チゼタ・モロダーV16Tを見て想う。

チゼタV16T、ランボルギーニミウラを超えたDOHCV型16気筒NAエンジンを横置にしたクルマだ。

このクルマは、池沢さとしのマンガ「モデナの剣」で、主人公剣フェラーリのイタリアでのライバル、パトレーゼが開発とプロモーションを兼ねて日本を走り、剣のテスタロッサか512TRに抜かれてたんじゃなかった?

ネバーエンディングストーリー」らのG・モロダーとランボルギーニミウラやカウンタックのM・ガンディーニの名前が並んだ。

しかし、個人的に1人足りないと思った。ミウラの途中でランボルギーニを去った、J・P・ダラーラだ。横置V12ミウラを作った。ランボルギーニダラーラが留まり、ミウラの改善を完遂していたら、またミウラ後継の横置V12車両を出していたら、他にもフェラーリがディノ246GTや308GTBに続くV12横置を出していたら、クルマの歴史は変わっていたのではない?

今もダラーラはクルマを作っている。しかし、カーボンモノコックに直4ターボだ。ワザワザ、生産効率悪くコストや値段のハネ上がる、バカなカネ持ちからボッたくるためだけのクルマだ。昔からレーシングカーを作り続けて来たカレなら、安く軽く剛性十分なクルマを量産するなら、鋼管フレーム或はアルミパイプフレームにFRPカウルだとわかっているハズなのだ。

ペラペラ鋼板やアルミ板モノコックは勿論、カーボンモノコックもコストや量産性の問題で論外だ。自動車メーカー、キチンと研究して来てノウハウ残しているなら、わかり切っているコトだ。

70~80年代には鋼管やアルミフレームにFRPカウルで、300馬力600キロのGCカーが走っていた。コレに保安部品取付し量産できたら、今のバカ価格バカ車重バカ馬力より、遥かに良い2座スポーツカーになるハズ。40年以上、クルマ作りは迷走し続けているのだ。

 

 

 

 

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なんとV型16気筒エンジンを横置き! リトラのヘッドライトは上下2段! わずか15台生産の「チゼタV16T」という異色スーパーカー
6/17(金) 17:30 Yahoo!ニュース
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自らの名を掲げるスポーツカー製作の夢追い人がここにもひとり
 
2段構えのリトラクタブルヘッドライトが印象的なスーパーカー「チゼタV16T」。スーパーカーを作ることを志していた有志たちが生み出したマシンだ。デザインには巨匠「マルッチェロ・ガンディーニ」が関わっている。
 今回は、さまざまな運命に翻弄された一台のスーパースポーツを紹介しようと思う。それは1988年に第一号車が完成したチゼタV16T。いや、正確にはこのとき、チゼタ・モロダーV16Tというネーミングを与えられたイタリアン・スーパースポーツカーだ。

【拡大画像】 チゼタ・モロダーV16Tのリトラクタブルヘッドライト!

 チゼタ・モロダーという社名は、同社を設立したふたりの人物、ランボルギーニ出身のエンジニアであり、またメカニックのクラウディオ・ザンポッリのイニシャル、C.Z.のイタリア語読み、「チゼタ」と、作曲家として世界的な成功を収めていたジョルジョ・モロダーのファミリーネームである「モロダー」を組み合わせたものである。

 ザンポッリはランボルギーニを退職後、長らくアメリカのカリフォルニア州で同社の正規ディーラーを経営していたが、自らの名を掲げるスーパースポーツを作り上げるために、その成功をステップに再びモデナへと戻り、モロダー氏からの資金提供を受けニューモデルの開発をスタートさせることになったのだ。

 スーパースポーツカーメーカーが数多く存在するモデナやその周辺には、小規模な台数のモデルを生産するためにも、フレキシブルに対応してくれる企業が数多く存在する。クロームモリブデン鋼で組み上げられたスペースフレームなどは、それら企業の協力によって成し遂げられた典型的な例で、さらにスーパースポーツの核ともいえるエンジンの調達には、ランボルギーニ出身のエンジニアによってモデナに設立されていた、テクノスティーレ社がそれに協力した。

クルマとして異様なディテールを持つ稀代のスーパーカー
 
エンジンはV16気筒という特徴的な構成で、パワーも500馬力以上出ていた。しかし、大ヒットすることなくさまざまな理由によって生産を終えてしまった幻のスーパーカーである。
 デザインはもちろん、ランボルギーニミウラやカウンタックでお馴染みのマルッチェロ・ガンディーニ。これだけのチームが組織されれば、後発メーカーとしても十分なインパクトを持つスーパースポーツカーを誕生させることができる。そして、実際に完成したファーストモデルのチゼタ・モロダーV16Tは、間違いなく斬新で刺激的なデザインとメカニズムを持つモデルに仕上げられていたのである。

 まずはそのデザインを改めて鑑賞することにしよう。強いウエッジシェイプを持つそのスタイルは、一説にはランボルギーニディアブロの後継車として提案されていたものとも噂されるが、たしかにその空気の壁を切り裂くかの如きシルエットや、リヤホイールアーチなどのディテールは、ガンディーニならではのフィニッシュである。

 フロントのリトラクタブルライトは上下2段式。リヤフェンダー上にはエンジンルームに効率的にエアを導入するためのスリットが存在するが、それが水平方向に並ぶのはファーストモデルのみのデザインとなっている。

 リヤミッドに搭載されるエンジンは、T(=Transverse)の文字から想像できるように、横置きされる6リッターのV型16気筒DOHC。これは、ランボルギーニ・ウラッコP300用のV型8気筒エンジンを2基接続したものと噂され、組み合わされる5速MTはその中央部分から縦置き搭載される仕組みだ。つまり、それでパワートレインは「T」の文字が構成されるということになる。もちろん、シンプルにエンジンの搭載方法がトランスバース(横置き)だと考えることも可能だが。注目の最高出力は、このプロトタイプでは560馬力を主張していたが、後の生産型では520馬力にデチューンされた。

 チゼタ・モロダーV16Tは、1989年のジュネーブ・ショーでワールドプレミアされ大きな話題となるが、デリバリーの遅れからチゼタ・モロダー社の経営は徐々に厳しくなり始める。結局、モロダー氏はこのプロジェクトから撤退し、モロダーの名前が消えたチゼタ社は、苦難の中8台のプロダクションモデルを製作した後に倒産。ザンポッリはここから8年という歳月を経て、再びカリフォルニアへと戻り、ここでチゼタ・アウトモビリUSA社を設立。V16Tの生産を再開するものの、ここでも商標権違反や輸入関税法違反など、さまざまなトラブルに翻弄されてしまう。

 結果的に、これまでチゼタが生産したV16Tは15台とされているが、その中にはオープン仕様も存在する。チゼタ復活の日は訪れるのか。できればニューモデルの誕生とともに、その日を待ちたいというのが正直な気持ちだ。
山崎元

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