今の軍艦、ホントに役に立つの?

今の軍艦、殆ど実弾兵器を積んでいない。大砲あっても単装砲だったりする。砲弾の装填が速くなったコトもあるが、攻撃の主体がミサイルに変わった。まあ、ミサイルの方が誘導が利き、効率良く命中するなら、それでも良いのだろう。

しかし、そんなバカ高い兵器をドコまで積めるのか?ミサイルは攻撃目標により、対空や対艦や対潜や対地で異なる。コレらが実戦でどれだけ有効なのか、ホントのところは不明だ。

ちなみに、武装を外装せず内装し、外部は装甲で覆う方が防御や航行時の空気抵抗に有利なように思う。また、そうするコトで艦船のステルス化への道も拓ける。

 

 

 

 

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軍艦の砲や機銃はなぜ少なくなったの? 時代が下るほど甲板上がスッキリしてきたワケ
4/11(月) 6:12 Yahoo!ニュース
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甲板上にところせましと配置された砲がなくなった理由
 
1943年に就役したアメリカ海軍 戦艦「アイオワ」の主砲は16インチ3連装砲。1984年7月撮影(画像:アメリカ海軍)。
 2022年現在の軍艦と第2次世界大戦頃の軍艦を比べると、現在の方が甲板上はスッキリしている印象を受けます。飛行甲板を持つ空母も、舷側などを見るとそのように感じるでしょう。昔はついていた砲身が複数ある多連装砲や対空機銃座が少なくなっているからです。なぜ、現在は甲板に砲塔などが少ないのでしょうか。その答えは武器の発展にあります。

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 19世紀後半、半後装式の砲が主流になっていくと、軍艦が搭載する火砲の威力も上がっていきます。これにともない、相手の火砲をしのぐため両舷に装甲を施した艦船が登場し、砲も木造船の時代のように両舷に搭載すると防御力に問題があるため、装甲で守られた回転砲塔を甲板に設置するようになっていきました。

 20世紀に入ると分厚い装甲や大きい砲を持つ戦艦を倒すために、さらに大きな砲と分厚い装甲を持った戦艦が登場するという大艦巨砲主義の時代が到来します。しかし当時の艦砲というものは、それまでの目測で撃っていた時代よりはマシになったものの、測距儀や方位盤などを駆使し射角などを計算して射撃しており、そこまで命中率が高いものではありませんでした。

 さらに、装填速度なども砲弾の大型化などで時間を要するようになったため、砲身を複数搭載する連装砲が考案され、3連装砲塔、さらには4連装砲塔も登場することになります。これをメインの攻撃手段の主砲として数基搭載し、その空きスペースにやや小さい副砲を配置するのが一般的となりました。

 その後、第1次世界大戦において戦場に航空機が投入されるようになると、対空防御に特化した対空砲や対空機銃も搭載されるようになります。第2次世界大戦型の軍艦、特に「大和」などの戦艦を見てみると、大きな主砲のほかに対空砲や対空機銃がハリネズミのように配置されており、主流のスタイルとなっていきました。

 これは戦艦、空母、重巡洋艦といった艦隊の中核を担う大型艦だけではなく、それを護衛する駆逐艦なども同じで、戦中には秋月型駆逐艦アメリカ海軍のアトランタ級軽巡洋艦のように、対空機銃や対空砲を多く搭載した防空特化の艦船も登場します。この時代の艦船はどれも突起物が多く、無骨さを感じさせるデザインといえるでしょう。

戦後は一転してミサイル万能論に
 
WW2期の英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」。主砲は356mm4連装砲で、写真右端に4門目が見えている。中央にチャーチル首相の姿も(画像:帝国戦争博物館/IWM)。
 一転して大戦後は、戦艦が航空機の的であることが判明したことから、大艦巨砲主義はすでに終焉を迎えており、大型の連装砲を持った軍艦は少なくなります。

 さらにジェット戦闘機の時代が到来すると、より速い戦闘機を補足するためアメリカ海軍の「テリア」や、イギリス海軍の「シースラグ」など艦隊防空ミサイルの開発が始まり、1950年代には一般的な武装となりました。

 同じ時期、ソビエト連邦では艦砲のかわりに、艦船を破壊可能な艦対艦ミサイルが積極的に開発されるようになり、アメリカ海軍でも砲のかわりに艦対艦ミサイルを搭載する傾向が強くなります。

「誘導の効かない艦砲や対空機銃を搭載するくらいならばミサイルを配置した方が効率的」という考え方で、一時期はアメリカ海軍のロングビーチ原子力ミサイル巡洋艦イギリス海軍の22型フリゲートのように、ミサイルしか搭載しない艦船も登場します。ところが、現在もアメリカ海軍のズムウォルト級駆逐艦で問題になっているように、ミサイルのコストは通常の砲弾よりはるかに高いため、砲全てをミサイルへ転換するには至りませんでした。

技術の進歩で艦砲は生き残るも…?
 
アメリカ海軍の戦艦「ニュージャージー」。写真は1944年に撮影されたもので、3連装の主砲や多数の銃座などが見える(画像:アメリカ海軍)
 艦砲に関しては戦後しばらくすると、コンピュータ制御の導入や砲身冷却などのシステムにより、精度と発射速度が格段に進歩し、近距離戦用や対空用に単装の小口径艦砲が配備されるようになります。

 さらに対空用機銃のかわりとして、バルカン砲など、戦後開発された発射速度の速い動力式のガトリング砲などを搭載し、システムを完全自動化したCIWS(小型艦砲)も開発されます。これは航空機だけではなく、対艦ミサイルの迎撃も想定した防御火器でした。

 しかし2022年現在、対艦ミサイルの高性能化によってCIWSでは迎撃が困難であると指摘され、近接防空ミサイル(RAM)と併用されるようになっており、再びミサイルが主流になる可能性もあるようです。

 ここまでを簡単にまとめると、かつての軍艦は発射速度の遅く、命中率の低い銃砲を「数撃ちゃ当たる」といわんばかりに甲板へ多数、配置していましたが、現在は砲自体の発射速度や命中精度が向上し、またミサイルの登場もあって、銃砲を所せましと配置する必要がなくなったために、スッキリとした印象を受けるというわけです。

 ちなみに模型の世界では、細かい突起物の多い大戦型軍艦は作りごたえや達成感がひと味違うと、愛好する人も多いようです。
斎藤雅道(ライター/編集者)

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