるようになった。964⇒993では3.6リッター、RSでは3.8リッター化された。NAで300馬力程度というスペックも、補機らに合わせたモノだし、"911は空冷"という当時の事情に合わせたモノだ。

それを、アップデートとはいえ、964らをワザワザ901スタイルに戻したり、馬力を上げたりするコトにバカ高いカネ踏んだくるビジネスって何なの?

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新車時よりスゴイ「911」に再生して送り出す! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」って何?
3/20(日) 17:34 Yahoo!ニュース
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964ベースとは思えないほどのクオリティの仕上がり
 
ここ10年ほどでとんでもない値上がりを見せている空冷ポルシェたち。そんな魅惑的なモデルを現代でも使いやすく、よりハイパワーにリファインしているメーカーが「シンガー・ビークル・デザイン」だ。
 ポルシェファンならずとも、シンガーの名を冠した911が話題になっているのはご承知のとおり。これは、ロブ・ディキンソンという英国人が2009年に南カリフォルニアで始めた「シンガー・ビークル・デザイン(SVD)」という会社によるレストモッドモデル。これまで数々の空冷911がSVDによってレストア、そしてモディファイされて路上に送り出されてきました。

【画像】これぞ究極の空冷ポルシェ! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」製ポルシェの画像全9枚!

 ベースとなった空冷911はほとんどが964タイプで、いずれもナロー911風のボディにオーバーフェンダーやダックテール、あるいはライトウェイトモデルの始祖911R風プレクシグラスをリヤフードに用いるなどクラシカルかつ、レーシーなルックスが特徴。なお、シンガーを見わけるポイントとして(例外あり)簡単なのはワイパーの設置方法が993のように2本がセンターに寄り添っているところがあげられます。

 また、SVDはコスワースやウィリアムズといった外部チューナーにエンジンチューンを委託し、3.6リッターから4リッターまでさまざまなステージのエンジンをラインアップ。もちろん、シャシーもハイパフォーマンスにマッチしたもので、フロントサスをダブルウイッシュボーンに換装したり、カーボンローターをブレーキに用いたり、まさに金に糸目をつけないカスタムが目白押し!

 さらに、ポルシェマニアを唸らせたのが高品質なインテリアのフィニッシュ。顧客のオーダーを反映しながらも、ポルシェの文法を巧みにモダナイズする手法はシンガーの名を高めた大きなファクターといえるでしょう。

 そもそも、このセンスにあふれたSVDの創始者であり、CEOを務めるディキンソン氏の経歴からして特筆に値する人物です。18歳からコヴェントリーでアート、デザインを学んだ後はかのロータスでピーター・スティーブンス、サイモン・コックスといった今をときめくカーデザイナーと一緒に仕事をしたかと思うと、突如のジョブチェンジ。故郷のグレート・ヤーマスでシュゲイザーバンド「キャサリン・ホイール」を結成し、ギタリストやボーカルとして活躍したのでした。

 やがて、10年間のバンド活動にピリオドを打つと、ソロアルバムの制作を目的に渡米。南カリフォルニアに本拠を構えることに。

 このキャリアから、社名に「Singer(歌手)」とつけたかというとさにあらず。会社創立前にディキンソン氏が友人のバーヴィル氏と相談した際、ポルシェの名エンジニアたるノルベルト・ジンガー(Norbert Singer:956/962や911GT1などポルシェのレーシングカー開発で超有名)にちなみ、「ノルベルト」はどうかと打診されたのです。が、ディキンソン氏はこれをあっさり却下。理由は「ノルベルトは気に入らない。シンガーならアリ」とのこと。もちろん、自身のキャリアとの整合性もあったのでしょうが、いかにもポルシェフリークな氏らしいネーミングではありますね。

「シンガー」初の量産モデルは75台限定で約2億円
 
ベースとなったポルシェの中古相場からしても、その価格は次元が違うが、リファインされている内容や、今や新車で手に入らないモデルが新車以上のクオリティで手に入ると考えれば、決して選択肢としては”ナシ”ではないだろう。完売している事実がそれを物語っている。
 そして2003年には自身がカリフォルニアで乗るためにナロー911をカスタムビルド。現在のSVDらしさが早くもにじみ出たマシンはブラウン・ボンバー(茶色い爆撃機)と呼ばれ、各方面から大注目を浴びることに(現在このマシンはLAのピーターセン自動車博物館に所蔵されています)。この際、数多くの人から「譲ってほしい」と乞われたことで、シンガー設立の決意を固めることになったのでした。

 その後2009年、ついにSVDがローンチされると、モナコ・コミッションやらル・マン・コミッションといった車名で素晴らしいリイマジンド(再解釈)911をリリースしていったのはご承知の通り。当時はオーダーから納車までは8カ月から12カ月ほどかかり、30人程度のスタッフで年間30台から60台程度のキャパシティでしたが、現在はやや増加している模様。

 ただし、SVD初のプロダクションモデル(量産車)となる「DLS(Dynamics Lightweight Study)」はどうやら英国で大半の製造が行われるようです(量産といっても75台限定で、しかも発売と同時に完売)。

 このDLSもまたすさまじいモデルで、まず乾燥重量990kgというグループ5の935に追いつきそうな車重(970kg~)を実現! 搭載エンジンはウィリアムズがチューンした4リッターフラットシックスで、500馬力以上を発揮するとされ、これまた935(1976モデル)の600馬力に肉迫! 当然、お値段も相応でおよそ2億円! ただし、レアではありますがシンガーのなんちゃらコミッションが中古市場に出てくるとたいてい100万ドル(約1億3500万円)くらいしているので、見方によってはお買い得かもしれません。

 SVDではレストモッドの費用をつまびらかにしていませんが、ひと声2000万円くらいからスタートし、天井は「DLS」並みにキリがないってところでしょうか。

 この「DLS」のほかにも、シンガーはついにターボのスタディモデルを発表。450馬力を発揮する3.8リッターツインターボが搭載され、全輪駆動の可能性も示唆されるなど、これまたSVDらしい仕上がりになりそうです。

 お披露目(的な受注イベント)は6月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなので、手に入れたい方はお見逃しなく!
石橋 寛

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