一体、何が言いたいの?休養?再調整?

ミスタートリプルスリー、今年は苦しんでる。そんなトシもあるのではない?それでも、巨人岡本くらいの数字だ。去年は、ヤクルト日本一と東京五輪で大変だったのだ。今年は村上のトシだ。コロナ他で少しカレもチームも調子を落としているが、マジックこそ消えても、まだセーフティーリード。奥川がいなくなったシーズンを独走している。

山田がマークされてるから、村上が打てているのだ。

逆に、村上マークに変われば、ミスタートリプルスリーが目を覚ます。

背番号1云々は必要か?確かに若松や青木らの引き継いで来た、球団挙げてのリーダー=背番号1だと理解する。リーダーという言葉に、負担しかない気がするから。個人的には、山田が背番号23を自分の番号として確立する道を行って欲しかった。

三冠王でもなくトリプルスリー、ソフトバンク柳田とヤクルト山田、メジャーに行くコトも断念した2人。それぞれの道を、迷わず確立して欲しいと思う。

 

 

 

 

 

 

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最大の危機に見舞われたヤクルト・山田哲人の復活をわたしたちは静かに待ちたい
8/13(土) 11:12 Yahoo!ニュース
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山田哲人が、かつてないほど苦しんでいる
 
山田哲人
 山田哲人が、かつてないほど苦しんでいる。攻守に精彩を欠き、彼本来のパフォーマンスをまったく発揮できていない状態が続いている。長年にわたって第一線で活躍し続けてきた勤続疲労による影響なのか、あるいは故障、コンディション不良を抱えながらの出場なのかは判然としないけれども、何か重大な問題を抱えているように感じられて仕方がない。

 山田はあまり感情を表に出すタイプではない。浮かれて調子に乗るタイプでもない。マスコミ受けするような発言も、スポーツ新聞の見出しになるようなキャッチーなコメントを発するわけでもない。ただ淡々と、ただ黙々と、常に第一線でヤクルトを背負い続けてきた。その山田が、かつてないほどもがいている。

 ツイッター上では「山田哲人」がトレンド入りしていた。それは、肯定的な意味ではなく、否定的なニュアンスでのものだった。あるいは、ヤフーで「山田哲人」と検索すると、「不調」「打てない」といった関連ワードが表示される日々が続いている。こうしたものも含めて、ネット上では山田にまつわるさまざまな意見が飛び交っている。

 それらを眺めてみると「批判的な意見」「擁護する意見」に大別される。「引退勧告」や「他球団への放出」など、なかには過激な意見も散見されるけれど、批判的意見にしても、山田を擁護する意見にしても、大半は「一時休養を」「ファームで再調整を」、あるいは「下位で気楽に打たせてみれば」といった意見が目立つ。いずれにしても、「山田の実力はこんなものではない」という思いが、その根底にあるように見受けられるのだ。

 いったい、山田哲人はどうしてしまったのだろう?

歴代背番号《1》に祝福された幸せな男
 山田哲人には一度だけインタビューしたことがある。そのときには、「ミスタースワローズ」の象徴である「背番号《1》」を背負うことの意味をメインテーマに据えた。若松勉池山隆寛岩村明憲、そして青木宣親が輝かしい歴史を築いてきた背番号《1》を、山田が受け継いだのが2015(平成27)年オフのことだった。この年、ヤクルトは真中満監督の下、14年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、山田はトリプルスリーを達成している。

 青木宣親が渡米して以来、4年間空白だった背番号《1》を山田が背負うことにチーム内外、そして歴代「ミスタースワローズ」からは何も異存がなかった。僕の取材に対して、彼らはこんな言葉を残している。

「山田には、最多安打のタイトルを獲得した14年から“今年頑張って、堂々と《1》をつけなさい”って言っているんです。去年も、今年も大活躍をして、十分《1》に相応しい選手だと思います。山田は配球も読むし、追い込まれても粘ることができるし、ホームランも打てる。インサイドのさばきもすばらしい。うまくひじを畳んでバットのヘッドの重さを利用しながら、グンッとスイングが速くて……。あんなになるとは思わなかったなぁ」(若松勉

「14年の段階で、球団内には“山田に《1》を”という話はあったし、僕自身も“背番号《1》は球団の顔だけれども、山田なら大丈夫だと思います”と答えました」(池山隆寛

ヤクルトの《1》は特別なもの
「ヤクルトの《1》は特別なものだという思いが、僕には今でもあります。だから、トリプルスリーを達成した山田はもうすでに《1》をつけていい選手だと思います。彼はそれを背負っていける人間ですよ。だから、自覚を持たせるためにも《1》を与えるのはアリだと僕は思いますね」(岩村明憲

