池沢さとしミュージアム、ポルシェカレラRS

ちゃんと池沢さとしサーキットの狼」をちゃんと読んだヒトなのだろうか?主人公風吹裕矢のライバル、早瀬左近とは若手ナンバーワンレーサー飛鳥ミノルのスポンサー、早瀬電機の御曹子である。スポンサーの関係で、飛鳥ミノルは早瀬左近にレーシングテクニックのコーチをしていた。一方で、レースクイーンもしていた風吹裕矢の姉ローザと結婚しようとしていた。早瀬左近の妹が、後に風吹裕矢の妻となるミキ。コレくらいの人間関係は必要だ。

ロータスヨーロッパを駆るロータスの狼風吹裕矢とポルシェカレラRSを駆るナチス軍総統早瀬左近、初対決は首都高。早瀬が四輪ドリフトで風吹を抜けば、風吹は邪魔したトラックを利用して早瀬を抜いた。風吹のロータスヨーロッパのスタビライザートラブルで、早瀬のポルシェカレラRSが抜き返した。

ロータスヨーロッパ対ポルシェカレラRSは飛鳥ミノルの招きで富士スピードウエイ、公道グランプリと続いた。トヨタ2000GTを駆る隼人ピーターソンを挟み、公道グランプリ終盤、風吹のロータスはスタビライザー、早瀬のポルシェはトラックからの木材積荷落下によりオイルパン破損のトラブルを抱えた。最終コーナーを回ったトコで、風吹のロータスはハイスピードコーナーリングで横転&滑走、早瀬のポルシェはオイル切れに依るエンジンブロー。公道グランプリ自体は風吹のロータスヨーロッパが制した。

その後、風吹裕矢は谷田部行雄の援助を受けロータスヨーロッパの修理&ターボ装着、早瀬左近はポルシェ930ターボに乗換、第2ステージへと移るのだ。

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劇中車を再現した車両は、リアルでもレースに使用されていた車両
12/13(火) 6:05 Yahoo!ニュース
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美しいシルエットにボリューミーなラインが特徴的なポルシェカレラ。サイドの「Carrera」の文字にかかるマーカーとホイールのカラーを統一。他にもレッドのタイプなどもあった
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

>>【画像22枚】丸いヘッドライトはポルシェ911の象徴的デザインの1つ。基本的なデザインは変わることなく、現在まで継承されていることから、当時の完成度の高さを感じる

風吹裕矢ロータスの宿命のライバル
激闘を繰り返す早瀬佐近のカレラ

【 1972年式 ポルシェ カレラ RS2.7】

 しかし、そのドライビングテクニックは主人公の風吹とは対象的で、常に冷静な判断を下すスマートなドライビング。ナチス軍という凶暴なイメージからかけ離れた、冷静沈着、かつ、やさしさが見え隠れし、読者の心をつかんだキャラクターでもあった。

 早瀬は早くからプロレーシングドライバーに師事。ドライビングテクニックを磨き、プロレーサーとなったのだが、モナコグランプリでクラッシュしてしまい、この世を去った。

 ナナサンカレラは一時、評価価格が1億円を超えるほどの人気を博していた。希少性ゆえに大切に乗るオーナーが多いなか、この撮影車両は実際にクラシックカーレースに参戦した実戦派。ロールケージが組み込まれ、レーシングカーらしい仕様になっている。

 劇中にあった、ドア側面のハーケンクロイツマークはないが、実際に激しいバトルを繰り返した個体なのだ。

 

1972年式 ポルシェ カレラ RS2.7
SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●4147×1652×1320mm
ホイールベース●2271mm
トレッド 前/後●1372mm/1394mm
車両重量●1075kg
エンジン●空冷水平対向6気筒 SOHCリアエンジン
総排気量●2687cc
最高出力●210ps/6300rpm
最大トルク●26.0kg-m/5100rpm
生産年●1972~191973年
生産台数●1580台(RSR含む)
生産国●ドイツ
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。

 

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部

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