宇田川と村上、投手と打者、育成をゴッチャにすんな!

オリックスの宇田川とヤクルトの村上や内山、投手と打者で育成方法は全く違う。

宇田川は大学のエース、本来支配下でも良かった投手、ソレを育成指名した。育成でも3位に。出番と言っても、15試合で各1イニング程度。今のアマチュア投手、スピード重視、瞬発力重視のトレーニングをしている。体格も良いから、スピードは出る。投手なら、短期間でもそのインパクトで抜擢された。

村上や内山、高卒ながら支配下で指名され、野手としてキチンと場を与えられている。ソレ以前でも、古くは若松や池山から山田らの打者も育っている。別に、打者野手育成はドコの球団でも割と一緒では?ソフトバンクだと、複数ポジションをこなせるアピールをする控え選手が多い。単に、打撃走塁守備スキルを、キチンとレギュラーや1軍で使えるか見極めて起用を決断するか、阪神や巨人みたいに目新しさか思いつきで起用し続けるかの違いしかない。

NPB球団に於いて、何が大事か?基本は、1軍で日本一、日本シリーズ、CS勝ち抜き、リーグ優勝、3位以内。サッカーと違い、2部落ちはない。本来は1軍と2軍で必要な試合がデキ、1軍で必要な成果を挙げられる戦力を、故障不調時の入替要員含めて用意し、必要な場面に起用デキれば良いのだ。

ソフトバンク、レギュラー重視で故障不調を隠して出場する選手、故障不調を見抜けず起用する監督コーチスタッフがいれば、いくら優れた選手を1軍2軍3軍で置いてても、宝の持ち腐れになる。それぞれ、試合で使えなければ、試合慣れする機会も経験も得られない。肝心な試合で、そういう投手捕手で、不用意な投球配球で落としたのではなかった?バカガネ遣って、6年に1度のリーグ優勝/日本シリーズ、12年に1度の日本一をどれだけ上回れるかだと思う。

 

 

 

 

 

 

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オリックスの「シンデレラボーイ」宇田川優希とヤクルトの「三冠王」村上宗隆から見える育成方針の違い
10/30(日) 12:58 Yahoo!ニュース
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6回から登板した、オリックス2番手・宇田川(撮影・大泉謙也)
 ◆SMBC日本シリーズ2022第6戦 ヤクルト0―3オリックス(29日、神宮)

 吉田正尚のサヨナラ弾もすごかったし、22歳の三冠王・村上宗隆が醸し出す存在感も半端じゃない。見どころ十分、連日熱戦続きの日本シリーズだが、オリックスの“シンデレラ・ボーイ”がマウンドに立つと、その迫力と威圧感には、うならされるばかりだ。

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 宇田川優希。

 身長184センチ、体重92キロの公称だが、堂々たるたたずまいのせいか、もっと大きく映るのが不思議だ。この右腕が、この頂上決戦で脚光を浴びたのは、第4戦のこと。5回1死三塁、1点リードの中嶋監督は先発の山岡から、2年目の23歳・宇田川へのスイッチを告げたのだ。

 1点もやれないこの場面での投入を「あそこは三振が取れるピッチャーということ」と中嶋監督は説明。その期待通り、宇田川は山崎と山田を連続三振に打ち取り、回またぎの6回は2四球で1死一、三塁のピンチを招くも、サンタナと中村を空振り三振に仕留めた。この右腕が、育成ドラフト3位指名でのプロ入りとは、にわかに信じられないキャリアでもある。

 仙台大のエースで、支配下以外は指名拒否を打ち出しながら、オリックスが敢然と指名。ドラフト会議の翌日、スカウト部門を統括する牧田編成部副部長は当初、ドラフト1位の山下へ指名あいさつをするために福岡入りする予定だったが、急きょ仙台行きに切り替え、大学側への説明と宇田川の説得にあたった。

