リヤウイング、本来は効かないし要らないハズ!

フォーミュラーカーなどとは違い、市販車のウイングは、前から見て殆ど見えない。見えても左右両端程度しかなく、殆どの速度域では効かないハズ。

ウイング自体、基本は空気抵抗を受けるツールでしかない。

クルマの空力、特にミドシップやRRはフロントリフトを強く抑えるようにデキている。それが、速度域が高くなるとフロントを強く抑え過ぎて、空力バランス的にリヤがリフト気味になる。だから、リヤ寄りのドコかに空気抵抗をかけて抑えようとする。一番わかりやすいのは、ランボルギーニイオタSVRのリヤカウルルーフウイングだ。ただ、それだと、最大地上高などが変わる。ポルシェ992GT3などは、リヤ上方一杯に大型ウイングを設けている。それは、抑え過ぎたフロントのせいで相対的に軽くなったリヤを抑える作用でしかない。

本来、高速域でフロントのダウンフォースを減らすコトがデキれば、この意図のリヤウイングは必要なくなる。そのフロントダウンフォース引き算制御がデキない限り、殆どの速度域で効かない、超高速域だけで僅かに効くだけの巨大ウイングを立てる必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

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見栄? 最高速に効果あり?? クルマ好きおじさん大大大好きだったリアウイングの本当の役割
2/20(月) 20:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
 かつて、クルマ好きから絶大なる支持を得ていたクルマのリアウイング。「高性能車の証」として、競うように巨大なリアウイングを装着していたが、近年はすっかり見かけることが減り、「あれは本当に効果あったのだろうか…」と思い返している方もいるのではないだろうか。

【画像ギャラリー】クルマ好きが憧れたカッコいいリアスポイラーのクルマたち(13枚)

 はたして、あの巨大なリアウイングは、クルマ好きの単なる見栄だったのか!?それとも効果はあったのか!??リアウイングの本当の役割について考察しよう。

 文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:PORCHE、FERRARITOYOTANISSAN、HONDA、MITSUBISHISUBARUベストカー編集部

リアウイングは「ダウンフォースの発生」が役割
 
先代WRX STiのリアウイング。かなり派手な外観が特徴のモデルであったが…
 車体の後部に装着される空力パーツである「リアウイング」。クルマを後ろから見たときに、「門」や「鳥居」、T型のように見えるもので、比較的高い位置に取り付けられる。かなり派手な見た目になり、いかにも空力に効きそうなパーツだ。

 このリアウイングは、おもに車体後部に「ダウンフォース(下向きの力)」を発生させて車体を地面に押し付ける効果を得るためのパーツで、車両後方に向かって上向きの角度に取り付けられる。走行時の風がここを通ると、空気の流れは上向きに曲げられ、それによって、ウイングの上側に流れる空気よりも下側に流れる空気のほうが速くなり、下側のほうが気圧が低くなることで、クルマを下に押し付ける力(ダウンフォース)を発生させることができる、という仕組みだ。

 ただ、角度や大きさなどバランスを考慮しなければ空気抵抗が大きくなり、燃費悪化や最高速度の低下など、逆効果となってしまうこともある。

ただ、一般道での走行では、整流が主な役割
 
スーパーGTマシンのシビックタイプR(コンセプト)。ド派手な外観がいかにも、という感じだがレースカーでは重要な空力パーツ
 このダウンフォースは、クルマの速度が上がれば上がるほど重要。速度が速くなるにつれ、ボディの下部を流れる空気が乱れ、わずかながらボディを浮き上がらせようとする力(リフトフォース)が発生してしまうからだ。これはタイヤのグリップにも影響を与えるし、高速からブレーキングをして前方に荷重がかかるような状況だとさらに不安定になってしまう。

 それを抑えるため、ダウンフォースは必要であり、もちろん、市販車であっても、高い速度域であれば、効果は期待できるが、一般道を走行している速度域だとダウンフォースの恩恵を感じるシーン(=高速走行におけるリアウイングの恩恵・効果)はまずなく、リアウイングがなかったとしても、安全に走行できなくなるわけではない。市販車の純正リアウイングの場合は、ダウンフォースの発生(=高速走行におけるリアウイングの恩恵・効果)というよりも、リアスポイラーと同じく、「整流」がおもな役割だったと考えたほうがよいだろう。

 「整流」は、クルマが走行している際、ボディに沿って流れている空気が車両から離れるときに発生する、クルマを反対方向に引っ張ろうとする力(負圧)を抑えるため、空気の流れをなるべくスムーズに整え、燃費の向上や安定した走行ができるよう助けるというもの。燃費が重要視される昨今では、重要なアイテムだ。

ただ、当時の本当の役割は、整流よりもやはり「かっこよさ」だったのでは??
 
マクラーレン初の量産PHEV「アルトゥーラ」。この美しさはウイングがないからこそではないだろうか
 昨今は、スポーツカーであっても、以前のような巨大なリアウイングは見られず、GT-Rも、現行型フェアレディZスープラも、控えめなスポイラーの装着だ。フェラーリランボルギーニ、ポルシェ、パガーニやマクラーレンといったスーパーカーも、ド派手なウイングはほとんど見られない。やはり、クルマのスタイリングに対する意識の変化が大きいのだろう。むしろ美しいスタイリングを際立たせるため、高速走行している時だけ電動リアスポイラーが立ちあがるようにしていたりと、できるだけ目立たなくしている。

 リアウイングの廃止は、床下を流れる気流をコントロールしてダウンフォースを発生させるといった、代わりとなる空力テクノロジーが進歩していることも関係している。巨大なリアウイングは、今ほど空力技術が発達していなかった時代に、エンジニアたちが必死に考えたダウンフォース発生デバイスだったということだ。それらが、レーシングカーに取り付けられていることで、「速そう…」「かっこいい!!」というイメージをつくることができたというのが、市販車におけるリアウイングの本当の役割だったのではないだろうか。

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