頑固オヤジ?田村正和の本来像じゃないでしょ!

「オヤジぃ」他にも、頑固オヤジを演じたドラマはあった。しかし、田村正和の演じて来た役歴として、こういう頑固オヤジは"コレが田村正和だ!"と思えるだろうか?

田村正和自身、舞台からシリアス系をやっていたが、「うちの子に限って・・・」で始まったコメディー路線から「パパはニュースキャスター」「パパは年中苦労する」や「男たちによろしく」「ニューヨーク恋物語」らのラブコメあだち充「じんべえ」で月9、「美しい人」ではシリアス、「古畑任三郎」では推理コメディーと展開した。

特に、「古畑任三郎」は明石家さんまSMAP菅原文太風間杜夫鈴木保奈美など、事件捜査に限らず雑談からも推理する展開も見せた。

もちろん、それぞれのヒトにそれぞれの田村正和があるワケで、話しながら食事したり飲んだりしたいくらい!

 

 

 

 

 

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当時20歳の広末涼子岡田准一との掛け合いも必見!田村正和の愛情深いガンコオヤジ像
3/31(木) 12:00 Yahoo!ニュース
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「オヤジぃ。」
日本中に衝撃を与えた名優・田村正和の訃報から1年――。彼の往年の名作の数々を切なく懐かしく思い出した人も多いだろう。

【写真を見る】当時20歳の広末涼子岡田准一田村正和との掛け合いが話題を呼んだ「オヤジぃ。」

若かりし頃より「眠狂四郎」シリーズでの憂いを秘めた剣豪など、ダンディズムが光る二枚目俳優のイメージを確立させた一方で、40代以降はそれまでのイメージを覆すコメディという新たな路線も開拓。ターニングポイントとなった「うちの子にかぎって...」(1984年)を皮切りに、「パパはニュースキャスター」(1987年)や小泉今日子が娘役を演じた「パパとなっちゃん」(1991年)など、子どもに振り回されながらも愛を注ぐチャーミングな父親を体現してきた。

そして一連の作品を手がけた八木康夫プロデューサーと再びタッグを組み、"ガンコオヤジ"に扮したファミリーコメディドラマが「オヤジぃ。」(2000年)だ。

名脚本家・遊川和彦によるストーリーと、広末涼子岡田准一石田ゆり子らを配したキャスティングの妙も相まって、最終回には28%の高視聴率を叩き出した本作。花*花が歌う主題歌「さよなら大好きな人」の大ヒットという点でも、記憶に刻まれている人は多いのではないだろうか。

田村正和が演じた開業医の神崎完一は、誰よりも家族を愛しているがとんでもなく不器用な"ガンコオヤジ"。曲がったことが大嫌いで、世の乱れを黙って見ていられない。我が子に幸せになってほしいという愛情ゆえに、ついつい口うるさくなってしまう...そんな絵に描いたような偏屈な頑固者というキャラクターだ。

そんな完一の"悩みのタネ"になっているのが、個性豊かな子どもたち。女子大生の次女・すず役は、当時20歳の広末涼子が務めた。突然結婚すると言い出すなど一家のトラブルメーカーではあるが、ガンコオヤジに真っ向から口ごたえする勝気さも持ち合わせ、ある意味で似た者同士の父娘で言い争うシーンがテンポ良く心地いい。

末っ子の長男の正には、デビューして5年ほどのまだ初々しい岡田准一が起用。周囲の期待を背負う病院の跡取り息子でありながら、一浪中で、人生の迷走期の真っただなか。完一とは衝突が絶えず、田村とも本当の親子のようなリアリティのあるやりとりを見せる。姉たちをはじめとする女性陣に振り回され、肝心なところで逃げ出す情けない一面もあり、末っ子らしいキャラクターが絶妙にはまっていた。

家族にも世間にも口やかましいオヤジではあるが、不器用で人情味溢れるところがどこか憎めない。妻を心から大切に思いながらも、石田ゆり子演じる、シングルマザーでホステスの真知子に心が揺らぐ"男の弱さ"を垣間見せる一幕も。真知子もまた、そんな完一に対して惹かれていくのだが、その気持ちも理解できる。決して完璧ではない、ちょっとダメな素顔を隠し通せないからこそ、愛おしいのだ。

説教くさくても、時に疎ましく感じても、"ガンコオヤジ"の行動の根底には大きな愛情がある。あの不器用で厳しくも深い愛のこもった声、そして眼差し――歳を重ねて改めて見るとまた違った感情が呼び起こされる22年前の名作で、田村正和の在りし日の姿を偲びたい。

文=中川菜都美
HOMINIS

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