今のクルマ、ステアリング交換しにくい!

ワタシは長く、規制前エアバッグナシのクルマに乗って来て、外国車でもあったので、ワザワザ国産車なら変えていたかも知れないモモやナルディー交換などは考えなかった。

最初に乗ったニッサンS12シルビアRXEはパワステナシだったから、ハンドル半径は大きくても良かった。ハンドルスポークの隙間にメーターが見えないといけないから、適度な大きさで良かった。S12シルビアRS-Xに買い替えてパワステになったが、メーターの見やすさも変わりなかった。ソコからR34スカイライン25GT-Vに買い替えたら、ハンドルは小さめでエアバッグも着いてしまった。アルピナB12-5.0BMWは小さめでエアバッグナシだった。ポルシェ996カレラは小さめでエアバッグもティプトロニックスイッチも着いていた。もはや、ハンドル交換などデキなかった。

 

 

 

 

 

 

 

********************************

モモにナルディ……どうして昭和人はハンドル替えたがり勢が多かった!?
2022.12.12 01:02掲載 ベストカーWeb 25
1/5
Next
 すべてみる
全5枚
スカイラインの価格・グレード・レビューなどの情報を見る
今のステアリングといえばオーディオに先進安全装備を操作するボタンがズラっと配置されている。だからこそ社外品に丸っと交換! なんて人はかなり少数に。

だが、かつてのクルマ好きはタイヤ&ホイール交換と同じノリでハンドルも自分好みのブランド品に交換していたのだった。でも、どうしてあんなに交換する人が多かったんだ!? もしやモテたの?

モモにナルディ……どうして昭和人はハンドル替えたがり勢が多かった!?

文/小鮒康一、写真/TOYOTANISSANMAZDADAIHATSU、AdobeStock(トップ画像=funkyfrogstock@AdobeStock)

■今やボタンだらけのハンドル……交換はマイナーなカスタムに

2021年登場の現行型トヨタ アクアのステアリング。操作用のスイッチ類がびっしりと組み込まれている

運転中はほぼ常に触れることになるステアリング。それだけに自分の感覚にマッチしたしっくりくるものを使用したいと考えるのは当然のこと。

ただ最近では純正ステアリングの質感などもかなり向上したほか、オーディオや運転支援系などのスイッチもステアリングのスポーク部分に組み込まれていることが多い。そのため、ステアリングを交換するという行為自体がかなりマイナーな存在となってしまっている。

ただしロードスターや86/BRZなどの一部のスポーツ系車種などにおいては、純正ステアリングに備わっているスイッチを移設してステアリング交換を可能とするキットなどもリリースされており、今でもステアリング交換をするユーザーは一定数存在しているようだ。

■Z31にセリカXXも見た目が……当時のハンドルはデザインがイマイチだった!!

日産 フェアレディZ(Z31前期)のステアリング。当時の「現代的」を考えてデザインされているのだろうが、クルマ好きからすると「コレジャナイ」感が漂い、交換したくなるのも頷ける

では逆に、かつてのクルマ好きはなぜこぞって純正ステアリングから車外ステアリングへと交換を行ってきたのだろうか? 当時はクルマのカスタマイズの第一歩としてステアリング交換から入るユーザーも珍しくなく、カー用品店にもさまざまなステアリングが所狭しと陳列されていた時代もあったのだ。

当時、なぜステアリング交換がカスタマイズの主流だったのかというと、それはやはり純正ステアリングがとてつもなく野暮ったかったからにほかならないだろう。

80年代前半のスポーツカー、例えば初代のセリカXXやフェアレディZ(S130~Z31前期)など、今見てもスポーティなフォルムを持つモデルであっても、標準で備わるステアリングはA型の2本スポークかつ、明らかに大径のステアリングが標準装備となっていたのである。

一方、当時の社外ステアリングと言えば、今でも多くのファンを抱えるMOMOのプロトタイプやナルディのクラシックなど、T型スポークを持った小径かつスポーティなものがすでに存在しており、これらのステアリングに交換することでようやくスポーツカーのコックピットと呼べるスタイルを手にすることができたというワケだ。

■90年代に再ブーム!? もう一回盛り上がったワケって

日産 スカイライン(R33)のステアリング。3本スポークのスポーティなものが標準装備されることも珍しくなくなった

90年代に入ると純正ステアリングのデザインもかなり向上し、スポーツカーには3本スポークのスポーティなものが標準装備されることも珍しくなくなってきた。しかし、ここで再びクルマ好きがステアリングを交換したくなる事案が発生する。それが90年代半ばから標準装備化が進んだエアバッグである。

事故が起きた際に瞬時に膨らみ、ドライバーを守ってくれるエアバッグの装着は歓迎したいアイテムだったが、その一方でエアバッグ付の車両のステアリングは再び野暮ったいデザインに舞い戻ってしまったのである。

こちらも例を挙げるとR33型のスカイラインGT-R(前期型)では、エアバッグレスの仕様では3本スポークのステアリングが標準装備となっていた。その一方で、エアバッグ付とすると、同時期のマーチと同形状の4本スポークの実用車っぽいデザインのものとなってしまっていたのだった。

日産 スカイライン(R33)のエアバッグを装備したステアリング。4本スポークでもっちりとしたデザイン。当時の技術的にはエアバッグの小型化にも限界があった

また当時はエアバッグの本体も今ほど小型化がなされていなかったこともあって、エアバッグ付のステアリングは再び大径となってしまったことや、大きく重いエアバッグ一式がステアリングに備わることでステアリング自体の重量が増加し、軽快なステアリング操作がスポイルされると感じるユーザーが多かったのも再びステアリング交換の需要が高まった一因と言えるだろう。

このようにさまざまな理由で交換されることが多かった純正ステアリング。現在では冒頭にもお伝えしたように、純正ステアリングにさまざまな機能が集約されている点や、ステアリングヒーターなどの快適装備が備わる車種も増えてきたことによって、ステアリング交換という行為自体が下火になってしまっているのは間違いないところ。

とはいえ、今でも自分に合ったステアリングでドライブを楽しみたいと考えるユーザーも一定数おり、クルマを乗り換えてもステアリングだけは引き継いでいるというツワモノも存在しているほどなのだ。

********************************