2代目レジェンド、こんなモノ、誰も望みはしなかった!

ホンダレジェンド、NSXの陰に隠れていたが、このクルマやビガー系も・・・縦置FF、一体誰が望むと思ったか?ビガー系みたいな直5なら、横置だと幅広くなってしまうが、V6なら横置でも十分だった。

縦置のFFに、一体、何のメリットがあるのか?縦置するなら、FRにすれば、別の顧客を取り込む可能性もあった。

レジェンドはガセだった。

まあ、実質的にこのエンジンのヘッドをVTEC付ツインカムにしたのが、NSX用だ。専用設計にしたから、コスト的に丸乗りした。別に大したエンジンではない。

今井美樹のドラマ「意外とシングルガール」で、藤井フミヤのバラードCRXと並んで、村上弘明がレジェンドのクーペで出て来た。

でも、それだけだった。

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バブル期に誕生したホンダ2代目「レジェンド」は凄かった! V6縦置き「FFミッドシップ」の高級セダンの先進性とは
7/10(日) 11:40 Yahoo!ニュース
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ホンダが誇るフラッグシップ「2代目レジェンド」は何がすごかったのか?
 
当時のホンダらしいロー&ワイドなスタンスが魅力の2代目ホンダ・レジェンド
 1985年にホンダのフラッグシップとして登場したレジェンド。初代モデルは国産初となる運転席エアバッグの搭載や、世界初のFF用トラクションコントロールシステム、ホンダとして久しぶりのターボとなる低燃費を実現したウイングターボを搭載して話題を集めた。ここではバブル期の1990年にデビューした2代目レジェンドを振り返る。

【画像】いま見ても色褪せない2代目レジェンドのクール過ぎるクーペスタイル(全30枚)

ホンダらしい都会的でスポーティなスタイリングでデビュー
 2代目レジェンドの特徴は、まずスタイリッシュであったこと。ライバルたちが「昭和」を引きずった1980年代のデザインだったとすると、このレジェンドは新時代と言える「平成」のスタイリングであり、押し出しの強い大きなグリルもなければ、ボンネット上のマスコットはなくメッキモールも控えめ。当時のホンダらしい端正ですっきりとした都会的なものを感じさせた。
 もちろんホンダのフラッグシップモデルだけあって、最小限ではあったがメッキモールでグリルやウインドウを強調した感はあるが、左右に広がる比較的薄目のヘッドライト形状はスポーティ。大きくはないもののフロントフェンダーのふくらみは、ボンネットの上部にまで達することからボンネットを低く見せる効果があり、ロースタンスを強調。フロントフェンダーからドアハンドルを経由してリヤまで伸びるキャラクターラインはリヤトランク側にまで回り込み、決して奇をてらったものではなく全体としてまとまりのあるスタイリッシュなボディシルエットの持ち主だった。

インスパイアに倣いFFながらフロントのショートオーバーハングを採用
 それを実現したのが縦置きのV6エンジンで、FFでもフロントオーバーハング(前輪から前の短さ)を達成するために縦置きのFF駆動レイアウトを開発。日本では初代アコードインスパイア(1989年発売)や3代目ビガー(1989年発売))が直5を縦置きにしてその恩恵を受けて大ヒットとなったが、レジェンドもエンジンレイアウトこそ異なるがその恩恵を受ける形となった。
 また、2代目レジェンドは安全性や環境性能を重視したことで、日本車初のシートベルトプリテンショナーや助手席用エアバッグを装備。運転席用エアバッグは引き続き採用されたのはもちろん。ABS(当時のホンダ表記はALB)、トラクションコントロールシステムやドア内部にある側突安全性を高めるドアビームなど、安全性においても非常に高いレベルにあった。これは日本よりも北米での販売を重視した結果なのだが、もちろん日本市場でも他銘の国産車に対して一歩先を行くホンダの安全性を広める結果につながった。

理論値だけじゃなく走行中に感じ取れるハイレベルな剛性感を発揮
 安全性能をさらに掘り下げると、ホンダ社内でそれまで基準としてきた剛性感と剛性値の見直しによって、実際の数値と走行中に感じられる性能との相反する関係を見直し、新しい骨格(フレーム剛性)を追求。室内部分やその前後、補強や外板の厚板、さらに部材の結合部を見直すことで、高級素材=高価にならないホンダらしいアイデアと工夫が随所に取り入れられた。
 もちろん静粛性もしっかり追求されており、高コストにつながる静粛性の向上はもちろん、遮音効果が高いハニカムフロアや制振材などを採用。欧州や北米といった自動車先進国と同じボディ構造とすることで、コストダウンを実現しながら、生産国を問わず同じクオリティで生産→輸出できるという製品クオリティの均一化と安全性能を実現した。
 その結果、ボディの静剛性では、曲げ剛性が先代比で130%、ねじれ剛性で132%、キャビンの剛性で127%、キャビンの体積変化率で139%と剛性をそれぞれ向上。昭和の時代に揶揄された“ホンダのボディはやわだ”という評価を変えさせることになった。また安全性にも起因する前後重量配分は前60:後40を達成。さらに3.2L V6エンジンの搭載によってFFミッドシップ化を実現した。

