E31型BMW850、ゴジラ松井が初めて買ったクルマ?

E31型BMW850、巨人ゴジラ松井が球団貸与のスバルレガシーから、初めて自分で買ったクルマじゃなかった?

まあ、この辺は"直6のBMW"が初めて市販したV8やV12、それも巨人王貞治らが愛用した6シリーズではなく、新たな7シリーズや8シリーズ、トラブルは不可避だったかも知れない。

ワタシは、E32型BMW750をアルピナがチューニングした、アルピナB12-5.0BMWを約15年乗り続けた。うっかり渋滞にハマりヒヤヒヤしたコトはあったが、最後の年以外はバッチリ走ってくれた。買い替えの理由も、修理部品がなくなったからだった。最初の3年は屋外の駐車場だったが、以後は屋内に置けた。外車を維持する上では、まずソレだと思う。

奥さん、息子や娘、奥さんの両親、ワタシの母親、トランクすら使うコトなく快適に乗っていた。(と思う。)

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やっぱりダメ……激安輸入中古車の悲劇!! タダ同然の初代8シリーズ購入ルポ
2023.01.28 05:47掲載 ベストカーWeb 29
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どんなクルマでも価値は落ちていくもの。1000万超の新車でもそれは同じ。とくに高級輸入車の下落幅は大きく、数十万程度で買える場合も。ならば!! と購入を考えたことがある人は少なくないはず。筆者もその一人で、1000万円以上の輸入高級車を買って、大変な思いをした。筆者の実体験を紹介しよう。

文/奥津匡倫(Team G)、写真/奥津匡倫(Team G)、BMWジャパン

やっぱりダメ……激安輸入中古車の悲劇!! タダ同然の初代8シリーズ購入ルポ

■タダ同然の値段で入手!! BMW 850iをガチ購入

BMW850iはかつてのフラッグシップで、新車当時は1500万円ほど。V12エンジンと流麗なスタイリングに憧れたものだった

BMW850iは、現在新車で買えるG15ではなく、1990~94年まで生産・販売されていた初代(E31)のこと。筆者の手元にあったのは91年式の850iで、5LのV12エンジンを搭載したモデル。新車並行で日本に輸入され、その後2~3人のオーナーの元を経て筆者の元へとやって来た。オドメーターは17万km以上。

直近のオーナーが知人だったこともあり、「いるなら乗って行っていいよ」とタダ同然で筆者の元へとやってくることに。その時点で車検は切れていて、しばらく放置されていたような状態だったが、エンジンは1発で掛かったし、とりあえず動く。中古車店に並んでいる格安車と同じ類の個体だ。

■ヤバそうな雰囲気満載!! マイナートラブルも多数

筆者の手元にやってきた時点で15年落ち、17万km超と、商品力のない状態。車検なしの現状渡しで、保証なんてある訳もない。手を出さない方がいい中古車条件のフルコンプリートみたいな物件だった。

その時代のBMW・V12を搭載したモデルはトラブルが多いことがしばしば言われており、そういう話を耳にしたことも何度かあったものの、引き取った時点ではとりあえず動く、ということしかわからなかった。

あらためて車両の状態を確認してみると、何かしらのオイルが漏れていたし、エアコンも壊れていて使えない。ダンパーは抜け抜け状態だし、ライトの光軸もおかしくなっているようだった。

外装も塗装の艶はなく、小キズやへこみなどもあった。おまけに19インチの太いタイヤを履いていて、ホイールバランスもおかしかったのか、ある一定の速度を超えると盛大な振動が発生。動くことには動いたが、なかなかの状態だった。

ざっと見渡しただけでもそれだけの不具合が見られるクルマであるからして、しっかりチェックすればさらに問題が見つかるのは間違いなさそう。さて、どうしたものか。そこで手を引くのが賢明なのだが、目の前にあるのは、発売当初から憧れていたクルマである。

そして何より、V12エンジンのオーナーになれるという幸運(?)を前に、正しい判断ができなくなっていたのかも知れない。結果、車検を通し、名義変更をし、850iは筆者のものとなった。

■名義変更が終わった当日に事件は起きた……

17万kmを超えた筆者の850i。電気系トラブルを示す表示が着いたり消えたりしていた。2つ搭載されたバッテリーを交換してみたりもしたが、それでも消えなかった

車検を取ってしまったので、とりあえずその2年間は乗ろう(持とう)と決めた。とりあえず動けばいい、というか元に戻せるだけの予算はないので、不具合も車検に影響する光軸など最低限のみ。

ネットオークションで見つけた純正ホイールを落札し、タイヤを純正同等サイズへと戻したが、その時点ではそれだけ。出費は全部で30万円ほど。

しかし、そこで終わる訳はなかった。名義変更したその日の夜、食事を終え、駐車場に止めた850iのところに戻ってみると、クルマの下に水溜まりが。オレのクルマ!? と思いながらエンジンを掛けると、すぐさま水温計の針が跳ね上がった。

今にして思えば、その時点で手放すべきだったのだろうが、車検を取り、タイヤを変え、名変したばかりである。仕方なく修理を依頼し、名実ともに筆者のものとなった850iは翌日、積載車で運ばれていった。

■いくら激安でも元も超高級車!! 修理代はやっぱ超高額

修理工場の勧めで、水漏れ対象部分のみの修理ではなく、水まわり全体を一新することになった。高級車というのは、その時代の最先端技術が投入されていることが多い。850iも例外ではなく、エンジンにトラブルを抱えても片側バンクのみで走れるよう、多くのパーツが2つずつ装備されていた。

つまりそれは多くの部品を2個ずつ買わなければならない、ということ。結局、修理代金として50万円が飛んでいった。それ以降、修理はしなかった(できなかった)のだが、極端に悪い燃費や、9リッター近く入るエンジンオイル、10万円近い税金など、お金はかかり続けた。

もっとも、その出費が可能な人のためのクルマであるからして、筆者のようなお金を持たない者が持てるクルマではなかったのだ。超格安でも元は高級車である。何かあれば高級車らしい費用が必要になる。値段の安さだけにつられて飛び付くと、大変な思いをする可能性があることは知っておいてほしい。

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