本来、あるべき姿、あるべき性能、あるべき価格だったの?

トヨタAW11初代MR2。レビン/トレノ以外、全部FF化されたコンポーネンツを流用して、ミドシップに仕立てた。

見本としては、フィアットX1/9だったろうが、馬力はトヨタ4AGの方があった。

実際に、ミドシップを手掛けて、どんなクルマになるのか、期待はあった。しかし、4座⇒2座だしプロペラシャフトも不要で、コンパクトな外観の割に、レビン/トレノより重くなった。エンジンとミッションとデフまでを一体化したFFユニット、キチンとマウントするにはペラペラ鋼板溶接モノコックではダメで、みっちり補強する必要があった。本来、エンジン&ミッションとデフをシャフト結合するFRと、エンジン&ミッション&デフを一体化したFF/ミドシップでは制振を再考せざるを得なかった。

結局、2代目MR2は4AG⇒3SGに換装され重量増を馬力&トルクアップで相殺したが、3代目となるMRSは3SG⇒1ZZになり小型化&排気量ダウン、クローズドクーペ⇒オープンになってしまった。

トヨタとしても、キチンとコスト&スペック管理して、作り続ける気はなかった。

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【伝説のスポーツカーたち】 トヨタ初代MR2 あの頃は手頃だったミッドシップスポーツ
6/20(月) 11:40 Yahoo!ニュース
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トヨタ初代MR2
※寄稿元:月刊自家用車編集部(内外出版社)

[関連写真8点!!]~【伝説のスポーツカーたち】 トヨタ初代MR2 あの頃は手頃だったミッドシップスポーツ~

手軽に安価にミッドシップの走りを楽しめるトヨタが本気で育てたコンパクトスポーツ
1980年代に入ると、日本は円高とともに好景気に沸き返る。国内自動車メーカーは、商売になるクルマだけでなく、未来への投資として冒険的なクルマの開発も許されるようになっていった。

トヨタも当時の豊田英二社長の「常識では考えられないひと味違ったクルマがあってもいいのではないか」という檄のもと、日本初の量産ミッドシップスポーツカーの開発に着手。

1983年東京モーターショーに「SV-3」という試作車を出展、翌1984年に初代MR2がデビューする。限界点は高いが破綻すると技術が要求されたスリリングなハンドリング、上級カローラ並みの手頃な価格など、2シーター車としては異例の販売台数を記録した。

本格ミッドシップスポーツ。エンジンを前車軸と後ろ車軸の内部に搭載する方式をそういう。それは高性能車のもの、外国の高価なスポーツカーだけに許されたレイアウトだと長い間思われてきた。しかしトヨタがそれを開発しているらしいと噂が流れ、やがてそれは現実のものとなる。1984年、MR2の名前で市販が開始された。

前後ストラットサスペンション、後部に直列4気筒エンジンを横置きし、直線を基調にしたスポーティなクルマの多くのコンポーネントは、カローラから流用したものだった。

この頃から、新しいボディに自社の持つ最良のパーツを組み合わせるという生産手法が多く取られていくようになった。開発費を抑え、車両価格に反映させるにはこの手法がもっとも適していたからだ。

車両価格は139.5万円から。マニア垂涎の的だったミッドシップ車がカローラの上級車とそれほど変わらない価格で手に入るようになったのも、このような開発手法の恩恵によるものだった。

エンジンは、前年に発表されたレビン/トレノに搭載された1.6L直列4気筒DOHC(1.5L SOHCもラインナップ)。ミッドシップのセオリーに則ったハンドリングは、まさにオン・ザ・レール。ドライビングハイをオーナーにプレゼントしてくれた。

■初代MR2の変遷

1984年(昭和59年)6月日本初のミッドシップエンジン車として初代MR2発売開始。車名の由来は ミッドシップランナバウト・2シーター。 ’84-’85年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに選出。
1986年(昭和61年) マイナーチェンジ。Tバールーフスーパーチャージャー(44A-GZE型エンジン)追加。
1989年(平成元年) フルモデルチェンジで2代目へ。

■主要諸元(1600Gリミテッド・1984年)
●全長×全幅×全高:3950㎜×1665㎜×1250㎜ ●ホイールベース:2320㎜ ●車両重量:1060㎏ ●エンジン(4A-GE型):水冷直列4気筒DOHC1587㏄ ●最高出力:130PS/6600rpm ●最大トルク:15.2㎏・m/5500rpm ●10モード燃費:10.6㎞/ℓ ●トランスミッション:4速AT ●最小回転半径:4.8m ●乗車定員:2名 ●価格:200万7000円(東京地区・1984年当時)


●文:月刊自家用車編集部

※本記事は月刊自家用車2019年10月臨時増刊号「時代を駆け抜けた伝説のスポーツカーたち」に掲載された記事を再構成したものです。
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月刊自家用車編集部

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