ホントに来なかった未来?デジタルメーターパネル。

トヨタソアラセリカなどで始めたと思うが、デジタルメーターはトヨタスペシャティーカーでよく使われていた記憶がある。また、F1でもホンダ第2期ではデジタルメーターだったハズ。もちろん、チームに依りアナログメーターを使うチームもあった。当時は、ステアリングスポークの隙間から、どのようにドライバーの視界に入れるかの工夫が必要で、ホンダのデジタルメーターは横棒的に全回転域映っていたが、アナログメーターはパワーバンド部分だけしか見えなかったりしていた。

ニッサンはS13シルビアの時に、飛行機のヘッドアップディスプレイをパクった、フロントウインドウディスプレイをやったが、スピードだけでエンジン回転は表示されず、全く有効ではなかった。

良し悪しはある。確か、'87年F1ドイツGP超高速サーキットホッケンハイムで、ウィリアムズホンダのN・ピケのマシンのデジタルディスプレイが消えた。1,000馬力F1で、ソレがどんなに危険か。ホンダの近距離テレメーターのデータを、ホンダメカニックが無線機でピケに伝え、マンセルやプロストを逆転して優勝した。

未だに、熱などに依るデジタルディスプレイの不安は消えず、アナログメーターの信頼性は高い。

 

 

 

 

 

 

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もはや懐かしい! 車の「デジタルメーター」どこいった!? 時代を先取りすぎた「“来なかった”未来」とは
2023.05.20 20:10掲載 くるまのニュース 25
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■ファミリーカーからワンボックス、スポーツカーまで採用された「デジパネ」

速度計に代表されるクルマのメーターパネルといえば、針が動く「アナログ式」が一般的ですが、1980年代頃からタコメーターまで液晶表示された「デジタルメーター」が各社から登場し、大いに驚かされました。

いま見ると、もはや懐かしさすら覚えるデジタルメーターの魅力について再考します。

【画像】「ソアラ」「ピアッツア」「レオーネ」まで…… 昭和のデジタルメーター写真を見る(62枚)

技術が進み、電気信号による情報伝達が可能となったことを受けて登場したデジタルメーター。

メーターパネル内にあった針が姿を消し、速度を上げると黒い盤面の液晶数字が増していくというカッコよさに、当時小学生だった筆者(遠藤イヅル)は、「なんて未来的なのだろう!」と感動したことを覚えています。

日本車初のデジタルメーターは、1981年登場のトヨタソアラ」(初代)に搭載された「エレクトロニック・ディスプレイメーター」です。

円形メーターが消えたパネルには、数字のみが表示されるスピードメーター、エンジンの回転数に合わせて右肩上がりに光の表示が増えてゆくタコメーターを設置。水温計や燃料計までもが、デジタル化されていました。

エンジンの回転数に合わせ、右肩上がりに表示が増えてゆくタコメーターの動きは、まさに衝撃的なものでした。

同年にデビューし、2例目のデジタルメーター採用車となったいすゞ「ピアッツァ」(初代)のデジタルメーターは、盤面を大きく取ったパネル内に、各種メーターや警告灯をグラフィカルに配置。パネル脇のサテライトスイッチとともに、溢れかえるほどの未来感を醸し出していました。

このように画期的だったデジタルメーターは人気を博し、採用車も増えていきました。

中でもトヨタでは「マークII」兄弟や「クラウン」などの上級車種以外にも、高級ワンボックスカーのはしりである「ハイエースワゴン」、ファミリーカーの「カローラ」や「コロナ」、さらにはスポーツカーの「レビン/トレノ」「セリカ」そして「スープラ」までもが、デジタルメーターを装備するようになりました。

当時はこうしたデジタルメーターに対し、「デジタルメーターパネル」を縮め「デジパネ」などと呼んでいたのを覚えています。

それ以外のメーカーも搭載車種を拡大。明るい時間だと見えにくかったデジタル表示も、FL管(蛍光管)から発光ダイオードやカラー液晶の開発により視認性が向上するなど、技術面での進化が続きました。

デザイン面でも、スバルは1984年に「レオーネ」(3代目)に「エレクトロニック・インストルメントパネル」を設定。メーターだけでなくクルーズコントロール、温度計、トリップコンピューター、各種インジケーターなどの情報が、日本初の全面液晶メーターに散りばめられていました。

一方、3Dグラフィックのようにタコメーター・水温計・燃料計を立体的に描いた日産「レパード」(2代目)のデジタルメーターも、興味深い意匠でした。

しかしデジタルメーターの元祖・ソアラはさらに先を走り、1985年には小型ブラウン管をメーターパネル内に埋め込んだ「エレクトロ・マルチビジョン」を登場させています。

ブラウン管画面にタコメーターや燃費数値、さらにはテレビ放送(!)を映せるほどに発展した「エレクトロ・マルチビジョン」は、もはや現代の液晶メーターと概念が通じるところがあり、トヨタの高い先見性を感じさせます。

これほどまでにデジタルメーターが流行したのは、当時がまさにデジタル黎明期だったため。1980年代のテクノ・SF(サイエンス・フィクション)がブームともあいまって、大いに注目を集めたのです。

当時は”エレクトロニクス”という言葉も家電などで多用され、新しい時代が来たことを感じさせました。

1981年はパーソナルコンピュータ、いわゆるパソコンを普及させた立役者である「IBM PCIBM 5150)」が発売された年でもあります。

また映画の世界でも、1982年に世界初のCG(コンピューター・グラフィック)で製作された「TRON(トロン)」なども話題になりました。

■あの頃の「デジタルメーター」は「来なかった未来」!?

時代の寵児(ちょうじ)ともいえたデジタルメーターですが、1990年代初期頃を過ぎると採用が減少。デジタルメーター搭載車種が多かったトヨタでも、マークII兄弟やクラウンにデジタルメーターが残りましたが、その後もさらに勢力を減少しています。

センターメーターのクルマやハイブリッドカーの誕生により持ち直したものの、かつてのデジタルメーターとはイメージを異にしていました。

現在では、もはやタブレット端末が目の前に!? という大型液晶表示メーターが登場するなど、普及が進んでいます。

液晶画面はどんな表示も可能ですので、アナログ風の指針式メーターにすることも、色を変更することも、ナビ画面やTV放送を映すこともできます。これこそが、全面フルカラー液晶メーターパネルの大きな美点です。

こうしたフル液晶メーターの画面は美麗で、どんな表現も可能という驚きはあれど、あの当時に受けたほどの衝撃を感じにくいのも確かです。

それに比べ「あの頃のデジタルメーター」は、今なお多くの人を惹きつける不思議な魅力があります。その理由はどこにあるのでしょう。

かつてのデジタルメーターは、現在に比べると初歩的なデジタル技術で、アナログメーターの数値表示をデジタル表示で置き換えるものでした。

しかしそこには、技術に未知の領域が多かった時代ということもあり、様々な「新しいことをしよう」というチャレンジの精神が溢れているように感じます。

そしてデジタルメーターといっても、実際にはメカニックパーツで構成されていたこともあり、それがメカっぽさ、旺盛だった未来への憧れ、映画「スター・ウォーズ」やアニメ「ガンダム」などのようなSF感・高揚感を与えてくれたのではないでしょうか。

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そんなデジタルメーターが出現してから40年以上が経ちました。しかし、あの頃思い描いた未来とは違った「いま」を、私たちは生きています。

つまり、「あの頃のデジタルメーター」には「来なかった未来」の姿があるのです。

それもまた、今なおデジタルメーターが多くの人を惹きつけている理由なのかもしれません。

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