週刊少年ジャンプ連載、北条司「キャッツアイ」

週刊少年ジャンプ連載、北条司「キャッツアイ」、ワタシが高校大学で読んでいた。当時はあだち充ビッグコミック連載「みゆき」週刊少年サンデー連載「タッチ」もあった。

「キャッツアイ」当時、徳弘将也「シェイプアップ乱」や「ジャングルの王者ターちゃん」の影響もあり、ダラダラ話で繋いだ時期や、下ネタも挟み始めたが、次作「シティーハンター」ほど汚れる前に終わった。

完結編は、確かに脱出後に次女瞳が記憶喪失になり、オルゴールの「海の曲」からリフレインだ。しかし、本来連載の最終回、国外高飛びの飛行機の開いた搭乗口の瞳に向かって、「オレから逃げられると思っているのか?コレはオマエにハメる手錠だ!」と、瞳が返した婚約指輪を投げ渡す方が名場面だった。

このライター、きっとちゃんと読んでなかったか、忘れているか、どちらかだろう。

この話は、この完結で良かったろうと思う。結婚や父親との再会を描くには、それまでのストーリーより陳腐に終わるリスクもあった。

あだち充「タッチ」がテレビ向けに、上杉達也の大学時代(違う彼女を作ってた。)とか、大学中退してアメリカ挑戦とか描いて、チャチになってしまったの、知らない?

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北条司キャッツ・アイ」原作40周年を超えて明かす、最終回の名セリフ秘話&続編を描かない理由
1/26(木) 20:30 Yahoo!ニュース
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キャッツ・アイ」最終回のセリフは実話!北条司が「ルパン三世」とのタッグが叶った想いや「キャッツ・アイ」秘話を告白
泪、瞳、愛の美人三姉妹が怪盗として躍動する様子を描いた、北条司による人気漫画「キャッツ・アイ」。それぞれタイプの違う三姉妹をはじめとする魅力的なキャラクター、“怪盗の瞳&刑事の俊夫”による恋の行方も注目を集め、アニメ化も実現するなど1980年代に一世を風靡した。2022年には原作40周年を迎えた同作だが、このたびモンキー・パンチの名作とのコラボが実現した「ルパン三世 VS キャッツ・アイ」(1月27日よりPrime Videoで世界独占配信)がAmazon Originalのアニメとして登場。アニメ史を代表する泥棒たちが夢の共演を果たし、大いに楽しませてくれる。

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いまなお忘れがたい作品として愛されている「キャッツ・アイ」だが、“感動的な最終回を迎えた漫画”として同作を思い出す人も多いはず。連載デビュー作にして大ヒットを生みだした原作者の北条を直撃し、「ルパン三世」とのタッグが叶った感慨や、最終回での「瞳ともう一度…もう一度恋ができる」という俊夫の名セリフに隠された秘話、続編を描かない理由まで語ってもらった。

■「『ルパン三世』とのコラボなんて、恐れ多いなと思いました」

ルパン三世」のアニメ化50周年と、「キャッツ・アイ」の原作40周年を記念して制作された「ルパン三世VSキャッツ・アイ」。キャッツアイの父親が遺した3枚の絵をめぐって、ルパンとキャッツアイが泥棒対決を繰り広げるなか、絵に隠された秘密が明らかになっていくさまを描く。監督を、静野孔文瀬下寛之が務めた。

ルパンファミリーとキャッツアイが同じ画面に存在するという、ワクワク感満載の内容に仕上がった本作だが、企画が立ちあがった当初、北条は「恐れ多いなと思いました」と苦笑いしたそう。「『ルパン三世』は、いまだに現役バリバリです。『キャッツ・アイ』は連載が終了してだいぶ経ちますし、『ルパン三世』と『キャッツ・アイ』では知名度も圧倒的に違うんじゃないかなと思って。ただモンキー・パンチ先生の息子さんである加藤(州平)氏によると、以前モンキー・パンチ先生が『キャッツアイとルパンが対決したら、きっとおもしろい作品になるだろう』とお話しされていたそうなんです。ものすごくありがたいことだなと思いました」と、モンキー・パンチも待ち望んでいた企画の実現に喜びをかみ締める。