 「入ってからが勝負じゃないの? プロに入ることが目的じゃないはずだよ」という熱意あふれる口説き文句に、宇田川も“翻意”。1年目こそコントロールに苦しみ、ウエスタン・リーグで1試合登板にとどまったが、今季に入ると、ウエスタン・リーグ15試合で、14回1/3を投げて21奪三振。投球回数を上回る奪三振数はパワーピッチャーの証明でもある。支配下選手登録を勝ち取ったのは、その登録期限直前の7月28日だった。

 1軍デビューは8月3日の西武戦、ちょうど今季100試合目。いきなり157キロをマークし、山川とオグレディから三振を奪う鮮烈なデビューを飾ると、終盤戦の「勝利の方程式」の一角に参入。19試合で2勝3ホールド、防御率0・81、失点したのはわずか2試合という圧倒的な数字を挙げ、チームの連覇を後押し。さらにソフトバンクとの対戦となったCSファイナルSでも第2戦で6回の1イニングを無失点、第4戦では、2点リードの5回から登板し、2イニングを無安打で3奪三振。最速158キロの剛腕に成長した右腕は、支配下登録からわずか3カ月にして、日本シリーズ出場の「40人枠」に入った。

 で、本日のテーマはここ。こういう“下克上”の選手が出てくるチャンスが生まれることも「育成選手制度」のメリットの一つだ。潜在能力を持った選手をプールし、育て上げた中から、新戦力をピックアップすることができる。育成選手制度の発足は05年からだが、11年から3軍制を採るソフトバンクは今年までに87人、オリックスは37人を育成指名している。その一方で、ヤクルトは20人にとどまっている。

 ここには、育成方針の違いが出てくる。ヤクルトは、基本的に支配下選手枠「70人」での少数精鋭型で、逸材を重点強化する傾向がある。村上にしても、高卒1年目からファームの4番。2年目には、1軍で143試合すべてに出場しながら、184三振はリーグワースト。それでも4番で使い続けることで、4年目の昨季に本塁打王、5年目の今季は三冠王。実戦を積み重ねることによる英才教育で、驚異的な成長を遂げた好例だ。

 遊撃手の長岡も高卒3年目。第2戦の9回に代打で起死回生の同点3ランを放った内山も高卒2年目だ。西スポのコラムなので、ソフトバンクのケースにあてはめてみるが、支配下選手で高卒3年目の野手となると小林(今オフに戦力外通告、育成での再契約を打診中)、高卒2年目なら井上、川原田、牧原巧となる。選手層の厚さもその要因の一つだが、現時点では、2軍と3軍を行ったり来たりの育成段階だ。

 オリックスも、3軍こそ常設していないが、ファームの遠征時に、その居残り組と育成選手でチームを組み、地元の社会人や独立リーグとの練習試合を組み、育成選手の強化に本格的に乗り出したのが、大阪・舞洲に育成施設を整備した17年からのこと。宇田川のような逸材も、その“2・5軍”にプールし、素質を磨き上げた後に、1軍へと昇格させている。こうしたプロセスは、ソフトバンクオリックスのように育成システムを拡大している球団こそ、できるやり方で、今シリーズの宇田川に見られるように、成長途上の勢いから一気に、スポットライトを浴びるようなケースも出てくるのだ。

 第5戦、宇田川はベンチ入りを外れて休養に専念。“中2日”となった神宮での第6戦は、1点をリードした直後の6回に登場。2死から山田と村上に四球を許し一、二塁とされたが、オスナを150キロのストレートで空振り三振に打ち取って無失点。完封継投のつなぎ役をこなし、日本シリーズ3試合で1勝2ホールド。3回2/3を投げて無失点。被安打はわずか1本、7奪三振の快投で、シリーズMVPの可能性も膨らんできた。

 こんな右腕を、きっちりと育て上げてきたオリックス組織力にも恐れ入るが、これはソフトバンクにもできるはずなのだ。ただ、競争に敗れた選手も増えてしまうのも必然で、それがプロの厳しさでもある。しかし、そこからはい上がり、日本シリーズで躍動する宇田川の活躍は、来季から4軍制を採用、さらに育成を強化していこうとしているソフトバンクにとっても、大いなる夢と目標になるはずだ。(喜瀬雅則)
西日本スポーツ

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