権藤サンでは、二刀流を理解できない。

プロ野球に於ける、権藤サンの投手だった現役時代やコーチや監督での実績は素晴らしいモノだ。しかし、ソレはあくまで"投手一本"に賭けた育成だ。カレは、大谷翔平の二刀流についても否定的だった。野球そのものへの考え方が、専門志向?アメリカ的?いや私立的?少なくとも国公立的ではない。

マチュア野球、特に中高生の野球に於いて、4番エースはフツ~にあるコトだ。野球に於いて、打順はどのポジションの選手であれ、順番に1度ずつだ。打撃に優れていれば、なるべく打席が早く回るよう、前の打順に入る。後は、出塁に優れればより早い打順、適時打できるなら3~5番になるイメージだ。優れた打者であれ、優れた投手の打順であれ、1/9でしかない。投手も打者として期待できるなら、チームとして攻撃力が1割以上上がる。

それは、なまくら化した大学や社会人野球ではダメ、今日負けたら明日のないシビアな高校野球で育成されるのだ。花巻東大谷翔平は3年春甲子園に出た。肉離れで投手として真価を発揮できなかったが、春夏制覇の藤浪晋太郎からホームランを打った。夏は県予選準決勝敗退したが、全日本では4番を打った。大阪桐蔭・根尾昴は、もっと優れている。柿木や横川らとマウンドを分担し、ある時はローテで先発、ある時はリリーフした。まして、高校生としては最高レベルの遊撃手、決勝でも吉田輝星からホームランを打った。

カレの資質を、投手オンリー権藤サンの物差しでは計れないのだ。

できれば、カレなら投手だけでなく、捕手もやらせて欲しい。今の捕手は、激しい体当りも食わない。投手やれば、リードへの考え方もデキるし、捕手リードやるコトで打撃にも活かせる。足も速く、肩も強い。

NPB初、栗原やキムタクを超える、全ポジションOKなプロ野球選手として、メジャーに行って欲しいと思う。

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中日・根尾をダメにする立浪監督の朝令暮改、私なら本格的に「投手」をやらせる(権藤博
5/14(土) 9:06 Yahoo!ニュース
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打線で試行錯誤が続く根尾だが…(C)共同通信社
権藤博の「奔放主義」】

 またか……という思いでいる。さる10日のヤクルト戦で一軍復帰した、中日の根尾昂(22)のことである。

【写真】日本ハム新庄監督がトレードで狙う「3人の名前」

 プロ4年目を迎えた今季、根尾は外野手としてスタートした。決断したのは立浪和義監督で、就任早々、「外野で勝負させる」と明言。実際、開幕前には登録を昨年までの内野手から外野手に変更した。これまで、勝負するポジションが定まらず、あっちへフラフラ、こっちへフラフラとさせられていただけに、これで腰を据えてレギュラー取りに臨める、と楽しみにしていた。

 しかし、4月21日に一軍登録を抹消されると、立浪監督が今度は遊撃への再コンバートを決断したのだ。

 まあ、いい。遊撃はもともと、本人が希望しているポジション。聞けば、指揮官自ら本人に再コンバートの方針と意図を説明したという。そこまでしておいてさすがに、2度の朝令暮改はないだろう。

 そう思っていたら、一軍復帰戦で右翼を守っていたのだ。中日は今、主力野手にコロナ陽性者が相次ぐ緊急事態。それにしても、である。

■たらい回しにされるくらいなら……

 いまだに球団、首脳陣の腰が定まらないなら、いっそ、投手に転向させるのも手だと思う。根尾は大阪桐蔭高校時代、二刀流として活躍。主戦投手として、甲子園の春夏連覇を達成した。投手としても非凡なものを持っている。プロでは本人の希望もあって野手に絞ったが、もともとは投げて打って、自分のリズムをつくってきた。プロ入り後、打撃で試行錯誤が続いているのは、本人の問題以上に起用法に原因があるというのが私の考えだ。今からまた投手をやって通用するほどプロは甘くない、という意見はあるだろう。

 確かに、甘くはない。でも、今後も一軍と二軍、内野と外野をたらい回しにされるくらいなら、二刀流に挑戦させた方が、間違いなく本人の精神衛生上にはいいと断言できる。

 二軍降格中、根尾は8日のウエスタン・リーグ阪神戦で遊撃からマウンドに上がり、“プロ初登板”を経験した(3分の2回を3安打1失点)。片岡篤史二軍監督も粋なことをすると思ったが、なにより本人が「すごくうれしかった。機会があればまた投げていきたい」と高校時代以来となる甲子園での登板を楽しそうに振り返っていたのが印象的だった。

 セの首位争いを牽引するヤクルトには今年も生きのいい若手が出てきている。我慢強く起用する高津臣吾監督の胆力が選手の成長を促している。高津監督なら根尾をどう使うか。聞いてみたい。

権藤博/野球評論家)

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