劇中では、ルパンとキャッツアイの三女・愛が行動を共にし、父と娘のようなやり取りを見せる。北条は「これは僕の希望でもあったんです」と打ち明け、「もしルパンとコンビを組むのが泪だとしたら、(峰)不二子とかぶってしまう印象になってしまうかもしれないし、ちょっと生々しい雰囲気が出てしまうかも。瞳には俊夫という恋人がいますから、それもちょっと問題かなと(笑)。ルパンにとってまだ女性として見ることがない愛、愛にとっては“おじさん”に見えるルパンという組み合わせが、お互いに本音も言える、おもしろい関係になるだろうなと思いました。完成作を観ても、その2人のやり取りはとてもうまくいっていましたね」とにっこり。

ルパン三世」の銭形警部と、「キャッツ・アイ」の内海俊夫刑事が協力して捜査する場面も両作のファンにとっては心躍る瞬間で、北条も「最高でしたね!」と笑顔を弾けさせつつ「銭形警部が、内海俊夫に向かって『熱海!』と呼びかけるセリフがありました。脚本でそのシーンを見た時に、『悔しい!僕もこういうギャグをやりたかった!』と思いました」と銭形&俊夫コンビの掛け合いをたっぷりと楽しんだ様子。アクションや三姉妹の父親をめぐるドラマも本作の見どころとなり、北条は「1本の作品として、とてもおもしろいものになっていました」と満足気な表情を浮かべる。

■「読み切りのつもりで描いたものが連載に。焦りました(笑)」

キャッツ・アイ」は、「週刊少年ジャンプ」にて1981年に連載がスタート。レオタード姿で夜を駆ける美しい怪盗三姉妹という斬新な設定も読者の興味を引き、瞬く間に人気が上昇した。北条が大学を卒業した直後に、地元の福岡県で「読み切りのつもり」で描いたのが始まりだ。誕生のきっかけについて北条は、こう語る。

「大学の卒業制作に向けて飲み会をしていて『なんかおもしろいネタがないかな』という話をしていたら、“父親が刑事で、母親が泥棒の夫婦”というアイデアが浮かんで。妻は夫から情報を聞き出して、裏をかいてしまう…というストーリーはどうだろうかと。でも少年誌に書くとしたら、夫婦よりも恋人同士のほうがいいなと思い設定を変更しました。また三姉妹の設定にしたのは、大学の近くにカフェがあって、そこで3人の女の子が働いていたから(笑)。『じゃあ、三姉妹で描いてみるか』と、単純な発想が積み重なって生まれたのが『キャッツ・アイ』です」。

また、キャッツアイがレオタードで盗みをする設定にしたことについては「僕はボディスーツのつもりで描いていたんですよ!」と笑う。「そうしたら編集部が『これはレオタードだ』と言いだして、僕も驚きました(笑)。当時はジャズダンスなどが流行っていて、レオタードを着て踊る人もよくいましたから。そういう時代なので、レオタードだと捉えられたんだと思います」と時代が生んだ勘違いが、ヒロインたちのトレードマークになったのだという。

読み切りのつもりで描いたものが好評を得て、連載が決定した。北条は「焦りました。いきなり連載だと言われても、それ以降の物語が描けるような設定として考えていないですから。担当編集者からは『家は探しておくから、すぐに上京しなさい』と言われて、『ええー!?』と慌てて上京してきました」とドタバタとした連載デビューを回顧。同作は瞳と俊夫の繰り広げるラブコメでありつつ、“三姉妹が泥棒をしながら、行方不明の父親を探す”というドラマチックなテーマが根底に流れているが、北条によると「もともとは読み切りのつもりでしたから、それらはすべて後付けです」と告白する。

「最初は、三姉妹は泥棒の家系に生まれて盗みを働いている…くらいの感じで考えていました。ところが連載が始まって何週間か経ったころに、担当編集から『彼女たちはなぜ泥棒をしているんだ。少年誌らしい、熱い理由がほしい』と言われまして(笑)。『いまさらそんなことを言う?』と思いながらも、なんとかアイデアを捻りだして、“画家だった父親の絵を取り返すために、盗みをしている”という設定にたどり着きました。でも最初のころのキャッツアイはダイヤも盗んじゃっているし、どうしよう…と悩んだりもしましたが、そうやってすべて後付けで描き進めて。僕は連載も初めてで、それまでストーリーもろくに考えたことがない。すべてが素人なわけです。なにが正解なのか、なにが悪いのかもわからぬまま、てんてこ舞い。とにかく毎回必死でした」と自身のがむしゃらが詰まっているのが、同作なのだと話す。