高剛性ボディに軽量コンパクトな3.2L V6を縦置きで搭載
 その3.2L V6エンジン(C32A型)は、低回転域のトルク感を重視。先代同様の90度バンクのV6ながら新開発の1カム4バルブとして、軽量化に努めながら新開発の吸気システムを採用。ロッカーアーム内蔵の小型油圧タペットの実現により吸排気効率を向上させ、圧倒的な加速性能と低燃費を両立した。さらに等長排気のディストリビューターレス+直接点火システムを採用。PGM-FIもあって、最高出力215ps/5500rpm、最大トルク30.5kg-m/4500rpmを誇った。
 当時の日本車は、少しアクセルを踏んだだけ多くの燃料を噴射させて出足の加速感をアピールするなか、アクセルを少しだけ踏んだ状態では反応をあえて抑えた、欧州車が得意としてきたドライバーの操作に対して性能がリニアに応えてくれるスロットル設計としていた。このようにホンダは事故につながらないようにする安全性にも配慮しており、現在のような最新の電子デバイスがない時代に、適切なセッティングでドライバーや乗員が安全であること守り通すことが基本だと、操縦安定性も含めて追求していたことがわかる。
 加えてフロントにダンパーtoダンパー・ストラットバーを、リヤにはダンパーtoダンパー・クロスメンバーを採用。ステアリングビームを助手席側まで伸ばしたうえにピラーtoピラー・ステアリングパイプを通して、操縦性と安全性にこだわったのもホンダらしい哲学の賜であった。それはトランクも同様で、ヒンジスティフナーやアームの断面の大型化を図って高剛性を実現。遮音材も含めてホンダが作る高級車のスタイルをこだわり抜いた。

ロングホイールベースのFFモデルながら5.3mの最小回転半径を実現
 こうした優れたボディとエンジン性能を発揮させるためのFFミッドシップは、前後重量配分が60:40になることから、当然ハンドリング性能も向上。トランスミッションはインスパイア&ビガーで実績のある、二軸並行の水冷オイルクーラー付きデフ別体式の縦型をベースに、新設計の電子制御4速ATを採用した。当時のホンダ自慢の7ポジション式ATはロックアップ領域の広さもあって、4速から2速へのキックダウンや2速から3速4速へのシフトアップのショックを低減。快適=高級ではなく、走りにもこだわるホンダの哲学がそこかしこに散りばめられていた。
 それは2910mmというロングホイールベースのFFながら、最小回転半径5.3mを実現する。アルミ合金製のサブフレームはボルト締めとラバーマウントの新構造とし、柔らかめのスプリングに対して大容量のバンプストップラバー、ピストン径が拡大されたショックアブソーバとその取り付け部位を大型化。大型のFF車としては珍しい大き目のキャスター角の設定やトー変化を可能な限りゼロにする構成とセッティングは、“ホンダがFFでも高級車は作れるのだ!”と感じさせる執念だったのではないか?

ニッチな装備として夏冬切り替え機構付きワイパーを採用
 ドライバーズカーでありながらインテリアも全面ソフトがテーマ。インパネおよびドアライニングのアッパー部分とロアカバー、グローブボックスとコンソールを同一素材として同一製法で成形。色調やシボ(模様)の統一化を図って連続感のあるデザインとしたほか、三次元本木目パネルを用いた天然木パネルを採用した。本革シートに加えて100%ウールモケットのシートは肉厚で大柄になったことで、乗り心地にも貢献する。グレードによって異なるものの、シート調整は12に及ぶ仕様や前後シートヒーター仕様も設定するなどプレミアムにももちろんこだわり抜いた。
 面白い装備としては、夏冬切り替え機構ワイパーというニッチな機能があり、ワイパーの駆動系を一体アルミ合金のフレームにマウントしたワイパーは、通常はマウントされた低い位置からスタート。しかし積雪で雪が積もった時に一番下にまで下がることでワイパーがロックされないよう、通常よりも高い位置から拭き始めるようにしてワイパーシステムの破損を防止する工夫がなされていた。その狙いは、FRの高級車は豪雪地帯では駆動特性上安全に運転することは難しく、レジェンドのような高級FF車のほうがラクだろうという考えから生まれたと考えられる。世界的に見ても4WDを採用する高級車は数多くあるが、ホンダが得意とするFFのメリットを最大限に活かしたというワケだ。

レジェンドの革新性は継承されるも絶版に……
 どこか日本の都会的なスマートらしさが感じられて2代目レジェンドは、デビュー翌年の1991年には2ドアクーペも登場。ホンダらしいライバルとは違うホンダの高級車としてさらに人気を集めることになる。それだけにレジェンドは新しい風を吹かせた高級車として定着すると思われていた。
 ところが、意外にも二代目にオプション設定であったメッキモールが売れたことに影響されたのか? 3代目レジェンドは良くも悪くも“わかりやすい”コンサバな高級車になってしまいその魅力を失う。その後、280ps自主規制を打ち破った4代目や、世界初の自動運転レベル3という大きなトピックを発信した5代目が登場するも、2022年1月に販売終了となっている。
 初代レジェンドは英国メーカーとのしがらみがあり、手探りのなか誕生。2代目でいち早くホンダらしさで地位を確保したにも関わらず、その後は前述の通りレジェンドの名は迷走していった。洗練されていた新しい風を吹き込んだ日本の高級車である2代目のレジェンドだが、その志があれば現在のホンダの立ち位置も違うものであったのではないか? とホンダファンのひとりとしてはそんな想像をかき立ててしまう。


■ホンダ・レジェンド α(KA7型)主要諸元
○全長×全幅×全高:4940mm×1810mm×1405mm
ホイールベース:2910mm
トレッド 前/後:1550mm/1540mm
○車両重量:1590kg(サンルーフ付き1610kg)
○最低地上高:155mm
○乗車定員:5名
○最小回転半径:5.3m
○室内長×室内幅×室内高:1920mm×1475mm×1130mm(サンルーフ付き高は1080mm)
○エンジン: C32A型V型6気筒SOHC 24バルブ
○総排気量:3206cc
○最高出力:215ps/5500rpm
○最大トルク:30.5kg-m/4500rpm
○タイヤサイズ 前後:205/65R15
○ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
○サスペンション 前後:ダブルウィッシュボーン式
佐藤幹郎

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