ホンダ、NSXに次ぐ裏切グルマ、CRXデルソル

80年代中盤、第2期ホンダF1はエンジンサプライヤーとして成功、二輪と合わせて四輪でもモータースポーツ最高峰を制した。

その象徴として、二輪のNR、四輪のNSXを鈴鹿サーキット他のイベントにちょい出しするようになった。NSXは中嶋悟やA・セナを走らせ、V6ツインターボ、V8、V10、V12らの期待を持たせ、'87年までのF1総監督桜井叔敏を市販車開発に異動させた。

オートバイは時間こそかかったが、NR750を出したが、NSXは搭載エンジンに散々期待を膨らませた上で、ただのV6NAという最大の裏切を働いた。桜井サンは着任から数ヶ月もせず辞めていた。

VTECのインテグラシビック、CRXとFF車として好評を博したが、トヨタMR2への対抗やマンガにもなったFF車のミドシップ化もあり、CRXのミドシップ化は期待された。しかし、出て来たのは誰も望んでない電動タルガトップだった。

以後、この手の誰も望んでないクルマをいけしゃあしゃあと出す社風に変わった。

S2000をFRとして出した時も、誰も望んでないオープンカー、車幅ハミ出し3ナンバー、エンジンは単なる2リッターVTECでしかなかった。3ナンバー無差別級にするなら、3リッターV6ターボのFRにすべきだった。

本田宗一郎が経営を退いて以降、ホンダがこんな会社ななろうとは、悲しい限りだ。

 

 

 

 

 

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【功労車のボヤき】ホンダ CR-Xデルソル「中途半端な存在感こそが、今となっては新鮮で貴重じゃおまへんか?」
2022.12.06 20:00掲載 カーセンサー 16
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誕生秘話、武勇伝、自慢、愚痴、妬み……。

耳をすませば聞こえてくる中古車たちのボヤきをお届けするカーセンサーEDGE.netのオリジナル企画。今回は、特殊なルーフ機構をもつの2シーターオープンスポーツのCR-Xデルソルが物申す!!

【功労車のボヤキ】シリーズの過去記事はこちら

メキシコの覆面レスラーちゃうで

おいらの名は、デルソル。

メキシコの覆面レスラーちゃうで。

誰それ? やないわい。ホンダのCR-Xデルソル様や。

デルソル(delsol)とは、スペイン語で「太陽の」ちゅう意味や。その名のとおり太陽の日差しを浴びながら楽しく走れる、(当時としては)画期的なオープンルーフを採用した2シーターモデルやで。

CR-Xといえば、スペシャリティクーペとして走り好きな若者に人気を博した「バラードスポーツ」だろって?

それは1983年にデビューした初代のCR-Xやないか。 CR-Xといえば、リアエンドの「エクストラウインドウ」がオシャレだった「サイバー・スポーツ」だろって?

そうそう、MTのSiRには憧れましたな……。

って、おい! それは87年登場の2代目CR-Xやないかい。その次や、3代目や3代目! その次は……。2010年に誕生したハイブリッド車CR-Z

な、なんでやねん。

「FFライトウエイトスポーツ」という新ジャンル

1992年に3代目として登場した、CR-Xデルソル様が忘れ去られるのも無理はない。たいして売れへんかったからな。

バブル景気が崩壊しつつあり、スペシャリティクーペの人気も冷めて、先代の2モデルとは時代背景が違ったんやな。

もちろん、社会や市場の変化はお見とおしやった。だからこそ3代目では、そのコンセプトを変えて大きくイメージチェンジを図ったわけや。 そもそもCR-Xは、シビックの兄弟車であるバラードの派生車種として、「FFライトウエイトスポーツ」という新ジャンルを切り開くべく投入されたモデルなんや。

シビックより150mmもホイールベースを切り詰め、リアをスパッと切り落とした独特のファストバッククーペのボディをまとった初代(バラードスポーツCR-X)は、その切れ味鋭いハンドリングで多くの走り屋を熱狂させたもんよ。

2代目は、車名からバラードが外され「ホンダ CR-X」になった。キャッチフレーズは「サイバー・スポーツ」。

時代は、まさにバブル景気の始まりや。初代のコンセプトを引き継ぎながら、デザインはより洗練されたものとなって、走り好きだけでなくオシャレな若者たちのハートも射止めたんや。

が、時代は変わりつつあった。

まさに時代が求める明るく楽しい車

1989年に登場して世界的な大ヒットとなった「ユーノス ロードスター」の影響も大きかったと、おいらは思うてる。

時代は、明るく楽しい車を求めるようになってたんやな。カッコいいファストバッククーペよりも、もっと気軽にドライブを楽しめる、文字どおりオープンな車を。

1991年に発売されたビートも人気を集めてたしな。 そやけど、ビートは軽自動車や。ほんなら普通車でも一発かましたろかいな、と考えたかどうかは知らんけど、ともかく新たに市場に投入されたのが、フルモデルチェンジした太陽のように明るい「CR-Xデルソル」だったちゅうわけや。

おいらの最大のセールスポイントは、「トランストップ」と名付けられた電動オープントップ。

先代でもサンルーフが外側に開く「アウタースライドサンルーフ」が人気やったけど、「トランストップ」は、スイッチ操作でスチール製のルーフごとトランクルームに格納することができたんや。 ようするに、今で言う電動オープントップのはしりやな。当時は画期的やったんやで(アルミ製のトップを手動で取り外す仕様もあった)。

快適なオープンドライブを手軽に楽しめて、さらにVTECエンジンで走りもOK。まさに、時代が求める明るく楽しい車、それがおいら、だったはずなのに……。

今こそ、まったく新しい車として

あぁ、それなのに……。デビューから5年後の1998年には生産中止や。5年間で、たったの1万5千台しか売れへんかった。

理由は、いろいろ考えられる。結局のところ、中途半端だったんやろな。

画期的なオープントップとはいえ完全なオープンカーとは呼べず、走りがいいとはいえトランストップのおかげで車重は100kg増し……。

硬派なスポーツモデルとしてのそれまでのイメージと、軟派なスペシャリティモデルとしての新たなイメージを上手く結びつけることができんかったのかもしれんな。

ここだけの話し、なによりも、おいらは「デルソル」というメキシコの覆面レスラーみたいな、ようわからんネーミングが良くなかったんやないかと思うてる。

いっそのことCR-Xの3代目ではなく、まったく新しい車種としてデビューさせてもろたらよかったのかもしれん。ユーノス ロードスターみたいに、単純明快なネーミングで。

しかし、やで。その中途半端な存在感こそが、今となっては新鮮で貴重じゃおまへんか? 何にも似ていない、まったく新しい車として。

170馬力のVTECエンジンを搭載した、オープントップのスポーツカー。重たくなったと言っても、車重は1000kgちょいしかない。しかも5MTだって選べまっせ。

誰それ? と言われる車なら、きっと他の人とかぶることもありまへんしな。 CR-Xデルソルの中古車を探す▼検索条件ホンダ CR-Xデルソル×全国文/夢野忠則 写真/ホンダ

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