■「俊夫のあのセリフは実話をもとにしています」「希望の先は、皆さんに想像してほしい」

※以降、「キャッツ・アイ」原作の結末に触れる記述を含みます。未読の方はご注意ください。

必死に描き進めた同作は多くのファンの心をつかみ、キャラクター同士の掛け合いや、父親の行方などドラマ性もどんどん魅力的なものになっていった。怪盗であるキャッツアイと、彼女たちの逮捕に執念を燃やす熱血刑事の俊夫との攻防戦、キャッツアイだということを隠して交際を続ける瞳と俊夫の恋の行方に注目が集まるなか、「週刊少年ジャンプ1984年44号で同作の連載が終了。さらに1985年6号に後日譚が掲載され、こちらが単行本の最終話として収録されている。

最終話にかけてキャッツアイの正体が明らかとなり、俊夫はそのうえで瞳への愛を再確認。後日譚では、瞳を追いかけて俊夫がアメリカ入りしたものの、瞳は病気によって記憶を失くし、キャッツアイだったことも、恋人の俊夫の存在すらも忘れてしまった…という展開がつづられ、読者を驚かせた。そこで俊夫が放つ「こんなにすばらしいことってありませんよ…。瞳ともう一度…もう一度恋ができる…」というセリフは、忘れられない名言として心に刻んでいるファンも多いはず。

後日譚を描いた経緯について、北条は「『キャッツ・アイ』の連載が終わって、次の連載を考えている時に読み切りを描いてほしいと依頼されたんですが、担当編集から『友人の話なんだけど、発熱をしたカミさんが、そのウイルスが頭に入って記憶喪失になってしまった…という人がいて。意識を回復したカミさんに会いに行ったら、あなた誰?と言われたらしい。そいつは落胆するかと思いきや“またカミさんと恋ができる”と言ったらしい。これをネタになにか描けないか?』と言われて。すごくいい話だなと思って」となんと俊夫の名言は実話をもとにしているのだという。

後日譚では以前登場したオルゴールが物語の鍵を握るが、「後日譚に話をつなげるなら、あのオルゴールを使うしかないと思った」とまるでもとから用意された伏線のような役割を担い、すばらしいゴールを迎えた。感動的な最終話を描ききった北条は、「自分としてはいい最終話になったなと思いましたが、果たして少年誌で受け入れられるのかどうか、不安ではありました。人によっては、残酷な終わり方だと思う人もいるでしょう。100%のハッピーエンドとは言えないですから」と胸の内を吐露しながら、「さらに言えば、父親のハインツ、どうなったんだよ!って話ですよね(笑)」と三姉妹の父親の行方について結末が描かれていないことについてコメント。ファンからも「続編を読みたい」というファンレターが届くこともあるというが、謎を残したままでありながらも北条は「自分としてはお父さんも見つけて、みんなで幸せに暮らしていてほしいなと感じていますが、続編を描こうと思ったことはない」と語る。

「『キャッツ・アイ』は原作誕生から40年。『キャッツ・アイ』を描いていたころの自分はもういません。40年も経てば、感性も変わるものです。それに僕の好みとして、あまり大団円というのが好きではなくて。『このラストはちょっと悲しいけれど、希望もある。その希望の先になにがあるのかは、皆さんが想像してください』と思いながら描いているところがあります。そして『キャッツ・アイ』の場合、読者の皆さんのなかには、自分なりの続きを考えている人もいると思います。こういうのを描いてくださいと思ってくださっていても、漫画家としてはそれに応えることはできません。その想像と違うものを描いても、きっと納得してもらえないでしょうし(笑)。これだけ年月が経ってしまったら、それぞれの続きを想像で楽しんでいただくのが一番いいのかなと思っています」。

北条のなかでいま、「キャッツ・アイ」はどのような作品として残っているのだろうか。「漫画を描くこと自体が自分の恥をさらしているようなものですが、『キャッツ・アイ』は恥をすべて出し切ったような作品」と微笑む。「稚拙で下手くそなところから始まって、もっといいものが描けるんじゃないかと思いながら机に向かっていました。僕は、いまだに絵やストーリー、感情表現にしても、きちんとしたものが描けないなという感覚が強くて。『次はよくなるんじゃないか』『次こそは』と感じながらも、全然思うようにいかない。でもその想いがあるからこそ、ここまで続けてこられたんじゃないかと思っています」と名作誕生の裏側には、飽くなき向上心とたゆまぬ努力が隠れていた。

取材・文/成田おり枝

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