「ヤクルトの《1》は特別な番号。プレーだけではなく、人間的にもチームを引っ張っていってもらいたい」(青木宣親

 歴代背番号《1》の英雄たちに祝福されて、このときから山田の新たな歴史がスタートしたのである。彼の応援歌のフレーズを借りるならば、まさにそれは「夢へと続く道」の始まりだった。これを受けて、「背番号《1》への思い」を尋ねたのだ。開口一番、山田は言った。

ミスタースワローズと言われる番号で、偉大な方たちがつけてきた」
「“いつかつけてみたい”という思いはありました。小さい頃から《1》をつけたことがなかったし、ヤクルトでは《ミスタースワローズ》と言われる番号だし、これまで偉大な方たちがつけてきた番号ですから」

 いきなり、山田の口から「ミスタースワローズ」というフレーズと「偉大な方たち」というフレーズが飛び出して僕は一気に興奮した。

「若松さんからは、以前から“頑張って、この番号をつけられるような選手になれよ”って言われていました。池山さんには“この番号をつけてもいいですか?”って、一応、確認をしました(笑)。青木さんには、“よかったやん、頑張れよ”って言われたんですけど、岩村さんからは“まだユニフォームに着られているぞ”って言われましたね(笑)」

 さわやかな笑顔、こぼれる白い歯が印象的な瞬間だった。

日本一決定直前に見せたキャプテンシー
 2010年の新人選手入団発表会において、山田ははにかみながら得意の逆立ちを披露して花道を歩いた。2019年、つば九郎主演ドラマ『つばめ刑事』では、まったく感情を感じさせない「グローブヲヌスマレマシタ」という抑揚のないセリフが、つば九郎から「せりふがぼうよみ」といじられた。そして、記憶に新しいのが昨年の東京オリンピック決勝後、自ら村上宗隆に「お姫様抱っこ」をせがんで、満面の笑みで写真に納まったこともあった。

 しかし、喜びにしろ、怒りにしろ、悔しさにしろ、山田が心から感情を爆発させたシーンが思い浮かばない。昨年の日本一、『Number』の表紙を飾ったのは満面の笑みで雄叫びを上げながらジャンプする村上の姿だった。あるいは、この試合後、瞳を濡らす青木宣親中村悠平川端慎吾の姿は、強く印象に残っている。

 あの瞬間、極寒のほっともっとフィールド神戸において、山田はどんな佇まいだったのか? 日本一が決まった最後の打球処理をしたのが山田だった。高いバウンドのゴロを無難にさばいてファーストに送球。「アウト」の瞬間を見届けると、山田は万歳をしてマウンドに向かっている。実はこの少し前、とても印象的なシーンがあった。

握りしめたこぶしを三度、自らの胸に力強く打ちつけ…
 延長12回裏、二死一塁の場面だった。「あと一人」で日本一が決まるというところで、中継カメラは山田をとらえる。このとき山田は、口を真一文字に結び、マウンド上のマクガフを鼓舞するべく、握りしめたこぶしを三度、自らの胸に力強く打ちつけた。そして、そのこぶしをマクガフに向かってやはり力強く差し出したのだ。その表情、佇まいはいずれも実にカッコよかった。

 当日、球場にいた僕はその場面には気がつかなかった。しかし、後に録画で確認すると、このシーンが記録されていた。このとき、「あぁ、これが山田流の感情表現でありキャプテンシーなのだな」と理解すると同時に、「言葉によらない激励もあるのだな」ということを再認識した。

山田はいま、来るべき日のために、じっと耐え忍んでいる
 冒頭に掲げたように、山田哲人は、かつてないほど苦しんでいる。コンディションについては外部からはうかがい知ることはできないけれど、山田は今、じっと耐え忍んでいる。来るべき日に向けて、ぐっと歯を食いしばっている。これまで、あまりにも順調な選手生活を過ごしてきた山田に試練が訪れている。あの日、無言でマクガフを激励した山田は黙して語らず、現状打破のために試行錯誤しているはずだ。

 試合後のベンチで一人沈思する姿に胸を打たれる。感情を表に出さないからこそ、その苦悩の濃さがより強く感じられるのだ。山田のバットから再び快音が響く日を誰もが待ちわびている。彼にとって初めて訪れた最大の危機。歴代「ミスタースワローズ」はもちろん、ファンの期待を一身に受けて、山田がどうやって立ち直るのか? ファンはもちろん、山田自身も辛いだろうけれども、今はその日が来るのを信じて静かに待ちたい――。

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長谷川 晶一

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