オートバイで6気筒やるなら・・・V6?

まず、並列などという呼称はオートバイ限定のモノだろう。単なるエンジン形式なら、直列やV型やW型やL型などで良いし、縦置や横置と付ければ良いハズ。

オートバイはサイズの乗り物だ。着座状態で、ハンドルを適切に動かせないといけない。適切な倒し込みのため、バンク角の確保も必要だ。つまり、エンジンに割けるスペースは、前後方向は腰の位置とヒトの胴と手の長さで正三角形に近い姿勢に、左右方向はヒトの肩幅程度に収めて、作る必要がある。

つまり、オートバイで横置(並列に)するなら、4気筒までの幅が適切なのではない?V型ならV6、コンパクトさに配慮できればV8迄はアリか。縦置(直列に)するにも4気筒までの長さ迄のように思う。縦置V8、コンパクトさに配慮できれば5気筒行ける?V10縦置のオートバイ、コンセプトで出ないかな?

直列でも並列でも、6気筒までの幅も前後長も、苦しいように思う。

 

 

 

 

 

 

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BMW製1600cc 6気筒が最後の灯火?」並列6気筒はなぜバイクで主流とならなかったのか
2022/06/05 08:00 モーサイ9

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2輪で並列6気筒が普及しなかった理由

並列6気筒がモーターサイクルの世界で普及しなかった理由は、「サイズと重量」と言われている。とはいえ、筆者はそれ以外にも2つの理由があるのではないか……と言う気がしている。
MVアグスタ、ホンダ、ベネリ、カワサキ、スズキの並列6気筒車を紹介した項に続いて、当記事ではBMW K1600シリーズの素性に触れ、そのうえで、このエンジン形式が2輪の世界で一般化しなかった理由を考えてみたい。

【画像17点】いわば超精密機械! BMWはバイク用に「1600ccストレート6」を造っていた

4輪のイメージを2輪に転用したBMW

4輪では長きに渡って「ストレート6」を代名詞として来たものの、まさかBMWが、2輪の並列6気筒車を作るとは!? 2009年のミラノショーで同社が公開した、「コンセプト6」を見た人の多くは、そう感じたのではないだろうか。とはいえ、BMWは2011年から並列6気筒を搭載するK1600シリーズの市販を開始し、現在では、GT、GTL、グランドアメリカ、Bの4機種がラインアップに並んでいる。

K1600の開発ベースは、2005年から発売が始まった並列4気筒のK1200/1300シリーズで、並列6気筒エンジンだけではなく、メインパイプを地面と水平に近い角度で配置したアルミフレーム、フロントのデュオレバー式サスなども、K1200/K1300の技術を転用している。

言ってみればBMWは、手堅い手法を選択したわけだが、そんな中で唯一、K1600シリーズならではの特徴と言えるのが、6本のインジェクターを備えつつも、スロットルボディが1個しか存在しないことである。4輪では珍しくないけれど、1気筒当たり1スロットルボディ、あるいは2気筒当たり1スロットルボディが普通になっている2輪の世界で、この方式は貴重と言っていいだろう。

前述したように、現在のBMWは4種類のK1600シリーズを販売しているが、いずれもキャラクターはツアラー指向で、乾燥重量は最軽量のGTでも295kg。その数値に対する是非はさておき、コンセプト6路線のモデルが登場しないことには、物足りなさを感じる人がいるんじゃないだろうか。とはいえ、K1600シリーズを販売して10年以上が経過したBMWが、そういったモデルを作らないことを考えると、並列6気筒車にスポーツ性を求めるライダーは、あまり多くないのかもしれない。

BMW コンセプト6
BMW製並列6気筒車のデザインスタディモデルとなったコンセプト6は、未来派カフェレーサーと言いたくなる雰囲気。とはいえ、実際に市販されたK1600シリーズに、こういったスポーティな仕様は存在しない。

BMW K1600シリーズ
2011年から発売が始まったK1600GT/GTLは、並列4気筒のS1000RRと共に、BMWの進化と革新を世界にアピール。現代の基準だと驚きは感じないけれど、K1600シリーズ全車に共通する、最高出力160ps、最大トルク17.8kgmという数字は、歴代市販並列6気筒車の最高値。

世界GP/MotoGPで行われた気筒数制限

さて、当記事含み3回に渡って並列6気筒を搭載する2輪車を紹介して来たが、ここからは筆者が考える、2輪の世界で並列6気筒が普及しなかった2つの理由を記してみたい。

第一に挙げたいのは、ロードレースの最高峰である世界GP/MotoGPの気筒数制限だ。1949年から始まった世界GPは、当初は気筒数に関しては自由だったのだが、1960年代にホンダ/ヤマハ/スズキの多気筒車が驚異的な強さを発揮したため、1960年代末のFIMは気筒数制限を設定。

