ホンダNSX、期待を裏切るクルマの象徴!

ホンダNSX、初代2代目とも、期待を裏切るクルマだった。イヤ、確信犯的にイベントやマスコミを使い、ファンの期待を掻き立て膨らませた挙げ句裏切った。

別に、ただの変わったクルマとして出すのなら、ソレでも良かった。しかし、シンボルカー/フラッグシップカーとして出すなら、明らかにダメなクルマだった。初代2代目とも、マトモにレースに使えないクルマだった。せめて、エボリューションモデルだけでもサーキット用にキチンと別開発すれば良かったが、それすらしなかった。

本田宗一郎が経営から引いた時点で、クルマ作りがおかしな方向へ変わった。平気で規格をハミ出す寸法を増やしたし、ディーラーやモーター屋で対応できないアルミなど、迷走の限りを尽くした。挙げ句、工場新設が収支を悪化させ、第2期F1撤退を招いた。

今頃、二輪四輪レース部門をくっ付けHRC(元々二輪レース部門だった)にしたが、40年遅い。もし、NSXをアルミ製にするにも、アルミフレーム構造にしてHRCや二輪工場の技術を使えていたら、V6ツインターボでもV8でもV10でもV12でも受け止めるミドシップシャシーを作れていたろう。'87年迄のF1総監督桜井叔敏サンが、市販車開発に異動して数ヶ月で辞めたりもしなかったろう。

2代目NSX、4WDもハイブリッドも、誰も望んでいなかった。一体、こんなクルマにどんな魅力を植え付けたつもりだったのか?GT3レースにはエンジンオンリーのミドシップ、今はドンガラだけのFRすら走らせている。

NSX、ホンダのクルマ作りが破綻した象徴なのだ。タイプRは、チョコっと変えて軽くしてドカンとカネを取る、ニッサンGT-R商法と同じだ。

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生産終了間近でもNSXは超魅力的な和製スーパーカーだった! ホンダのスポーツカーに未来はあるのか?
12/2(金) 20:40 Yahoo!ニュース
システム最高出力は427kW(581ps)、システム最大トルクは646Nm(65.9kgf・m)。
まもなく生産終了となるホンダのスーパースポーツNSX」に、あらためて大谷達也が試乗した。そして、ホンダのスポーツカーの将来を考えた。

【写真を見る】NSXの細部をチェック(15枚)

毎日乗りたいと思わせるスーパースポーツカー
ホンダNSXに試乗した。

タイプSじゃない“普通のNSX”だけれど、生産終了が間近に迫っているだけに、NSXは“いつ、また乗れるとも知れぬ存在”になりつつある。

そうでなくともNSXは私の大好物。“乗ってくれ”と、言われればいつでも喜んで試乗するし、乗るたびに新たな感動なり発見があるのがNSXというクルマの特別なところ。今回も、試乗しているあいだに、なんだかいろいろなことを考えてしまった。

そんな、私の心を走馬燈のように駆け巡っていった“NSXへの思い”については後述するとして、まずは試乗した印象を綴っておこう。

試乗車は、限りなく純白に近いホワイトに塗装されていた。ちなみに、このボディカラーは「130Rホワイト」と呼ばれているそうだ。130Rといえば、泣く子も黙る鈴鹿サーキットの名物高速コーナー。そんな名前をボディカラーに使うなんて、ホンダさん、ずいぶんと泣かせてくれますねぇ。

ただし、普通に街中を走っている限り、NSXはそんなレーシーな雰囲気を微塵も感じさせない。スーパースポーツカーにしては長めのサスペンションストロークが路面のうねりを鷹揚に吸収してくれるので、乗り心地は快適そのもの。

ハイブリッドシステムが組み合わされたV6エンジンは低回転域でも柔軟な特性が与えられているうえにレスポンスも良好だから、ストップ&ゴーが繰り返される渋滞路でもストレスを感じにくい。したがって実用性は極めて高く、もしも手に入れることができたら毎日乗りたいと思わせるスーパースポーツカーだ。

