RWDは、MR2に引き継がれたが・・・。

レビン/トレノやジェミニやノア/ボクシーやアルファード/ベルファイアがFF化で成功?単なるミーハーライターならいざ知らず、モータージャーナリストとしてなら、その見方はおかしくない?

レビン/トレノやジェミニは、あくまで入門車だ。トヨタAE86レビン/トレノをワンクッション置いてFR⇒FF化した。品揃えとして、FFユニットでRWDのクルマは、AW11MR2が存在していた。だから、最初のクルマを選択する上で、あくまで第1に安さがあれば良かった。AE86ユーザーが、そのままAE92に乗り換えたワケではない。ジェミニも然りだ。AE86ユーザーは、S13シルビアやSW20MR2に行ったろうし、奥さん子供デキたらマークⅡ系に行ったろう。

ノア/ボクシーやアルファード/ベルファイアの場合は、ファミリー向け実用車なのだ。後は、カジュアルであろうがゴージャスであろうが、ペイロードを広くデキれば良いのだ。その上で、量産性に優れたクルマになれば良く、トヨタ販売網が売り捌いてくれただけだ。

 

 

 

 

 

 

 

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FRからFF化でクルマ好きはガッカリ! そんな声を跳ね返して大成功を収めたクルマ4台
6/12(日) 11:40 Yahoo!ニュース
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「FF化で大成功」は決して珍しいことではなかった
 
歴代レビン/トレノでもっとも売れたモデルとなっているAE92。
「スポーツカーは後輪駆動じゃないと!」という見方は根強い。ブームを超えて定番モータースポーツとなったドリフトの影響もあって、若いユーザーでもスポーツカーはFRが絶対的! と考えている人は多いのではないだろうか。

【写真】「AE92」のフロントスタイリング!

 今回は、そんなFR至上主義者の幻想を打ち砕いた「FRからFFになって成功したクルマ」を振り返ってみよう。

 まずは異論反論を承知のうえでこのモデルから。そうFRスポーツカーの象徴ともいえるトヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノだ。AE86の型式で知られるFRのレビン/トレノがFFのAE92型になったのは1987年5月のこと。このとき筆者は18歳だったが、リアルタイムでいえばAE86の価値が爆上がりしたという記憶はない。

 世間的にはハイソカーブームであり、ワイルドなAE86よりもFF化したことでスマートになったAE92のほうに価値があるというムードだった。いわゆる峠の走り屋においても、当時はドリフトよりもグリップ走行メインであり、同じ1.6リッタークラスではFFのホンダ・シビックが速さを見せていた影響もあって、けっしてAE92の評価は低くはなかったと記憶している。実際、速さで比べるとAE86よりAE92のほうが勝っていたのも事実だ。

 30年以上経って振り返ると、あのタイミングでレビン/トレノをFF化したことは失敗に思えるかもしれないが、当時としては「速くて、かっこいい」と高く評価された面もある。実際、AE92は歴代のレビン/トレノの中で最多販売モデルとなっている。ビジネス的にはFF化で成功したといえるのだった。

ミニバンの分野ではFF化のメリットは大きかった
 同じく1980年代にFRからFFになったことで成功したといえるのが、いすゞジェミニだ。初代ジェミニゼネラルモーターズのグローバルカー構想に基づいたFRプラットフォームで、後期には1.8リッターツインカムエンジンを積んだZZグレードがイメージリーダーとなるなどFRスポーツらしいモデルだったが、1985年にフルモデルチェンジでFF化するとイメージを一新。

『街の遊撃手』というキャッチコピーと、パリの街を縦横無尽に走りまわるテレビコマーシャルの影響で、むしろコンパクトでキビキビ走るクルマに進化したことが高く評価されることになった。パステル調のカラフルなボディ色が設定されたことも人気を呼んだ。まさにFF化による成功例といえる。

 一般論でいえば、FFのメリットはキャビンを広くとれることにある。そうした点を求めてFRからFFに変身したモデルがトヨタのミニバン「ノア」だろう。商用1BOXのアーキテクチャをベースにした初代モデル(タウンエースノア/ライトエースノア)は、セミキャブオーバーのスタイルとスライドドアという要素はミニバン的だったが、乗り心地やハンドリングは商用車的で、ファミリーカーとして評価するには微妙なところもあった。

 そのため、当時FFの乗用プラットフォームをベースに作られた同クラスのミニバン、ホンダ・ステップワゴンには販売面でも評価の点でも差をつけられていた。

 そんなタウンエースノア/ライトエースノアは、2001年11月のフルモデルチェンジでFFプラットフォームを採用した。あわせて車名からもタウンエース/ライトエースという商用チックな響きを持つ部分を外し、「ノア」という名前に変えている。そこからの快進撃は言わずもがなで、日本車の歴史においてはFF化による最大の成功例といえるかもしれない。

 トヨタのミニバンには、もうひとつFR→FF化での成功例がある。それが「グランビア」から「アルファード」へのドラスティックな進化だ。

 グランビアというのはトヨタ初の3ナンバー専用ボディを持つ高級ミニバンで、そのデビューは1995年。この当時はクラウンに象徴されるように高級車は後輪駆動という認識が強く、グランビアは欧州向けハイエースアーキテクチャを利用して作られた。

 モデル途中の改良でトップグレードに3.4リッターV6エンジンを積むなど、高級ミニバンらしい進化を遂げていった。しかし、FRレイアウトゆえに前から後ろまでプロペラシャフトを通すために高床になってしまう部分があり、そこは乗降性やパッケージでは不利といえた。

 そんなグランビアの事実上の後継車といえるのが、キング・オブ・ミニバンの「アルファード」だ。アルファードは初代からフロントにエンジンを横置きしたFFプラットフォームを採用していることはご存じのとおり。アルファードの販売実績をみれば、FR→FF化が成功したことを疑う余地はないだろう。
山本晋也

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