具体的には、50cc:単気筒、125/250cc:2気筒以下、350/500cc:4気筒以下という規制が設けられ(50ccは1969年、125ccと250ccは1970年、350ccと500ccは1974年から)、以後の2輪メーカーは、5気筒以上に対する意欲を持ちづらくなっていった。

ただし、名称を刷新して最大排気量クラスの主力が4ストロークとなった2002年のMotoGPでは、30年以上ぶりに気筒数制限が見直されたのだ。
3気筒以下:135kg、4/5気筒:145kg、6気筒以上:155kgという最低重量制限は存在したものの、エンジン形式は並列6気筒でもV型8気筒でもOK。そんな中でレギュレーションの盲点を巧みに利用する形で、圧倒的な強さを発揮したのが、V型5気筒を搭載するホンダ RC211Vだったのである。

もっとも、2007年に排気量上限が1000→800ccに縮小されると、最低重量に関しても、2気筒:135kg、3気筒:142.5kg、4気筒:150kg、5気筒:157.5kg、6気筒以上:165kgという見直しが行われ、5気筒の優位は消滅。
この変更を受け、ホンダはエンジンをV型4気筒にスイッチした。そして2012年には、気筒数は4以下という規制が設けられ、またしてもロードレースの最高峰クラスにおける、5気筒以上の出番は無くなってしまったのだ。

FIMがこういった規制を設定して来た背景には、コスト抑制やイコールコンディション化という狙いがあったと言われている。もちろん、それはそれで否定するべきではないのだけれど、結果的に気筒数制限は、世界GP/MotoGPにおけるエンジンのバラエティ感を奪い、その事実は量産車にも多大な影響を及ぼしたと思う。

■500ccV8エンジンを搭載したモトグッツィのレーシングマシン「オットー・チリンドリ」
1949年から始まった世界GPの500ccクラスで、当初のモトグッツィは伝統の水平単気筒とクランク横置きの120度Vツインを主軸としていたが、1952年には直列4気筒車、1955年には水冷V型8気筒車を開発。

■ホンダ RC211V
2002/2003年のMotoGPで圧倒的な速さを発揮したRC211Vは、モーターサイクルの歴史で初となるV型5気筒エンジンを採用。ちなみにケニー・ロバーツ率いるチームKRも、2003/2004年に独自のV5レーサーを走らせたが、こちらは目立った戦績は残せなかった。

6気筒のネック「排気量と価格設定の難しさ」
第二の理由は排気量と価格設定の難しさだ。部品点数の多さを考えれば、並列6気筒車の価格はどうしたって高価になるもので、そうなるとメーカーとしては、フラッグシップ以外にこのエンジンは採用しづらいのである。

個人的には、エンジン重量やサイズ、さらにはハンドリングに及ぼす影響などを考えると、普通のライダーが気軽にスポーツライディングが楽しめて、エンジン性能をフルに満喫できる2輪の並列6気筒車はミドル以下ではないか……と思うのだが、メーカーの立場になって考えれば、それはなかなか具現化できない夢だろう。

例えば、現在の250ccクラスで絶好調のニンジャZX-25R(82万5000円~)を打ち負かすため、ホンダがRC165/166の再来と言うべき並列6気筒車を製作したら、価格は安く見積もっても150万円以上になるはずだ。
そんなモデルが登場したら、一部の好事家は狂喜乱舞しそうだけれど、150万円以上の250ccが爆発的なヒットモデルになるとは思えない。残念ながら2/4輪の世界では、大排気量車は高く、小排気量車は安いというのが、大昔から変わらない定説なのである。

そういう定説があっても、現代の技術で製作されたミドル以下のスポーティな並列6気筒車が登場したら、乗ってみたい!と感じるライダーは少なくないと思う。
さすがに250ccは難しいとしても、500~750cc前後の並列6気筒車なら、価格が200万円前後でも購入するライダーはいるんじゃないだろうか。とはいえ、エコロジーどころかガソリン車の廃止が話題になる昨今の事情を考えると、今後の2輪の世界で並列6気筒の新型車が登場する可能性は、ほとんどないのかもしれない。

カワサキ KZ1300
1979年に登場したKZ1300。北米市場における新車価格は、同時代に販売された空冷並列4気筒のZ1000シリーズを1000ドル以上も上回る、4695ドルだった。もちろんそれは、1300ccだから実現できた価格だろう(なお、1979年の円相場は1ドル230円台)。

■ホンダ RC166
1960年代中盤の世界GPにおけるホンダの主力エンジンは、50cc:並列2気筒、125cc:並列5気筒、250/350cc:並列6気筒、500cc:並列4気筒で、いずれも動弁系はDOHC4バルブ、カム駆動はギアトレイン式。

レポート●中村友彦 写真●八重洲出版BMW/ホンダ

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