それでもワインディングロードに足を伸ばせば、鼻先がいかにも軽そうな鋭敏なハンドリングを示してくれるし、路面を捉えるロードホールディング性も優秀なので不安感はゼロ。ロールやピッチといったボディの動きも巧みにコントロールされているので、コーナリングを思いっきり楽しめるはず。V6エンジンが高回転域で発する咆吼も、なんとも刺激的だ。

一般道では快適なのにワインディングロードでも優れたパフォーマンスを発揮できるのは、NSXのボディ骨格がしっかり作り込まれているほか、バランスが良好な車両レイアウト、そして幅広い領域で理想的な接地性を生み出す足回りなどの相乗効果によるものだろう。スポーツカーとしてのこうした基本性能が際立って高いからこそ、標準タイプのNSXはもちろんのこと、限定モデルとして発売されるやいなや、その争奪を巡って一大騒動が巻き起こったタイプSのようなモデルができあがったと推察される。

この辺が、いかにもホンダらしいクルマ作りだと思う。

目指せ! ホンダ スポーツのレギュラー化
1台のスポーツモデルを作るとき、適当なところで妥協することなく、どこまでも性能を突き詰めてしまう。NSXの場合はたまたまいいバランスで落ち着いたけれど、歴代タイプRや初期型「S2000」のような「超とがったスポーツモデル」を作るのがホンダは大の得意。その伝統は、最初期のスポーツモデルである「S600」「S800」にも表れているし、こちらも最終モデルを巡って争奪戦が繰り広げられた「S660」についてもいえる。

どれも性能はバツグンに高く、ある意味で超ピーキーな性格だったせいで、熱狂的なファンを生み出してきた。それがホンダのスポーツモデルと、ホンダ スポーツを愛するファンの関係性だと思う。

そんな、やり始めたらトコトン突き詰めちゃうホンダの姿勢はもちろん大好きだが、いっぽうで、短命に終わったり、販売台数が少なかったりするのも事実。それとともに残念でならないのが、継続的に販売されるスポーツモデルで構成された“ホンダ スポーツ”のラインナップがいつまで経っても出来上がらないことにある。

「いやいや、そんなありきたりなレギュラーモデルは要らないでしょ」というコアなファンの意見もわからなくはないが、スポーツモデルを開発する施設や人員を、散発的なモデルだけのために維持するのは自動車メーカーにとって大変な負担だ。それに、ユーザーが安心して乗り続けられるモデルを提供するためにも、ホンダ・スポーツのある程度のシリーズ化とポートフォリオの構築はとても大切なんじゃないかなと私は思う。

そのいいきっかけとなりそうなのが、先ごろ発売された「シビック タイプR」だ。ホンダ・スポーツの開発に長年関わってきた開発主査の柿沼秀樹さんは、先代のタイプRがよく売れたからこそ、新型の開発にも思い切って予算を投じることができたと語っている。その、新型タイプRが、ただ速いだけでなく、ドライバーに寛容な性格が与えられていることは、すでに鈴鹿サーキットでの試乗記でリポートしたとおりだ。

こうした「多くのファンに受け入れてもらえる」→「会社がうるおう」→「より多くの開発費を投じられる」→「いい製品ができて多くのファンに受け入れてもらえる」という好循環は、残念ながらこれまでのホンダ スポーツの歴史ではあまり見られなかったこと。しかし、こうした流れこそが、ホンダ スポーツのレギュラー化やポートフォリオの構築には必要なはずだ。

先日、鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPでは、ホンダのF1復帰に向けた確かな胎動を感じ取ることができた。「朝令暮改だ!」との声があるのは事実。

でも、ホンダが出ているF1と、ホンダが出ていないF1では、どちらが日本人ファンにとって楽しいかと問われれば、答えは自明の理。私自身は、ホンダのF1復帰を心から期待している。

そして、その裏付けとするためにも、ホンダ スポーツのレギュラー化、ポートフォリオ構築は極めて重要なテーマだと思う。

2022年4月に行なわれた「Honda 四輪電動ビジネス説明会」では、その最後の最後でNSXの後継モデルと思われるイラストがちらっとだけ公開されたけれど、この程度では到底、満足できない。お手軽スポーツからフラッグシップまで、ホンダ スポーツがラインアップ化されることを私は夢見ている。
文・大谷達也 写真・小塚大樹

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